JBL S3100のスピーカーケーブルを以前、バイワイヤリングで接続したことによりケーブル本数が増えて配線がごちゃつき、元々A/Vアンプの裏側はケーブルが多いのに更に増えてケーブル地獄のように。どのケーブルがどこに接続されているのか分かりにくくなってきた。そこで今回メインスピーカーになっている、JBL S3100のスピーカーケーブルをバイワイヤリング用途として4芯ケーブルに新調した。
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今までのスピーカーケーブル、8ONEの「ESC-2100」
今まで、メインのスピーカーケーブルは8ONEの「ESC-2100」という10メートル２組1,000円程度（1メートル50円程度）の安いケーブルを使用してた。これが意外と値段は安いがしっかりしている。ホームシアター用としてはAVアンプからスピーカーまで距離があるので、部屋（リビング）の壁際に引き回す必要があり、細く柔らかい方が取り回しが楽だったのでこのケーブルで十分だった。
ケーブルに関して私自身にこだわりがなく無頓着なのもあるが特に不満はない。音も素直に鳴っている。サラウンド・システムを組むときなど設置するスピーカーの数が多い場合は距離もそこそこ必要になる。スピーカーケーブルで支出が増えるので金額を抑えられるのはありがたい。予め両端のシース（被覆：ひふく）も切り込みが入っていて、ケーブルストリッパーなどの工具を必要とせず手で簡単に剥ける。
特に私の様にスピーカーケーブルに「こだわらない人」に対しては安価でオススメできるスピーカーケーブル。
世の中は広い。スピーカーケーブルの世界
オーディオの世界には私達、庶民では理解できない超高級ケーブルを使う人もいる。私は超高級スピーカーケーブルを使うことは人の好き好きだと思っているので否定はしないが“嗜好品”というレベルを越えているものもある。例えば…既に販売は終わっているがAETの「Evidence SP」というスピーカーケーブルなどは5.4メートル（ペア）で¥2,892,000円！税込み価格300万円オーバー！
仮に我が家の環境で使う場合、5.4メートルでは足りないので更に価格が上がることになる。私がそんなスピーカーケーブルを買ったら、その買ったケーブルで首を吊らなければならない価格だ。しかも、世の中もっと上のケーブルもある…天井知らず。
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●導体：PVC導体(プレミアムバージン無酸素銅) ●断面積：3.0スケア × 2 ●導体構造：3層円筒構造（各層反転） ●構造：4芯平行構造 ●絶縁：高純度フッ素樹脂 ●遮蔽：グラファイト・ファイバー / アモルファス合金リボン ●端末：UFP-GR（硬質金・硬質ロジウム）およびバナナ端子（硬質金・硬質ロジウム）
http://www.audiotech.jp/category/speaker_cable/EVIDANCE-SP.html
そんな、超高級ケーブルを使うようなシステムで聴く音とはいったいどんな音なのか…音の入口となる再生しているプレーヤーがiPodで高圧縮のmp3だったらグーで殴ってやりたい気持ちになる。意外と我が家の音と変わらなかったりしたら、自然に目から涙が溢れるのだろうな。
8ONEのケーブル４本からCANAREの4S8ケーブル２本へ
バイワイヤリング接続したJBL S3100では、8ONEのケーブルを使用しスピーカー１基につき2本のケーブルを使ってバイワイヤリング接続していた。フロント２ch分（スピーカ２基）で合計４本もケーブルを引き回すことになっていた。元々ごちゃついていたケーブルを少しスッキリさせるためと、ケーブル合計4本のうちケーブル２本が５メートルの継ぎ足しだったのでメインスピーカーのケーブルを４芯のケーブルに交換。その際に購入したのがCANARE（カナレ）の「4S8」というケーブル。しっかりしてるが低価格。
4芯ケーブルなので１本のケーブルに4つの導線が通っている。
ショップで確認すると思ったよりも柔らかく、それなりに太いが取り回しもしやすそうだ。もう一つ細い「4S6」もあったが、断面を確認すると中の導線が細すぎて（0.51mm2）我が家の壁際に這わせるとコーナーで角が出るので、後々の断線も無いとは思うが気持ちの上で不安があり、また銅線断面が細すぎるとDF値が低くなり低音が鳴り過ぎる（ダブつく）傾向もあるので太いほうの「4S8」を購入。シースの色が黒とグレーの２種類あったが黒を選択。ケーブルに曲げ癖が付きにくいのもいい。
CANARE 4S8は思った以上に中身がガッチリしている
CANARE「4S8」は4芯（4本の導線が1本にまとまっている）ケーブルでメートル単位で購入する。予めシースが剥かれていないので、スピーカーとアンプに接続する際はカッターナイフや被覆剥きの工具（ケーブルストリッパー）を使ってケーブルのシースを自分で剥く必要がある。これが意外としっかりしていて剥きづらい。
シース（被覆）を剥いた状態。和紙の様な紙で導線4芯がくるまれている。
和紙の様な紙を取り、線をバラそうとしたら今度は凧糸のようなしっかりした太めの糸と共に導線が出現。
外側はポリ塩化ビニル素材だが、導線同士の絶縁体にポリエチレンを使用しているのでケーブルストリッパーを使うと通常のビニルではないので剥きづらく、安物のケーブルストリッパーのせいなのか無理に剥くと中の細い銅線束の内２〜３本持っていかれる。仕方なくカッターナイフで慎重に切り込みを入れて１つ１つ丁寧に絶縁体のポリエチレンを剥き導線を出した。片側4本分、両端で8本分。それが２組あるので合計16本分。全部剥き終わる頃には結構神経が削られた。
絶縁体の被覆、ポリエチレン。固いというか、粘りがあるのでビニルの様には簡単に剥けない。
フロント合計４本だったスピーカーケーブルが２本になったが、太さが…
AVアンプからフロント用（メイン）スピーカーまで窓際の下にケーブルを這わせているのだが、当然リビングなのでスピーカーケーブルをむき出しのままでは見苦しい。そこで普段は「モール」を使って配線を隠している。以前までのスピーカーケーブル8ONEの「ESC-2100」は細く、バイワイヤリング接続でも何の支障も無くモールに収めることができた。他のケーブル（HDMIケーブルなど）もあるので一緒にフロント用スピーカー１基分でスピーカーケーブル２本、左右チャンネルで合計４本通すのだが特に問題にはならなかった。
しかし、今回のCANARE「4S8」外径がケーブル１本で8.3mmあるものをモールに収める必要がある。一瞬、「細い方の4S6にするべきだったか…」と後悔しかけたが、モールカバーがなんとかギリギリで閉まった。…危なかった。
ヤバかった…。モール（3号）にギリギリ収まった。１つのモールに１本がせいぜい（上段）。一緒に収まっている（下段）のはHDMIケーブル。
CANARE 4S8の音質。ケーブル変更で音質が変わったか
スピーカーケーブルの配線も無事完了し、配線を隠すモールにもギリギリ収まった。以前のひょろひょろとした8ONEの「ESC-2100」よりは断然しっかりとしたケーブルに見える。以前に「ケーブルで音が変わるなら一度試してみたい」と言っていた事が現実になった。
そして肝心の音出し。……良くも悪くも「変化なし」。ケーブルの導線が新しくなり、酸化がなくなった分、多少音がクリアになったがそれは予想範囲内。低音が以前より出るようになったとか、高音が伸びるようになった、またはその逆などの音質そのものは変化なし。
個人的には結果オーライ。これで音質が変わると今までの調整が無駄になる。ノイズも無くクリアでとても良好なケーブルだ。4芯ケーブルでメートルあたり200〜400円程度なら、かなりコストパフォーマンスの良いスピーカーケーブルといえる。
自分で購入しない限り、比べようも無いが超高級ケーブルとの音の違いが分かるようになるまでは、このままで。死ぬまで違いが分からなければ、その方が幸せ。
AVアンプの裏側の配線はともかく、少なくともスピーカー裏はスッキリした。
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