これほど美しい映像を見るのは久しぶりだった。アルフォンソ・キュアロン(Alfonso Cuarón)監督による2013年の映画「ゼロ・グラビティ(原題:Gravity)」。主演はライアン・ストーン 博士( サンドラ・ブロック = Sandra Annette Bullock)とマット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー = George Timothy Clooney)のみ。あと、シャリフという登場人物もいるのだが…まぁ殆ど出演がないので省略しても良いかと。
Blu-ray 仕様:2D版、3D版共に本編91分、2.4:1(シネスコ)、
英語:5.1ch DTS-HD マスターオーディオ、日本語:5.1ch ドルビーデジタル。
基本的に2人で映画のストーリーは進むが、ほぼCGで作られたであろう世界がリアルで何もかもが美しい。ハッブル宇宙望遠鏡の修理作業を行っているところから映画は始まるので、宇宙空間でも地球にほど近くカメラアングルによっては無重力空間に漂うマットやライアンの直ぐ後ろに美しい地球を望む事が出来るのだが、まるで本当にその空間に居るような美しさにおもわずスクリーンに釘付けになってしまった。
カメラワークが面白い
映像を映し出すカメラの動きも面白く、例えばライアン博士を全体像で捉えていたカメラはズームで寄っていき、ライアン博士のバイザーを通過して顔のアップになり、そのまま「目」のアップになり…カメラはそのまま反転してライアン博士が見ている景色に移り変わってゆく。はじめて見た時は余りにも自然で全く気づかなかったがよく考えてみると不思議なカメラアングルだ。2回目を観た時に「???」と頭の中で何か違和感を覚えもう一度観ると、先ほど例に挙げたカメラワークをしていることに気がついた。「どーなってんの?これ」と思いつつ後日にBlu-ray特典のメイキングを見た時それを見て納得。それにしても凄い装置を使って撮影している。
出演者は2人
この映画は2人の演技力が素晴らしく宇宙空間のもどかしさや不自由さ、怖さがひしひしと伝わってくる映画だ。5.1chサラウンドと映像美でさらに映画にグイグイ引き込まれる。それが3D映像で見られるのだから尚更だ。プロジェクターで目の前一杯に広がる宇宙空間に身を投げ出された感覚。けっこう怖い。3Dメガネをかけながら「うぉぉ〜!」と声を出していた。端から見るとなんとも滑稽な感じがするが、これぞ「家キネマ」の醍醐味だ。
サウンド・デザインが素晴らしい
宇宙空間の静けさや怖さを引き立てるのはこの映画の音響の効果も大きい。以前にもAVアンプ導入をしたときの記事でも書いた「無音」の効果が凄い。無重力で空気がない。空気がないので振動が起こらない。音は空気の振動だから音がならない、だから無音。これがこれほどまで宇宙空間を表現するのにリアリティを生み出す。ライアン博士のアップになったら宇宙服の中から響く呼吸音が聞こえるのみ。要所要所にサウンド交えた5.1chのサラウンド効果。素晴らしいサウンドデザインを感じさせる映画だ。
「ゼロ」って必要?
邦題は「ゼロ・グラビティ」だが、原題は「グラビティ」この“ ゼロ ”を付けるか否かは、映画を最後まで見てからご判断を。私は「グラビティ」で良かったかなぁ…と。
まだこの映画を見ていない方は3D環境があれば是非3Dで。やたら飛び出す3D効果は今どきの映画なのでそれほどないが、この宇宙空間の浮遊感と地球を見下ろす感覚、そしてスペースデブリ(宇宙を漂うゴミ)の恐怖を味わって欲しい。
ところで、私はBlu-rayの3D版を所有しているのだがこのパッケージのアウターケースが・・・・
ホログラム処理されている紙のアウターケースで豪華に見えて良いのだが、見づらくない?
お金のお札に使われているように一部ならいいのだが、こんなに全体に処理されていてさらに文字が小さいと…始めに手に取って見たとき目がクラクラした。
Amazonプライムビデオでは3Dに対応していないので、この映画は3D版Blu-rayをお薦めする。
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