エディ・マーフィによる軽いノリやジョークを交えたコメディ要素の入ったアクション映画なので、会話や場面展開のテンポが良く見ていて中だるみがあまりない。刑事ドラマ仕立ての映画なのでシリアスなシーンはそれなりにシリアスな映画なのだが、エディ・マフィのアクセル・フォーリー役がハマリ役で、軽快な会話が楽しくコメディ映画としても面白い。
Blu-ray仕様:本編105分、1.78:1(16:9)
英語:5.1ch DTS-HD Master Audio、日本語:なし(吹き替えが無い。日本語字幕はあり)
字幕は日本語対応しているが、日本語 ”吹き替え” はない。この頃映画館での上映は字幕が当たり前で、今のように必ずしも吹き替えがあったわけでは無いので、本作も日本語吹き替え版は収録されていない。テレビ等で放送するときに改めてアテレコ収録し放送している。なので恐らく版権の問題か何かであろう ”大人の事情” でBlu-ray等には収録されていない。私は吹き替え版を見ることが殆どないので全く問題にならないし、エディ・マーフィに関して言えば、あの笑い声でこっちも笑ってしまうので吹き替え版の笑い声は聴きたくないというのもある。最近のネット動画配信サービスでは吹き替え版も存在するようだ。
「ビバリーヒルズ・コップ」あらすじ
エディ・マーフィが演じるのは、デトロイトの切れ者若手刑事アクセル・フォーリーだ。そのアクセルが、親友を殺害した人物を追ってビバリーヒルズに乗り込み活躍する。アクセルはビバリーヒルズに着くなり、高級住宅都市ビバリーヒルズでは自分の型破りな捜査が通用しないと気がつく。おまけに面倒が起らないようにと2人の刑事を見張りにつけられた。アクセルは正義を守るために、融通の利かない刑事たちを巻き込み、カルチャー・ギャップもなんのそのと突っ走る。
パラマウントピクチャーズ公式サイト「ビバリーヒルズ・コップ」より引用。 © 2016 Paramount Pictures.
上記のあらすじでは名前が記載されていないが、見張りにつけた刑事が“ビリー”ウィリアム・ローズウッド刑事(ジャッジ・ラインホルド = “ジャッジ”エドワード・アーネスト・ラインホルド / Edward Ernest “Judge” Reinhold)と、ジョン・タガート巡査部長(ジョン・アシュトン / John Ashton)のコンビでこのうちの一人、ビリーが後々までコンビを組んで、このビバリーヒルズ・コップシリーズに登場するようになる。
当時のビバリーヒルズが見られる
この映画を見ると「1980年代のビバリーヒルズってこんなだったのか」と映像から当時の様子をうかがうことができるのが面白い。ビバリーヒルズ・コップでは実際のロサンゼルス・ビバリーヒルズでロケを行っているのでネット上でもロケ地巡りとして色々と行っている方もチラホラ。飛行機恐怖症(相当覚悟しないと乗れない)を克服し、お金と時間があれば行ってみたい場所。先程「1980年代のビバリーヒルズって〜」と言ってしまったが、色々と調べてみると現在も当時と殆ど変わっていない。日本みたいに目まぐるしくコロコロ変わらないのはいいなぁ。
劇中のビバリーヒルズ市庁舎
真正面から映画の映像を撮影するのは気が引けるので斜めからの撮影になり見づらく恐縮なのだが、左(上)が劇中の映像で、右(下)が現在の建物の様子。上の写真は劇中に警察本部として使われたBeverly Hills City Hall(ビバリーヒルズ市庁舎)。ビバリーヒルズ市長のオフィスや市政運営はそのまま今も使われているらしい。そもそも1932年に建てられたこの市庁舎は、2013年にビバリーヒルズ市議会が建物を歴史的な保存団体のリストに追加することを決定したので現在も、これからも映画当時のまま。劇中の画像に見える「POLICE VEHICLES ONLY」は、「警察車両専用」の標識。アングル的に建物入り口の看板に見えるがそうではない。
劇中のロサンゼルス・ミレニアム・ビルトモアホテル
劇中に主役のアクセル刑事が泊まった超高級ホテル、ロサンゼルス・ミレニアム・ビルトモアホテル(Millennium Biltmore Hotel Los Angeles)。ネットの紹介や旅行サイトではよくビバリー・ウィルシャー・ビバリーヒルズ “フォー・シーズンズ・ホテル”(Beverly Wilshire Beverly Hills “A Four Seasons Hotel“)がビバリーヒルズ・コップで登場したホテルとして紹介されているが、外見が似ているので恐らく間違って紹介されている。アクセル刑事が「ローリング・ストーン誌」の記者と偽って泊まり、劇中「パーム・ホテル」という名で登場したホテルはロサンゼルス・ミレニアム・ビルトモアホテルの方だ。
当時のメイクや事務所のパソコン、流行り物が分かる
現代なら当たり前にある携帯電話。当時はないので刑事同士の連絡が今の様に取れないが、逆にそれを必要と思うシーンもあまりない。出演する女性のメイクやヘアスタイルが1980年代だなぁと感じる。メイクの事はあまり詳しくないが、ヘアスタイルは皆がブロンドカラー(白人でもブロンドに染める方は多い。眉毛を見たら分かる)でロングヘアにパーマを当ててボリューミーに。まるでライオンのようだ。机に置いているパソコンは古いデスクトップ型で、今はほぼタワー型の縦置きなのだが、本体を横置きにしその上にモニターを置くような昔のタイプ。マイケ・ルジャクソン(Michael Joseph Jackson)のスリラー(1983年)のPV衣裳で街を練り歩く若者を見たアクセル刑事が苦笑いするシーンが印象的。
シリーズ4作目はどうなる
映画ビバリーヒルズ・コップは現在までにシリーズで3作品ある。ずっと以前(2008年頃)からシリーズ4作目の制作に関する事が噂されているが、いっこうに話が進まず。エディ・マーフィ本人は3作目(ビバリーヒルズ・コップ3)をひどく嫌っており「ビバリーヒルズ・コップ3は、ゴミみたいな映画だった」、「カス映画には出ない」と言っていたりしたので出演が危ぶまれる事も噂されたが、その噂を言葉通りに受け取るとエディ・マーフィが出演しないビバリーヒルズ・コップって作る意味もないと思うので、恐らく立ち消えの事を言いたかったのだろう。そもそも何故これほどまでにエディ・マーフィが自身の主演映画のビバリーヒルズ・コップ3を嫌うのかは、それまで好評だったビバリーヒルズ・コップが、3作目でその年の最低な映画を表彰するゴールデンラズベリー賞作品賞と監督賞にノミネートしてしまったからだろうか。本人にとってまた同じ様になるなら出ないと言いたいのだろう。昨年辺りからまた制作の話が出てきて監督やプロデューサーは決まっているようだが、まだまだ脚本は煮詰まっていない感じがする。今度こそクランク・インを願いたい。
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