Blu-ray仕様:本編118分、2.35:1
英語:5.1ch DTS-HD Master Audio、日本語:5.1ch DTS
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シリーズ第1作目となる本作は、小説「暗殺者(上・下)」(ロバート・ラドラム / Robert Ludlum)を原作とした映画だが、設定こそ同じでもストーリーは映画オリジナル。原作本は今、手に入れようとしても既に絶版になっているので古本で探すしかない。
「ボーン・アイデンティティー」あらすじ
ユニバーサル・スタジオ公式サイトに何故か「あらすじ」がないので、私自身でオープニングを少々書くハメに…。
地中海マルセイユの南の洋上で漁船が海上に漂う一人の意識不明の男(マッド・デイモン)を発見する。男を引き上げ調べると、背中には銃で撃たれた跡と、皮膚に埋め込まれたスイス銀行の口座番号を見つける。背中から銃弾を取り除かれ意識を取り戻した男は自分の名前も分からない。船を下りて彼の唯一の手掛かりであるスイスの銀行に向かう道中、夜公園で寝ていると警官に職務質問されてしまい、身分証のない彼は警官に補導されそうになる。しかし、何故かとっさに身体が動き逆に警官を倒してしまうどころか、自分でも気づかないうちに銃まで奪っていた。驚いた彼は瞬間的に銃のスライドを取り外しその場から逃げ去る。スイス銀行に到着し貸し金庫を開けると、そこには “ジェイソン・ボーン” 名義を含む6種類のパスポートと大金、そして拳銃…。銀行を出た後、警官に跡をつけられ逃げ込んだ先のアメリカ領事館でも怪しまれ声を掛けられるが、そこでもとっさに身体が動いて警備員を倒し逃げることに成功する。アメリカ領事館で偶然出会ったマリー(フランカ・ポテンテ / Franka Potente)にお金を渡して協力してもらい、パスポートの住所を手がかりに自分が住んでいたと思われるパリへ向かったが、そこで暗殺者に狙われていること知る。
こんな感じの話なのだが ”男は一体何者なのか” から始まるので、最初主役のマッド・デイモンと同じく、映画を見ている方も訳が分からない様に展開する。何故、追われるのか?何故、格闘技や拳銃の扱いにも慣れているのか?…まぁ、大体分かるけど。彼の正体が分かるのはずっと後。前半はとにかく追われるので逃げまくる。しかもその逃げ方はプロそのものなのだが、自分では何故そんな事ができるのか分かっていない。勿論逃げてばかりもいられないし何故追われるのか知る必要もあるので、後半は逆に相手を突き止めていく。そのスリルとアクションが楽しい映画だ。
マット・デイモンだったのでより楽しめた
マット・デイモンの少し童顔な感じが、このアクション映画を面白くしている。何かと凄腕なのだが自分が何者か分かっていない。人の良さそうな童顔とアクションのギャップがその謎めいた人物像を作っている。これが ”いかにも” な感じの俳優だったら「ああ、やっぱりね」と思って後が面白くない。なので第4作目にあたる「ボーン・レガシー(原題:The Bourne Legacy)」ではアーロン・クロスという人物が主人公の物語になっており、その役をジェレミー・レナー(Jeremy Lee Renner)が担当している。仮に本作の主人公がジェレミー・レナーだったら ”いかにも” な感じがして私にとっては面白さが減っていた。
ジェイソン・ボーンとは結局…
この第1作目ではマッド・デイモン扮する男が何者なのかは分かったが…、全てがスッキリと解決・理解とはいかず、様々な疑問が残ったまま。しかも他何か組織と国が絡んだ大きな計画が動いている。これを解明するにはシリーズを通して見るしかない。サスペンス・アクション映画はハラハラするので観た後ドッと疲れる。でもシリーズ物は謎も残したままにするので、一気に見てしまいたい衝動にも駆られる…やっかいなジャンルだな。
今どきのVFXを駆使した映像ではなくアクション映画では珍しいくらい特殊撮影をしていない。それでもセリフでの言い回しや、特撮を使わないリアリティのあるアクションで魅せる映画なので十分面白い。むしろVFXバリバリの映像の方が興ざめしていたかもしれない。
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