セリフらしい通常の会話のセリフもあるが、会話中に突然歌い出したりもする。例えが悪いかもしれないが、”カジュアルなオペラを外ロケ ”で見ているような感じと言えば分かり易いだろうか。ん〜、反って分かりにくいか。「ミュージカル」なので演出は大袈裟でリアリティは全く無い。だがこの映画の踊りと歌に関しては抜群に凄く盛り上がり格好いい。今のミュージカルはこの映画からインスパイアされているものも多い。
Blu-ray仕様:本編152分、2.35:1
英語:7.1ch DTS-HD Master Audio、日本語:5.1ch DTS
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紹介のBlu-rayはデジタルリマスター版、映像が格段に綺麗になっている。私が今回視聴したのはU-NEXTでのデジタルリマスター版の動画配信。残念なことに画面アスペクト比がビスタサイズ(1.78:1)になっていて両サイドがカットされている。この映画は中心で踊るメインダンサーを引き立てる周りのダンサーも見たい映画なので、この画面サイズはいただけない。Blu-rayやDVDで正規の画面比率(2.35:1)で見るべきだろう。
「ウエスト・サイド物語」あらすじ
ニューヨークのダウン・タウン、ウエスト・サイド。移民の多いこの街では、二つのグループが何かにつけ対立していた。リフをリーダーとするヨーロッパ系移民のジェット団と、ベルナルドが率いるプエルトリコ移民のシャーク団だ。ある日、ベルナルドの妹・マリアはシャーク団のメンバーに連れられて初めてのダンスパーティに出かける。マリアはそこで一人の青年に心を奪われる。しかし、それは許されない恋だった。彼の名はトニー、対立するジェット団の元リーダーだった……。
20世紀FOX公式サイト Blu-ray「ウエスト・サイド物語」より引用。™ and © 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
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主演はマリア役にナタリー・ウッド(Natalie Wood)、トニー役にリチャード・ベイマー(Richard Beymer)、マリアの実兄でありシャーク団のリーダー、ベルナルド役にジョージ・チャキリス(George Chakiris)、ベルナルドの恋人、アニタ役にリタ・モレノ(Rita Moreno)、ジェット団のリーダー、リフ役にラス・タンブリン(Russ Tamblyn)がそれぞれ演じる。マリア役のナタリー・ウッドは1983年公開の映画「ブレインストーム」の撮影中にボートの水没事故で亡くなっている(1981年)。しかし、これが事件なのか事故なのかが謎のまま。ナタリー・ウッドはショーンコネリー(Sir Thomas Sean Connery)と共演したSFパニック映画「メテオ(Meteor)」にも出演していた女優。私も「メテオ」は子供の頃に見たが、当時は名前も覚えておらず、2年後に亡くなっていたとは知らなかった。
当たり前だが古い!なんか色々古いがこれがミュージカルの金字塔!
アメリカの移民者同士の抗争と、許されない恋や犠牲の2日間をミュージカル仕立てで魅せる映画。シェイクスピア(William Shakespeare)の「ロミオとジュリエット(原題:Romeo and Juliet)」を基に舞台をニューヨークの下町に移したブロードウエイ・ミュージカルの映画版。確かに映画を見ていても凄いミュージカル舞台を見ている感覚。当時のニューヨークの社会的背景を語る映画でもあるので「こう言う時代だったんだな」と社会勉強にもなる。ただやはり公開された年代を考えると当然だが、今見ると古い。セリフや所作が古くさい。男女2人が寄り添い遠くを見ながら歌うなど、誰もが想像するミュージカルの「ベタ中のベタ」を大真面目に地で行く。そういう年代。デジタルリマスターされたHD画質の映画だが、内容は変わるはずがないので古さを感じる。それでもやはりミュージカル映画の金字塔。一度は見るべき映画作品だと思う。この映画によって以降のミュージカル映画は変わり「ウエスト・サイド物語、以前」とか「以後」とか言われるほど。それまでは、これほどまでに社会的なメッセージを盛り込んだミュージカル映画はなく、以前にこのブログでも紹介した「雨に唄えば」等に見られるような、もっと楽しくエンターテイメントに寄っていた。劇中に登場する主題歌でもある「トゥナイト」や、「マリア」「アメリカ」「クール」等の数々の名曲は、誰しも一度は聞いたことがあると思うので、まだ見たことがない人は是非この映画を見て「ああ!この歌はこの映画だったんだ!」と歌を聴いて別の方向からでも感動して楽しんでもらいたい。
U-NEXTのビスタサイズ(1.78:1)を無理矢理シネスコ(2.35:1)で見る
元がシネスコサイズの映画なのにわざわざビスタサイズになって登録されているU-NEXT版の「ウエスト・サイド物語」。こうなったら…と無理矢理アナモフィックレンズを使ったシネスコサイズ上映を決行。
…足首から下が切れた。つま先まで神経の行き届いたこのダンスで、この切れ方はダメだ。当たり前だが上下が切れるだけで、横には広がるが広がることによって隠れていたモノが見えるわけでは無いので本当に雰囲気だけ。
このシーンは背景が切れたことで反って2人がクローズアップされた様に見え、見つめ合う2人の雰囲気がいい。まぁ、制作側はそう思わないだろうが…。字幕は撮していないが半切れ状態。
こうして映画制作側の意図を無視して見ることは本来よろしくは無いと思うのだが、無理矢理アナモフィックレンズを通してシネスコサイズにするとこうなるという参考までに。制作側の意図で言えばU-NEXTの配信段階で既にシネスコサイズから両端が切られてビスタサイズに変わっているので、そもそもオリジナルサイズとは言えないが、それを更に上下カットして無理矢理シネスコサイズにしているから全くオリジナルからかけ離れた映像になってしまった。
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