Blu-ray仕様:本編119分 アスペクト比:2.35:1
英語:7.1ch DTS-HD マスター・オーディオ、日本語:5.1ch DTS デジタル・サラウンド
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何故こうなってしまったのだろう。「インデペンデンス・デイ」の魅力は度肝を抜かれる超巨大な宇宙船だけではない。私は「“現在の地球に存在する兵器(エイリアンの兵器を奪うが)”で人類が一丸となって戦い、異星からの侵略者に勝利する」という劣勢からの勝利と、防衛する兵器のリアリティがあって前作は楽しかったのだが、本作はやたら未来的な武器や戦闘機。
前回の勝利で異星人のテクノロジーを研究し開発した武器や防衛システムという映画の初めから“エイリアンのテクノロジーありき”の設定なのだが、劇中の年代も公開と同年の2016年だから現実とギャップを感じてリアリティを失った。それなら、いっそのこと2500年とかにしてくれたら良いのに。
「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」あらすじ
人類がエイリアンとの壮絶な死闘に勝利を収めてから20年後の2016年7月、エイリアンがアフリカに残した宇宙船が密かに覚醒する。それは地球に仲間を呼び寄せるSOS信号だった。まもなく人類が建造した月面基地を粉砕し、地球にやってきたエイリアンは想像をはるかに超える進化を遂げ、重力を自在に操ってニューヨーク、ロンドン、パリ、シンガポール、ドバイといった各国の主要都市を次々に破壊する。ESD(地球宇宙防衛)の部長デイビッド、元合衆国大統領ホイットモア、若き戦闘機パイロット、ジェイクらの必死の奮闘も空しく、敵の猛攻撃にさらされて防衛システムを無力化された人類は、瞬く間に滅亡の危機に瀕していくのだった……。
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出演はジェフ・ゴールドブラム(Jeff Goldblum)、リアム・ヘムズワース(Liam Hemsworth)、ビル・プルマン(Bill Pullman)、マイカ・モンロー(Maika Monroe)、ジェシー・アッシャー(Jessie Usher)、シャルロット・ゲンズブール(Charlotte Gainsbourg)など。
当時、劇場には観に行かずにBlu-ray 3D版の発売を待って購入して観たのだが、「インデペンデンス・デイ」ということを途中から捨て「リサージェンス」というタイトルの別の3D SF映画だと思うことにした。「おっ!インデペンデンス・デイ“風”の超巨大な宇宙船やな!」という思考に切り替えた。そうすることでこの映画はちょっとは楽しめるのではないかと。
……映像は結構楽しめた。
それにしても詰め込み過ぎ
こっちは切り離したくても、どうしても続編ということで過去の「インデペンデンス・デイ」の話を説明するかのように持ち出す。20年前の人物が絡み話を余計に複雑化する。しかも本作は単純なエイリアン対人間の図式だけではないので余計に複雑になる。他にもなんだか無理矢理、過去に絶賛されたシーンを本作でもやってやろうとしているのが透けて見えるのが恥ずかしい。
この映画はこの映画なりに面白いところもあるのだから、無理矢理過去の栄光を引っ張り込まなくても…と、つい前作を観ている者からすると思ってしまう。逆に初見の人の方が迫力の映像を純粋に楽しめるのではないかと思うが、どうしても過去の話を持ち出すので前作を観てなかったらそれはそれで意味不明なところもある。
本作は巨額を投入して製作されているにもかかわらず、全体的に安っぽい感じがするのは何故なんだろうか。人間関係の描写が薄いのに、やはり過去の「インデペンデンス・デイ」に引っ張られているから話が説明くさく回りくどい。それに加えて巨大宇宙船やエイリアンの登場と、たった20年で完成しているエイリアンのテクノロジーを取り入れた武器や戦闘機。地球規模での戦闘かと思えば実際に戦うのはごく一部の部隊にも見えてしまう。なんだか規模と密度の濃さがバラバラ。それらを無理矢理に詰め込んでいる映画。
3D映像としての「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」
概ね3D映画として映像には不満がなくUFO群衆とのドッグファイトなど3Dで観て面白いシーンもある。ただ、肝心の母体となる超巨大宇宙船が逆に盛り上がりに欠けた。これ…2Dの方が良くないか?立体視すると本来対象物が超巨大なだけに3Dにした時の奥行き感とスクリーンサイズの限界なのか反ってミニチュア感がでて小さく見えてしまった。演出の問題かもしれないが、これは仮にIMAXで観ても私は多分同じ感想を抱いただろう。前作の3Dではない「インデペンデンス・デイ」や、先日紹介した「インターステラー」の巨大な波の方が余程大きく見えた。
これを言っては元も子もないのだが・・・この映画は映像云々以前に全体を通して役者の演技が笑ってしまうくらい下手に見える時がある。勿論、普段私は字幕で観るのでセリフは英語だしニュアンスやトーンなどはよく分からないが、表情かな〜?全てではないが自然な感じがなく、いかにも「演技してます」って感じが伝わってくる。そんな何故か下手に見える演技を所々でぶっ込んでくるので余計に冷める。
初見の人は面白いかも知れないが、「インデペンデンス・デイ」を面白かったからと言って「“続編”として観るのは控えるように」と言いたい。凄くガッカリする。レビューで文句が多いのはほぼ前作を観た人。なのである意味偏った意見ではあるが正しくもある。贔屓めにみても、よくできた映画とは言い難く、すごく文句を言いたい気持ちは分かる。でも「クソつまらない映画か」と言われるとそこまで酷いとも思わない。やはりそれなりの映像で、それなりの映画だ。ただ前作でインパクトがあったので続編として期待値があり過ぎただけ。甥っ子は「面白かった」と言っていた。
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