Blu-ray仕様:本編124分 アスペクト比:2.35:1
仏語:5.1ch DTS-HD Master Audio 5.1、日本語:5.1ch ドルビーTrueHD
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元は、以前に何かのレンタルDVDを借りたときに予告編で流れたのを記憶していて、今回Amazonプライムビデオで発見し鑑賞した。OPPO UDP-203でのアナログ2チャンネル出力にすっかりハマリ、音楽メインの映画を探していたのでちょうど良かった。映画は5.1chサラウンドだが、敢えてのアナログステレオ(2ch)出し。音と映像がシビアに言えば若干ズレたが、数フレーム分とごく僅かだし、フランス語なのでそもそも口の動きと発音が分かりづらいからヨシとした。
「オーケストラ!」あらすじ
かつてロシア・ボリショイ交響楽団で天才指揮者と呼ばれたアンドレは、今やさえない劇場清掃員。
ある日、劇場に届いた「出演できなくなった楽団の代わりのオーケストラを探している」というFAXを目にした彼は、とんでもないことを思いつく。
それは彼と同じく、いまや落ちぶれてしまった、かつてのオーケストラ仲間を集め、ボリショイの代表としてこのコンサートに出場するというものだった!
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出演はアレクセイ・グシュコブ(Aleksei Guskov)、メラニー・ロラン(Mélanie Laurent)、フランソワ・ベルレアン(François Berléand)、ミウ=ミウ(Miou-Miou)、ドミトリー・ナザロフ(Dmitry Nazarov)など。ヨーロッパの俳優は殆ど知らないが、私が過去に観た事ある映画の中では、メラニー・ロランは「グランド・イリュージョン」に、ミウ=ミウは「タイピスト!」(←これもフランス映画)に出演している。
役者の演技がフランス独特の空気
フランス映画は何本か観ているが、独特の空気感がある。何か邦画と近いモノを感じるときがある。「間(ま)」というのかそういった空気感とかカット割とか。表情と目を捉えることでその空気を感じさせる。何か言いたそうに相手の顔をじっと見ながら黙っているとか、どこかボーッと見ているとか、ちょっとしっとりした感じとか。何かコレといった映画内容として絶対にいるカットではないが、それで何か気持ちの描写を表現している感じ。しかし、その中でもやはり外国文化で主張は激しいので、喋るときは感情を込めてメチャクチャ喋る。ストーリー自体は展開が読めてしまうほど良くある流れで裏切らない。
「交響曲」…と思って遠慮せず、観ると楽しい映画
「オーケストラ!」という映画は、パッケージからも分かるように交響楽団の話なので「交響曲や交響楽団には興味ないし、クラシック音楽はちょっと…」という人でも面白いのでお薦めできる映画だ。オーケストラならではの難しい単語や言葉は殆ど出てこないし、演奏シーンばかりがふんだんに使われているわけでもない。映像のバックには流れているけどちゃんと演奏するのはラストぐらい。殆どはコンサートに出るための奮闘劇をみせるドラマ。
どちらかと言うと、ドラマ映画というよりもコメディ色の強い映画なので、ストーリーとしては至るところでご都合よく展開するが、分かっていてもイライラしたり、フと笑ったりもできる。そのふざけたキャラクター達(かつてのオーケストラ仲間)が、ラストで魅せる演奏でギャップを感じさせ感動してしまう。もちろん、そんな展開になることを分かっていてもだ。
実際にアナログ・ステレオ(2ch)出力で聴く、圧巻のクライマックス
まいった。ステレオ音声ではスピーカー「JBL S3100」から鳴り響くアナログ2チャンネルの効果は抜群だった。つくづくよく今までいい加減なスピーカーで聴いていたなと感じる。そこそこ大音量で聴いた音が素晴らしく、迫るハーモニーが凄い!ソリストが奏でるバイオリンの繊細なタッチや大胆なタッチのメリハリがしっかりと表現される。それに追従する他の奏者達の迫力ある演奏。
コンサート会場の空気感をまとうサラウンドも良いがそれとはまた違う、ボケないクリアな音であんな演奏を映像と共に聴かされると…。コメディタッチの映画内容からのギャップで高揚感がハンパなく得られて圧巻だった。そして目に涙が溜まった。映画のストーリーでは泣けなかったのに音で泣いた。笑いあり、涙ありのこの映画は、せめてコンポでも良いので音楽用のスピーカーで映像と共に聴いてもらいたい。もしくはヘッドホン・イヤホンで。一般的な薄型テレビのスピーカーで聴いても魅力が半減して全く心が揺さぶられないし、感動もイマイチになってしまう。
劇中の音と映像は違う。ソリスト役(アンヌ=マリー・ジャケ)のメラニー・ロランの演奏も肝心の左手が見えない様なカメラアングルが多いので、多分実際には弾いていない。実際に弾いているバイオリニストが誰なのか分からないが素晴らしい演奏を聴かせてくれる。もしかしたら最後のクレジットタイトルで表示されているのかもしれないがフランス語なのでさっぱり。
U-NEXTなら日本語に切り替えられるかと思いきや、こちらも日本語吹替えはなし。Blu-rayやDVDには日本語吹替えが収録されているようだ。
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