主には無人島に流れ着いた男(チャック・ノーランド = トム・ハンクス)のサバイバル生活を描くが実はサバイバル生活を見せるのがメインではないことに映画を観てから気づいた。けっこう深い映画なので、「キャスト・アウェイ」を観終わった後は人によって様々な感想を持つだろうと思う。
Blu-ray仕様:本編144分 アスペクト比:1.85:1
英語:5.1 DTS-HD Master Audio 日本語:5.1 ドルビーサラウンド
商品詳細を見る ▶
俳優として好きなトム・ハンクス映画だが、この作品は観ていなかった。何故なら同じロバート・ゼメキス監督とタッグを組んだ作品「フォレスト・ガンプ」が私にとっては今ひとつピンとこなかった部分が多く、自分の中では消化しきれなかった映画だったからだ。その同タッグの映画ならやはり遠慮してしまう。しかし、これがビデオ・オン・デマンドの力というのか、レンタルビデオで借りるよりも手軽に借りられるとなるとつい観てしまった。
今回はU-NEXTのポイントを利用して鑑賞。私は鑑賞前にはもっと単純にサバイバルでいかに生き延びるのかを描いた作品なのだろうと勝手に想像していたが、その想像は遠からずもハズレた。
Contents [Contentsを閉じる]
「キャスト・アウェイ」あらすじ
世界宅配便“フェデックス”の敏腕システム・エンジニアであるチャックは世界中を駆け回り、システム上の問題解決に明け暮れていた。ある日、彼の乗った飛行機が事故を起こし無人島に漂流してしまう。過酷な環境の中4年が経過。ついに彼は無人島を脱出し、文明社会の現実へ戻る。だが、そこで彼を待っていたのは、更なる厳しいもうひとつの試練だった……。
TM & (c) 2000 DreamWorks LLC and Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved. TM & (c) 2012 DW Studios L.L.C.. All Rights Reserved.
主演のトム・ハンクス他、ヘレン・ハント(Helen Hunt)、ニック・サーシー(Nick Searcy)などが出演。あと、FedExの創業者フレッド・スミス(Fred Smith)も本人役で出演している。映画大半はサバイバルを描くので実質トム・ハンクスの一人芝居がメインとなる。そしてサバイバル後半、22キロ体重を落としたといわれているトム・ハンクスの身体を見て欲しい。役者魂を感じる。その姿をこのブログではあえて掲載しないでおく。
流石トム・ハンクスだった
飛行機事故で無人島で漂着したチャック(トム・ハンクス)の芝居は秀逸だった。これは期待通りでもある。安定。この映画は144分という約2時間半ほどの映画なのだが飛行機が墜落してサバイバルをしている1時間以上はトム・ハンクス一人で芝居をする事になる。このサバイバル行動と独り言で1時間以上芝居するのだが飽きさせない。けっこう長いはずなのにあっという間に終わる。


墜落した嵐の海の中、命からがら無人島に漂着する。ここからサバイバルの始まり。
もう少しサバイバルを見せて欲しかったと思うほどだ。なので余計に印象として一人の男が無人島でサバイバルをするだけの映画というよりも他のシーンもちゃんと印象に残り、バランス良く内容が入ってきた。一人芝居でも1時間何も喋らないはずもなく、独り言もそうだが話す相手を作る。それがこの映画を観た皆が印象に残り有名になってしまった「ウィルソン」だ。


サバイバルで必要なモノ、水と火。火を起こすのには知識と慣れが必要。
この映画を観ると「ウィルソン」が頭に絶対残る
「ウィルソン」とはこの映画のもう一人の主役といっても良いかも知れない、サバイバルを共にする仲間。実体は“バレーボール”なのだが…。無人島に漂着し、生き延びるために共に墜落して漂着したFedExの荷物。その中にとある祖父が“ジョニー”という孫に送るはずだったバレーボールがあった。それがテニス・ラケットでも有名な企業、ウイルソン・スポーティング・グッズ社のWilson(ウィルソン)ブランドのバレーボール。


後のウィルソンとなるバレーボール。ウィルソン・バージョン・ゼロ。
チャックが火を起こそうと手から出血しながら奮闘するも上手くいかず苛立ち、挙げ句そのバレーボールにあたる。後に冷静になり、手の型に血が付いたバレーボールに顔を描き名前をそのまま「ウィルソン」と名付け、話し相手にする。日常的な生活からみると正気とは思えないが、無人島で誰もおらず一人になると孤独とも闘うために、そうなるのも頷ける。そのウィルソンとプレゼントでもらった懐中時計に入れた恋人ケリー(ヘレン・ハント)の写真がチャックの生きる希望と絶望からの救いになる。最後ウィルソンは壮絶な………言えない…映画を観てもらいたい。


ウィルソン完成。バージョン1。


ウィルソン・バージョン2。形状が変化。


ウィルソン・バージョン3。顔が修復されて微妙に違うのだ。
サバイバルから生還してからが本番。時間と選択
公式のあらすじにもあるように、映画は無人島を脱出する。私はここからが本作の本題になる気がする。サバイバルをメインとするならただ面白い映画で終わるのだが、4年間過酷な環境で生活し文明社会に戻ったチャックに待ち受けていたもの。それがこの映画のキモなのだろう。如何に恵まれた環境で暮らしているか、そしてサバイバルよりも厳しい試練がある現実。
映画は冒頭、FedExという配送会社として、時間との戦いを強調するシーンがある。そして時間にとらわれない無人島生活を経て、生還した文明社会の時間は4年という歳月を経ている。常に“時間”と“選択”というテーマがこの映画に盛り込まれているのだが、これは明確な正解がないテーマなので、ここをどう捉えるかがこの映画の感想を大きく分ける。選択という部分で映画冒頭、平原に現れる四つ辻(十字路)が象徴している。“時間”と“選択”という部分に着目するとこの映画を別の視点からもう一度観られるのではないだろうか。
最後まで謎のプレゼント
墜落してしまう飛行機に乗り込む前、チャックは恋人ケリーと車でクリスマス・プレゼントの交換をするのだが、最後にチャックがケリーに渡した小さな箱のプレゼント。「車の中で開けるものではない」と言って渡しているので、おそらく婚約指輪なのだろうと想像できるが…結局は最後までその中を見ることが出来なかった。本当にそうなのかどうかも謎のまま。あ〜モヤモヤする。


問題の出発前の小さな箱のプレゼント。中身は一体何だったのか…やはり、アレかな。
サバイバルで生活が一変し、また文明生活に戻るというのは環境変化よりも時間の経過が、現実をより厳しいものに感じさせる。何を目的に生きて日々を暮らすのか、生きるとは何かを問われる。それを決して重苦しく感じさせないのはやはり、俳優トム・ハンクスとロバート・ゼメキス監督ならではなのかも知れない。
この記事へのコメントはありません。