AmazonでBlu-ray(輸入盤のみ)を調べたら2,600円程度まで下がっていた。これは買うなら今とばかりに即ポチ。ずいぶん時間が経ったが輸入盤Blu-ray「ハンス・ジマー・ライブ・イン・プラハ」を入手した。
音声はドルビーアトモスとLPCM Stereo(2.0ch)との2つを収録。非圧縮の2.0chで聴くのも楽しみだが、ドルビーアトモス環境(7.1.4ch)が整った現在はあの時に聴いた環境とはA/Vアンプも含めてアップグレードを重ね、今とは全く違うのでこちらも楽しみだ。改めて聴き直してみよう。演奏する曲目リストは下の過去記事を参照頂きたい。
Blu-ray仕様:本編138分 アスペクト比:1.78:1
英語:ドルビーアトモス/LPCM2.0、日本語:なし(輸入盤)
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「ハンス・ジマー・ライブ・イン・プラハ」をLPCM2.0chで真空管プリアンプを通して聴く
プレーヤーにセットすると音声はデフォルトでLPCM2.0chになっている。サンプリング周波数は48kHzでビット深度は16bitとなっているため、オーディオビットレートは約1.5Mbpsの固定と映像業界の標準的なビットレートで収録されている。これはCD音源(ビットレート約1.4Mbps)よりごく僅かに高い程度でこの差は人間(プロ)の耳でも判別できないくらいの差しかないので、CDと同程度の音質ということだ。特にハイレゾで収録されているわけではなかったのは残念。
LPCM2.0ch音声をストレートに視聴しても良かったが、少し味付けとして真空管プリアンプ(パワーアンプにマランツSR8012を使いピュアダイレクトモードでボリュームMAX)を通してJBL S3100で聞くと少し音が肉厚になり、粒だちもよく非常にクリアな音が耳に飛び込んできた。これは当時のNetflixでの視聴はもちろん、Spotifyで聴く場合との比較になってしまうが断然音が良い。当然の結果ではあるが雲泥の差だった。
音場のフォーカスが若干甘く感じるものの、あの大所帯の壮大な演奏からピアノ、バイオリン、チェロ、ギター、ドラムもバスドラからスネア、ハイハットの僅かな音など全てがそれぞれ割と聴き取れる。MP3の圧縮音源からハイレゾ音源に変わったくらいの差が感じられる。超低音の音がモコモコしていない。綺麗に分離した心地よい低音が鳴っている。ディストーションを僅かに効かせたギター音の歪みも汚い音になっていない。ライブ音源としての生々しさも映像だけではなく音を通して十分伝わってくる。このライブ音源、意外とこんなにも音を拾っていたのだと今更感心した。
深い低音の響きもJBL S3100なら余裕で鳴らしてくれる。身体に振動するほど。特にチャプター28から始まる「ザ・ダークナイト・トリロジー」からの楽曲「WHY SO SERIOUS?」ではメインとなるフレーズの中、ベースのピッキングでザ・バットの飛行を表現するような演奏があるのだが、その直後に他の演奏が止まり、超低音(30〜40Hz付近)でメインのフレーズが会場内に鳴り響くのだがJBL S3100ならサブウーファーが無くても深くて低い音がしっかり鳴ってくれる。これまでもNetflixやSpotifyで聴いていたが超低音部分が若干モコモコとした潰れ気味の音になっていた。実際はもう少しはっきりとフレーズが聴き取れるくらいで超低音がなっていたことに気づけたのはビットレートの高さと、物理的にキャビネット容量とウーファーが大きい大型スピーカーならではの恩恵かもしれない。それでも聴き比べたら違いが分かるという程度なので、逆に言うと私の耳程度ならSpotifyの音(ビットレート320kbps)で充分なのだとも気付いて若干ヘコむ。
「ハンス・ジマー・ライブ・イン・プラハ」をドルビーアトモスで聴く
Netflixで視聴した時には実現できていなかったドルビーアトモス環境。7.1.4chを構築している今なら存分に楽しめる。本ディスクではドルビーアトモス音声も収録されているのでこれを聴かずには終われない。トップメニューの「Set Up Options」で音声を「Dolby Atmos」に変更し、最初から視聴し直す。コンサートとしての起承転結ストーリーはあっても映画ほどネタバレ・ショックもないので何度でも視聴できる。
1ch当たりのサンプリング周波数はLPCM2.0ch時と同じ48kHzだが、ドルビーアトモスなので可変型ビットレートとなり、瞬間的に16Mbpsを超える時があるものの概ね約5〜8Mbps辺りで推移している。LPCM2.0ch視聴時に真空管プリアンプを使っていたせいか、完全デジタルのドルビーアトモスで視聴するとS/Nが上がり明瞭でカリッとした印象になる。音の肉厚感が少し痩せた気がしたが、2.0chと比較するとサブウーファーも加わり各スピーカーの負担が軽減するため無理なく朗々と鳴る。ドルビーアトモスならではの音場の広がりとフォーカス感の良さは言わずもがな。
会場に響き渡るオーディエンスの拍手と歓声が全方位から鳴り響いて部屋中を満たし、いきなりドルビーアトモス効果が発揮される。演奏が始まると、なるほど、分かりやすいところで言えば会場の残響音とドラム演奏など打楽器系の反響音がトップスピーカーから鳴り、反響音の遅れが会場の広さを物語る。
2.0ch視聴ではそれほど気にならなかったがドルビーアトモス音声で視聴する時、小さなテレビ画面で映像を観ると音の広がり感との乖離がありすぎて少し違和感を覚えたのでプロジェクターの映像に切り替えた。これで会場が見た目も一気に広がり、暗室なので臨場感も抜群。映画音楽コンサートにしてはステージが華々しくスポットライトの演出も派手なのでドルビーアトモスにして音場が広くなる分、映像とマッチする。
調子に乗って大音量にし過ぎたら流石に定在波が顕著に現れて音がボワつき、何の音響対策をしていないライブ会場の様になってしまった。映画を観るときは音楽を聴く時ほど定在波は気にならないのだが音楽主体のライブコンサート映像は気持ちボリュームを少し落とした方が良い感じに音が鳴る。静かになったら本当にライブの帰りみたいに少し耳がキーンって鳴ってた。いかん…明らかにボリュームを上げ過ぎだ。特別な訓練を受けた人以外やってはいけないやつだ。良い子は絶対マネしてはいけないやつだ。
やってはいけないで思い出したが、部屋を暗くしてテレビやプロジェクターで視聴するにあたり注意してもらいたいことがある。先と同じチャプター28からの「WHY SO SERIOUS?」では激しいフラッシュの様な点滅を繰り返すステージライトの演出がある。人によっては「てんかん発作」を起こす可能性があるため、不安な方は部屋を明るくして視聴するか、テレビやプロジェクターの輝度をできる限り下げて視聴することをお勧めする。私はといえば、投影面がバッキバキに光って部屋全体が激しくフラッシュしている中でノーテンキに心の中で「イエーィ!ウェ〜イ!フォー!」ってなっていた。
普段、あまり積極的にライブコンサート映像をホームシアターで観ることは少ないがこれは別。改めて観ても“映画音楽のライブコンサート”としては最高だ。映画音楽好きで興味のある人にはお勧めの1本。
評判のいいBDですよね。
アトモスのコンサート、興味はありますのでいつか買って観て、聞いてみたいです。
(youtubeでは観ているんですが、別物なんでしょうね 泣)
コンサートものといえば、ウチキネマー様もご存じでしょうが、ジョン・ウイリアムスウィーン・フィル
https://www.amazon.co.jp/dp/B089BHZYDH/?coliid=I2TCUWFZ2ODPU5&colid=3FBNAQ1T7SWIO&psc=1&ref_=lv_ov_lig_dp_it
もアトモスで、かなりそそります。youtubeで数曲聞けるんですが、
https://www.youtube.com/watch?v=vsMWVW4xtwI
がおそらく史上最高に美しいダースベイダーになっており、ポチッとしかけております。
思っていたよりも良かったですよ、ハンス・ジマーのライブコンサートは。コンサートそのもの自体が気に入っています。
ジョン・ウィリアムズの曲自体が大好きでコンサートも聴くのは非常に好きなのですが、ステージ自体のエンタメ性はあまりないので観るよりも聴く方に集中してしまいます。ご紹介いただいているコンサートは私も非常に期待したコンサートでした。…が…私にとっては「なんか違う」感があったのは正直なところです。うめ吉さんも仰っている通り正に「美しい」のですよ。その「美しい」がどうも私にとって「なんか違う感」に繋がったのかなと思います。なんでしょう…マーチとしての躍動感や多少の荒々しさが欲しかったと言うのでしょうか。私はポチっとなりませんでした(汗。
フォースの覚醒あたりから、お年を召されたからなのか、迫力や荒々しさが消え、美しさが増したような気がします。あとウィーンフィルに合わせたというのもあったかもしれませんね。
あのコンサートは上質で上品なスターウォーズ楽曲という表現がぴったりな気がします。「ウィーンフィルが演奏するとこうなるんやな」と思いました。交響楽団って指揮者によって変わったりするのですが、ジョン・ウィリアムズがウィーンフィルに合わせたというのは、ホント、仰る通りかもですね!それともウィーンフィルの伝統や癖が強すぎるのか…。