ロビン・フッドを映画化した作品はこれまでに沢山出ているので「…今更またロビン・フッド?」感は正直ある。中世時代が背景の物語って比較的内容が壮大になり気味なので観始めると観入ってしまうけど、観るまでは腰が重くなりがち。特に疲労が溜まり気味の時は鑑賞中にまぶたが重力に逆らえなくなって、脳内にやさしいオルゴールの音が聞こえてくる。そんな理由(言い訳け)で本作はBlu-rayを以前に購入しておきながら完全に「積みプラ」のような放置状態だった。
新作映画鑑賞の選択もあったが、先週は比較的余裕があったのでここは敢えて「フッド:ザ・ビギニング」を鑑賞。
Blu-ray仕様:本編116分
アスペクト比:2.39:1
英語:ドルビーTrueHD 5.1ch、日本語:ドルビーTrueHD 5.1ch
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Contents
「フッド:ザ・ビギニング」あらすじ
イングランド。広大な屋敷に暮らす若き領主ロビン・ロクスリーは何の苦労も知らずにいた。十字軍として遠い異国で戦うまでは。
4年後、激戦を生き抜いていたロビンは上官に歯向かったことから国へ帰される。そして、自分が戦死したことにされて領地も財産もすべて没収され、恋人も領民も鉱山へと追放されていたことを知る!
どん底に落ちたロビンだが、戦地では敵だった最強戦士ジョンに導かれ、たった2人で腐敗した政府に反逆を開始する。頭巾=フッドで顔を隠したロビンは政府から金を盗み、それを領主として献上し権力のトップに潜入していく。やがて、貧しき者の代弁者〈フッド〉として、民衆の心をつかんでいくのだが――。
事態を重く見た政府は、ついに〈フッド〉を捕らえるために戦地から最強の軍人たちを呼び寄せるのだった。
反逆者かヒーローか、ロビンの戦いの行方は――?
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出演は、タロン・エガートン(Taron David Egerton)、ジェイミー・フォックス(Jamie Foxx)、ベン・メンデルソーン(Ben Mendelsohn)、イヴ・ヒューソン(Eve Hewson)、ジェイミー・ドーナン(Jamie Dornan)、ティム・ミンチン(Tim Minchin)、ポール・アンダーソン(Paul Anderson)など。
タロン・エガートンといえば「キングスマン」で有名な俳優。ベン・メンデルソーンはもはや私の中では悪役固定俳優。基本が意地悪顔なんだろうな。イヴ・ヒューソンはU2のボーカル、ボノの娘。ディカプリオはオークションなどでボノのギターを落札するなどボノのファンでもあり、またボノもディカプリオが主催するオークションでギターを出品したりの仲。もうこれはコネ出演としか思えない。それはそうとやはり親子だな、顔似てる。
ジェイミー・フォックスは良い俳優だと思う。「Ray/レイ」は良かった。「ジャンゴ 繋がれざる者」も印象的。でも、なんかこの俳優は“名脇役”感がある。「レイ」とか「ジャンゴ」などの主人公でなくても出演映画は何故か印象に残るんだよね、「ドリームガールズ」とか「ステルス」とか「ベイビー・ドライバー」だとか。主役クラスだからといって主人公は喰わない。良い俳優とはそういうモンなんだろうな。
原題は「Robin Hood」、邦題は…「頭巾:序章」?
今更ながら、あらすじ読んで「はっ!」と気づいた。私の中ではロビン・フッドの「フッド」って名前として定着してるけど“頭巾”という意味もあるの? あ!「パーカーのフードを被る」のフードか!えっ?綴り…ホンマや、一緒や! 気づいてなかった。
あれ?どっちがネイティブに近い発音なのん?「ロビン・フード」はかっこ悪いから、フッドが正しい? じゃ被るフードは日本独自の発音かも。食べ物の「フード」はまさか「フッド」とは発音しないよな。「F」と「H」の違いか?…ぅ、頭痛が…。
ロビンが頭巾を被っているから「ロビン・フッド」なん? 邦題でファーストネームの「ロビン」はどこいった?
そもそも「ロビン・フッド」は実在した人物なのか
中世イングランドの伝説の人物でありながら実在したのかどうか定かではない。幾つかの人物像が合わさっている説もあるほど。実在したようなしなような人物像が色々ねじ曲げられてくっつけられて英雄視されて伝説となった人。弓使いのアウトローであること以外は、想像でいかようにもなる便利なキャラクターでもある。なので映画やドラマ、アニメによって人格や性格はバラバラ。逆にそれを楽しむというのもアリかもしれない。
ロビン・フッドの存在って人物像のあり方としては日本における「弁慶」が近いのかな?実在はした様なのだが謎も多く、現代までさまざまな憶測や想像・願望が入り交じり、実のところはっきりとしたところが分からない人物。でも、本作でロビン・フッドがやっていることは大名屋敷から金を盗み、それを庶民に施したと噂される、江戸時代の大泥棒“ねずみ小僧”なんだよな。
こういった、その名で実在したかどうか定かでない伝説上のヒーロー達は、その場その時の人々の想像や願望でいかようにもなる、現代人のロマンの塊を一身に背負う運命なのだ。
ん? 時代背景は中世?近代?現代?そんなの関係ねぇ
本作「フッド:ザ・ビギニング」を観ていて気になったのが衣装。ロビン・フッドが中世時代の人物なので、彼を題材にした映画の時代設定はやはり中世時代がほとんど。そんな中、本作も中世時代かと思って観ていたが衣装アレンジがやたら現代っぽく、なんならオシャレなので観ていて中世時代とは全く感じなかった。パーティーのシーンなどパリコレ状態。
時代背景が現代で弓矢を使うとヒーロー像がアベンジャーズの「ホークアイ」と被ってしまうので少し混乱。かといって武器やら建物やらのアイテムは中世っぽいので、少し世界観に困惑する。あと、庶民は見た目を分かり易く表現するため多くはボロボロの衣装だが、ヒロインだけがやたら目立つキレイな赤いベルベット調の衣装なのも気になる。でも、観ていくうちに「こういう世界観なんだ」と見慣れた。
この映画で登場する衣装に関しては特典映像でもふれていて、デザイナーが現代スタイルを取り入れ意図したものらしく、演者もその衣装デザインを受け入れて、気に入り「持って帰って普段に着たい」など喜んでる。
勧善懲悪のメッチャ分かり易い、漫画的な表現の映画
本作の魅力は勧善懲悪のスタイルにつきる。ストーリー展開や主人公の強さ、アクションが漫画的なのだ。この設定のおかげで先に述べた時代背景のカオス状態とか衣装のバラツキなどもなんとなく受け入れてしまえる。その他、投石なのに着弾すると軽く爆発するなどツッコミ所は満載だが、漫画的表現と思えばそれも楽しめる。
エンタメ映画はフィクションであり、非現実を楽しむわけだから矛盾のない映画はほぼ無い。でもその映画の矛盾をツッコみ入れて楽しめたり、世界観を強く押し出して馴染ませたり、上手く誤魔化す事ができている映画って、私にとっては面白くて良い映画の基準なんだよね。本作「フッド:ザ・ビギニング」は独自の世界観を強く押し出して、観る人を「この映画の中ではそういう世界なんだ」と無理矢理でも納得させる映画のほう。
「フッド:ザ・ビギニング」のサラウンド
残念ながら国内版は4K UHD&ドルビーアトモス音声仕様は販売されておらず、国内ではフルHD Blu-rayで音声もTrueHD 5.1chサラウンド。それもこれも販売がKADOKAWAだから。ライセンス料をケチってお金を出さない、映画ソフト販売としてはショボい会社なので、4K UHDやドルビーアトモス仕様で販売できないのだろう(あくまでも個人的な想像)。とにかくKADOKAWAや東宝やGAGAなど日本の配給会社から販売される映画ソフトはアトモス収録ではなかったり3D版が販売されなかったりと、音声や映像仕様が海外版と差があることが多い。自分たちの利益以外、家庭に最高のエンターテインメントを届けようという熱いこころざしは微塵もなさそうだ(くれぐれも個人的な想像)。
それでも全体を通して見通しはいい音だと思う。音声のビットレートは大体4.5Mbps前後で推移していたので特段ビットレートが高いわけではない。おそらくマスター音源がいいのだろう。弓矢の飛ぶ音は分かりやすく視聴者の身体を貫通していく。音のピークは序盤に十字軍として徴兵されて戦っている時。どっちからどっちに弓矢が飛んでいるなど、サウンドデザインは丁寧に作られている。しかし、後半の戦いは音が渾然一体となりがちだった。ドルビーTrueHDの割に収録されている音圧は高い方だと思うが、やはり同じアクション映画で5.1chなら更にガツンとくるdtxの方が個人的には好みではある。
「フッド:ザ・ビギニング」は2021年10月3日時点では、Amazonプライムビデオ、Netflix、U-NEXT、全て無料視聴可能。
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(注:※Fire TV CUBEにはイーサネットアダプタが付属)
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