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プロジェクターで映画鑑賞するための暗室作り ─ Vol.2 ─

プロジェクターでの映画は夜だけの楽しみで良いならそれもアリかもしれないが、日中もプロジェクターで映画を見たいとなると雨戸でもない限り、1級遮光カーテンは最低限必要になる。しかし常設するカーテンを全て遮光カーテンに代えるのはなかなか難しいとなると遮光カーテンをどのように設置するかを考えた方が早い。最低限の投資でなんとかなるものは何とかしたいので、我が家ではリビングに1級遮光の暗幕を簡単に付けられるように常設のカーテン(我が家ではリビング障子)の上から暗幕を付けられるようにした。

窓の上部の木枠部分に目立たない様に同色の木ネジを5ヶ所打ち込みハトメを付けた1級遮光の生地を引っかけて遮光し暗室化している。賃貸マンションの場合はネジを打ち込めなかったり、石膏ボードでネジが上手く固定できない等がある場合は1本で耐荷重3〜5Kgm程ある石膏ボード壁専用のフックを利用するのも良いかもしれない。暗幕を使わないときは生地なので小さく丸めてクローゼットにしまっている。これだけでもプロジェクターで映画を見るには充分な暗室ができ現在でも快適な「家キネマ」生活を送っている。たまに遮光ボードを窓に立てている方もネット上で見る事があるが片付ける場所も取るうえ、小窓ならまだしもリビングの窓となると基本的に「掃き出し窓」が多く、高さが180cm程あってボードでは無理があり更に片付けるのも一苦労だ。

日中でもプロジェクターで映画鑑賞するための暗室作り

ここからは私が実行した暗室作りを簡単に紹介しようと思うのだが、あくまでも余りお金を掛けずに暗室を作りたいがための方法であり暗室作りとしてベストな例ではないことをご承知いただきたい。さらに我が家での環境を元に作ったモノであり部屋の作りによっては無理なケースも出てくる事を理解した上で参考にしていただきたい。

遮光生地を取り付ける窓の採寸

まずは1級遮光生地を購入するにあたり、取り付ける予定の窓枠を採寸する。採寸する際には窓枠を単純に測らずにネジやフックを取り付けようとしている位置から測る。生地に付けるハトメは生地の端ギリギリには取り付けられないのでその分余裕を見る方が安全だ。生地を購入する際は取採寸ピッタリより必ず長めに取ること。後に説明する生地の「ほつれ止め加工」やハトメを付ける際の「生地の強化」などの事もあるので左右天地共にそれぞれプラス5〜10cm程余裕を見ておいた方がいい。最悪、取り付けた際にサイズが足りないと外光が漏れて遮光の意味が無く生地の購入からやり直しになる。

また、既に窓枠にカーテンレールが付いていて内側に取り付けることが無理な場合がある。カーテンの上から暗幕を付けることを考えるのならカーテンレールの更に上の垂れ壁からその分を考慮して採寸することになる。天上いっぱいまで窓になっているような想像するだけで豪華なリビングなら、私のような安っぽいやり方をせず豪華な部屋に見合う暗幕作りをどこか専門業者に頼んだ方がいい。

採寸したサイズで1級遮光の生地を購入

私の場合は1級遮光カーテンではなく1級遮光の ”生地” を売っている「ユザワヤ」等、生地を販売している店で必要なサイズ分を調達した。鑑賞する方向に設置するので無ければ遮光さえできれば何色の生地でも構わない。鑑賞時に視界に入るようならなるべくダーク系がいい。リビングなら窓枠1つで特注ガラスでも無い限り180cm×90cm程度のガラス面が恐らく2枚〜4枚あると思うのでガラス面1枚に付き、生地1枚の計算となる。

我が家では掃き出しの窓枠2つでガラス面が合計4枚。なので生地も1m幅の生地を長さ2mずつにカットしてもらい4枚購入。初めから1級遮光カーテンを購入しても良いのだが、カーテン状に仕上がっているモノよりも生地で購入した方が安く手に入る上、既製のカーテンは大体予めフック用のプリーツや形状を美しくするためのドレープ(ヒダ)が付いていて返って扱いにくい。ネットなら「生地販売 1級遮光」等で検索すると見つけられる。今現在は、ネットで色々と都合に合わせて販売されていたりするので、これを作った当時にあればこんなに苦労せずに済んだのかも知れない。

写真は私が生地販売店で購入した黒に近いネイビーカラーの1級遮光&防音生地、機能的な条件さえ満たせば、特に素材にこだわったわけではないので詳細は忘れてしまった。写真で見るとデニムっぽい感じに見えるがそうでも無い。ケバ立つ様子も無く、毛玉は出来にくそう。

 

生地のほつれ防止とハトメ取付部分の生地の強化

切りっぱなしの生地は切り端から生地を構成する糸がほつれてきて見た目がボロボロになるうえ長年持たない。販売店によっては「ほつれ止め加工」もしてくれる所もあるのでそれを利用するのも良いと思う。自身でミシンを掛けられる環境にあるならそれに越した事は無いが、そういった環境にない場合はミシンを必要としない「裾上げテープ」等を利用するのも良いかもしれない。のりタイプとアイロンを使って熱で止めるタイプのものがある。後、上部に当たる一辺にハトメを付けるため折り返して2重にし、生地の強化をした方が安全なので上部一辺に関しては3〜4cmの幅で折り返してミシンで止めた。

結構ハトメがギリギリで止まることになったので、今から思えばもっと幅に余裕をもって折り返し止めておけば良かった。こうしてアップで見ると更にデニムっぽい生地に見えるが決してデニムではない。こういう柄なだけ。

 

取り付ける窓枠に均等にネジを打ち込む

暗幕を引っかけるにはフック状のものでも良かったかも知れないが、私の個人的な主観で暗幕を外した時にフックの場合はL字に角が出て見た目が好きではないので敢えてネジにした。皿ネジにしたので頭が平で後からシールや手芸用の小さな石や金属類で隠せば多少なりとも格好がつく。窓枠にネジを打ち込んでいくのだが、生地上部一辺に対して余り多く止めるようにすると生地のたわみによる光漏れのリスクは減るが設置が面倒になるので、生地上部一辺に対して3所付ければ十分とした。生地と生地が重なる所は1つのネジに対しハトメ2つ分が取り付けられるようにするので、窓枠1つ(ガラス面ではない)に対して合計5ヶ所のネジを均等に打ち込んだ。まず窓枠の上部左右角にネジを打ち込み、その間のセンターに1つ。2分割の間にそれぞれのセンターに各1本ずつネジを打ち込んで合計5本。ハトメを引っかけるためにネジは最後まで締め切らずにハトメの厚みを残して止める。もう一方の窓枠も同様に行った。

写真では白くて分かりづらいが窓枠のすぐ上はコンクリート製の梁がありとてもじゃないがネジが打ち込めないので掃き出し窓の木枠に木ネジを打っている。もう少し余裕が欲しかった。ネジの頭のプラス字が気になるようなら同色のシールを貼るか、手芸店で適当にアクセサリー用のアイテム等で少しだけデコレーションするのも良いかもしれない。石膏ボードの場合は1本で耐荷重3〜5Kgm程ある石膏ボード壁専用のフックを利用手もある。

 

生地にハトメを取付けて完成

ほつれ止め加工が済んだ生地にハトメを付けるのだが、これはホームセンターでハトメ打ち工具や打ち込み用のゴム台と一緒に調達した。左がハトメ打ち工具、右が生地にハトメ用の穴を開けるためのポンチ、下の黒いのがポンチで生地に穴開けする際や、ハトメの打ち込みをするためのゴム台。ハンマーで叩くのでマンションやアパートなら下の階の方にご迷惑にならないようゴム台は必須。ゴム台は意外と硬いので私は更にゴム台の下に防振ゴムを敷いた。それでもハトメ打ちは深夜にはできないので日中に済ませた。ハトメのサイズによってハトメを ”かしめて付ける” ハンドグリップ式のハトメパンチも使える。これなら音がならない。

 

ハトメのサイズは窓枠上に取り付けるネジの頭のサイズより少し大きなモノであれば何でも良い。プラスチック製のモノもあるが強度的には使ったことがないので分からない。購入してきた生地の上部になる辺にハトメを一定間隔で付けるのだが、先の窓枠に取り付けたネジの頭にチョークを付けて生地上部を引っ張りながらハトメを付ける部分を押し当て、生地にアタリの印を転写し付ける。取り付けた時、生地に大きな ”たわみ” があるとそこから光りが漏れる恐れがあるのでたわみの少ない様にハトメの位置と窓枠に取り付ける木ネジの位置をしっかりと合わせる。1級遮光生地となると元々生地も厚手で強い上、ネジと金属製のハトメなので多少テンションがかかっても破れたり破損することはない。


ハトメ表面。結構ギリギリ。もっと折り返しに余裕を持つべきだったと今になって思う。


ハトメを打った裏側。表裏を打ち間違えると暗室には影響ないが、気持ちは結構ショック。

 


生地の上部、コーナー2ヶ所と間に1ヶ所に各アタリの印に合わせてハトメを取り付け完成させた。また、暗幕同士の重なる所に数カ所マジックテープを適当に付けて重なる部分が浮かないようにした。マジックテープは手芸店や100円ショップでも手に入る。上から下まで全てマジックテープで止めても良いのだが、取り外しが面倒なのでポイント・ポイントで数カ所に留めておいた。浮いて光が差し込むようなら後から追加で付けたらいい。


日中、暗幕を付けていない状態。リビング障子なのでガッツリ光が入る。普段は明るくて快適だと思うが、映画を見るとなると全くよろしくない。この状態でプロジェクターで映画を見ると先日の記事「プロジェクターで映画鑑賞するための暗室作り ─ Vol.1 ─」で説明したような映像になる。


暗幕を付けた状態。暗幕を全てつけての撮影は真っ暗になって何も映らないので窓枠の左1/4を開けている。右側は暗幕を付けているのでしっかりと遮光しているのが分かる。ハトメで引っかけているだけなので僅かに隙間ができ、フィルムを現像出来るほどの完璧な暗室ではないが適当に作った割にはプロジェクターの映像を邪魔するほどの光が漏れることはない。部屋の電気を消した瞬間は何も見えなくなり、目が慣れるまでにはしばらく時間が掛かる。慣れても動き回るのは危ないくらい。─ 暗い。

 


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