フライト・ゲーム,ホームシアター,映画,感想

フライト・ゲーム(原題:Non-Stop)

2014年のリーアム・ニーソン(Liam Neeson)主演、アクション・サスペンス映画。ジャウム・コレット=セラ(Jaume Collet-Serra)監督。他の映画をツタヤディスカスでレンタルした時に冒頭の映画紹介の予告編を見たときに知った映画。割とレンタル版の予告編ではハズレもあるが、こうして面白そうなものが見つかる。本作は予告編の面白さそのままだったが、予告編は非常にテンポ良く作っているので本編では多少間延びした感じは否めない。しかし高度1万2000メートルで閉鎖された空間、旅客機内でのサスペンスものだからこそのドキドキ感はやっぱり面白かった。

フライト・ゲーム [Blu-ray]

Blu-ray仕様:本編107分、2.35:1(16:9レターボックス)
英語:5.1ch dts-HD Master Audio 日本語:2.0ch dts-HD Master Audio

リーアム・ニーソンといえば、「96時間(原題:Taken)」やオスカー・シンドラーを演じてアカデミー主演男優賞にノミネートされた「シンドラーのリスト(原題:Schindler’s List)」が良く紹介されているが、私としてはやはり「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス(原題:Star Wars Episode I: The Phantom Menace)」のオビ=ワン・ケノービの師匠であるクワイ=ガン・ジン役の方が印象にある。

「フライト・ゲーム」あらすじ

NY発ロンドン行きの旅客機の警備のために、客を装って乗り込む航空保安官のビル・マークス(リーアム・ニーソン)。彼は心身ともに疲れきっていたが、身についた習慣から、理由も無く話しかけて来る男や、落ち着きのない男などを、さりげなくチェックしていた。携帯電話で話しながら乗り込んで来た女(ジュリアン・ムーア)、ビルの隣の男に席を替わってくれと頼む。どうしても窓側に座りたいらしいのだが、その理由は言わない。
離陸のアナウンスと共に、緊張に身体をこわばらせるビル。隣の女がジェンと名乗り、心配そうに声をかけるが、「上空へ行けば大丈夫だ」と答えるビル。ビルの手には、意味ありげなリボンが巻かれていた。落ち着いたビルが、「あなたの仕事は?」と尋ねると、ジェンは言葉を濁し、「少し眠るわ」とはぐらかす。
真夜中、トイレでタバコを吸い、席に戻ったビルの携帯に、送信者不明のメールが届く。乗客の一人だという相手に、「この回線への侵入は連邦犯罪だ」と返信すると、どこから見ているのか「機内トイレでの喫煙も犯罪だ」と返される。そしてビルは、指定の口座に1億5000万ドル送金しなければ、20分ごとに機内の誰かを殺すという脅迫メールを受け取る。

「1億5千万ドル送金しなければ、20分ごとに1人殺す」。NY発ロンドン行きの機内で、航空保安官ビル・マークスの携帯に届いた匿名の脅迫メール。その瞬間、乗客146人が容疑者に! この完全なる密室で殺人を犯して、逃げられるはずはない──そんな予測を嘲笑うかのように、時間通りに1人ずつ原因不明の死を遂げる。犯人は誰か、恐るべき真の目的とは──?

映画「フライト・ゲーム」公式サイトより一部引用

この上空1万2000メートルの密室ってのがたまらない恐怖感。もともと飛行機に乗るのが苦手な私がこんな状況になったら飛行機で飛ぶ怖さプラス、別の恐怖も味わうことになるのか…。もうパニックだな。あらすじにもあるように乗客146人全員が容疑者。と、なると見ている方も疑心暗鬼になり、乗客一人一人が普段見ると何も思わないはずが、全員の表情が怪しく見えてくる。さりげない映像ながらそう思わせるように演出しているのが上手い。

紹介するとネタバレしてしまいそうで、紹介が難しい映画

全員が怪しく主役と同じ目線で話が進むこの手の映画は、まだ見ていない人に対して導入部分を紹介できても内容的な話になるとネタバレになってしまう可能性があるので下手に紹介できない。巧みに全ての乗客を怪しく見せるように映し出しているので映画を見ている方も「こいつが怪しい」と一緒になって楽しんでもらいたい。見る楽しみを奪ってしまいそうなので、公式サイトのあらすじを紹介するだけにとどめ、下手に紹介文を頑張って書かないことにした。なのでただ頭をカラッポにしてボケ—っと見ながら、考えてもせいぜい「犯人は誰?」だけを航空保安官のビルと同じ気持ちになって見ると楽しい映画だ。

サスペンス要素の方が高くアクションは控えめ

ポスターや紹介イメージを見るとアクション要素の強い映画のように見えるが映画本編はそうでもない。どちらかと言うとサスペンス要素の方が強く、アクションで派手に見せるシーンは後半のお楽しみ。そりゃ航空機内でポスターの様なシーンが盛りだくさんあっては困る。乗客も146人乗っている上、銃撃戦でそこら中、機体に穴が空いたらどえらい事になる。ただでさえ乗るのが苦手な飛行機なのに考えただけでも恐ろしい。

ポスターと言えば、気になったのがこの映画のポスター。素材に同じカットの画像を使っているのにポスターをデザインする際の傾け方が違う。迫力や画に動きを付ける時や、リズムや流れを作る時のデザイン手法の1つなのだが、日本と海外では傾ける方向が真逆だった。なかなか興味深い。

日本版のポスター(右上がり)
海外版のポスター(左上がり)

(C)2014 TF1 FILMS PRODUCTION S.A.S. – STUDIOCANAL S.A.

深く考えると不可解な事がいっぱい

この映画は理屈っぽく見ると面白くないかもしれない。映画上、都合良くなっている所も多々あるので、見ている最中は面白かったのだが、見終わった後によくよく考えると色々と疑問が残って「あれは何故?」といった印象に変わってくるので、あまり深く考えずにクライマックスまで「犯人は誰?」を楽しみたい映画。だから「ここが面白い!」や「ここはおかしい」など野暮なことは言わないでおこうと思ったのだが…。

いや…どうしても無視できないツッコミどころがあるので1つだけ言わせてほしい。詳しくは説明を避けるが、劇中で一瞬だけ機内が無重力になるシーンがある。パラボリックフライトしたような状態を表現したかったのかもしれないが、劇中の飛行の場合は無重力どころか逆に1.5倍程のGがかからないか?

 
今ならAmazonプライムビデオで見られます。

フライト・ゲーム(字幕版)

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