私が映画館で見た覚えがあるのは冒頭で述べた1978年のオリジナル作品としての映画「スーパーマン」だが、アメリカの大手コミック出版社「DCコミックス」からスーパーマンを題材とした長編映画として、第1作目となるのが1951年制作「スーパーマンと地底人間」なのでそれから実に62年。第1作目のスーパーマン映画を見ている方は、本作をどんな気持ちで見るのだろう。どれだけ愛され続けているキャラクターかはこの年月でうかがえる。
Blu-ray仕様:本編143分、2.4:1(16:9シネスコ)
英語:7.1ch DTS-HD Master Audio、日本語:5.1ch ドルビーデジタル
これも先日の記事「トロン:レガシー(原題: Tron: Legacy)」等と同じく、7.1chのサラウンド収録されているが我が家では5.1chに自動変換されて少し悲しい。
「マン・オブ・スティール」あらすじ
幼い頃から超人的な力を持つ少年、クラーク・ケント。彼は親との約束でその特別な力を封印し、孤独な少年時代を過ごした。成長し、クラークを守ろうとして死んだ父の「使命を突き止めろ」という教えに導かれて放浪の旅に出た彼は、遂に自分の真実を知る。爆発寸前の惑星クリプトンで、実の父親が生まれたばかりの彼を地球へ送り出したのだ。
己の正体に葛藤するクラーク。しかしその時、クリプトン唯一の生き残りであるゾッド将軍と反乱軍がクラークが地球にいることを突き止めた。それは、人類の存亡を賭けた闘いが始まることを意味していた――!
「マン・オブ・スティール」公式サイトより引用。© 2017 Warner Bros. Japan LLC All rights reserved.
地球での育ての両親がカンザスで農場を営むジョナサン・ケントとマーサ・ケントという夫妻なのだが…。本作、父親役のジョナサン・ケントがケビン・コスナー(Kevin Michael Costner)で、母親役のマーサ・ケントがダイアン・レイン(Diane Lane)という何とも豪華な夫婦。そんな地球人夫婦に愛情を注がれながら育てられたクリプトン星人のクラーク・ケントは大人になり、超人「スーパーマン」として目覚める。派手なアクションと戦闘シーンにばかり注目されてしまうが、子どもの頃から超人としての ”悩み” こそが本作の最大のテーマなのかも知れない。なので今回は ”ドラマ” カテゴリーにも入れている。ちなみに「クラーク・ケント」は地球上での名前。クリプトン星人として「カル=エル」という本名がある。
あの頃のスーパーマンではない
ストーリーについては実際に映画を見て頂くとして、本作のスーパーマン、昔のスーパーヒーローの「スーパーマン」の印象とは少し違う。以前までの映画スーパーマンは普段(クラーク・ケント)の人物像が真面目で少しお茶目な所もあり劇中に笑いどころもあったのだが、本作のクラーク・ケントはなんとも人間臭く笑いどころも少ない。葛藤や悩み、悲しみを表面に出し過ぎるほど出す。ただ、スーパーマンとして活躍するときにヒーローらしからぬ程、戦闘では敵との取っ組み合いでモノを破壊しまくる。クリプトン星人同士の戦いに余裕など無いのかもしれないが、建物から何から破壊しまくり爆発しまくりで大惨事に。事故レベルなどと甘いものではなく現代でいえばテロ災害レベルだ。クリプトン星人同士が惑星クリプトンから地球に来てケンカしたら大惨事になるという事を示したかったのだろうか。なんだかこれまでのスーパーマンのイメージとは随分違う印象なので、ある意味ショックを受けた。
3D映像なのに少し勿体ない
3D好きの私が購入したBlu-rayは勿論3D版だが、本作は3Dで見るには正直ちょっとしんどい。クリプトン星人同士の戦いでは戦闘シーンの動きが異常に速いので一部では3Dならではの効果が全くと言って良いほど分からない。映像ではカメラの目の前に立っているかと思うと次の瞬間にはマメ粒の様に小さく見える程、遠方に飛んで行っている。これは普段の3D映画なら奥行きを感じるシーンなのだが、大袈裟に言うと余りにも速すぎて対象人物が「大」から「小」に変わっただけに見えるほど。間のコマがあるにはあるが少ないのでこのように見えてしまう。瞬きするとコマ落ちに見えるほど速い。醍醐味でもある戦闘シーンでは正に瞬き厳禁な映画。カメラの動きで何処に移動したかは分かるようにしてくれているが、何が起こっているのかよく分からない所もある。手持ちカメラでライブ感を演出しているのも臨場感が出てリアルではあるが少々見えづらくもある。一見、スピード感があり迫力があるとも言えるが、言い換えれば ”雑” とも言える。ホームシアターの3D映像は基本的にフレームシーケンシャル方式なので3Dメガネ(アクティブシャッターメガネ)で片目ずつ高速シャッターを通して見ている。技術的な話になってくるので割愛するが、速い動きの動画には余り向いていない。パッシブ方式の3Dなら偏光グラスを通して両目で見るためマシなのかも知れないがホームユースのプロジェクターでは現実的ではない。なので本作のハイスピードな戦闘シーンでは3Dがブレて見えているのかも知れないが、それすらも分からないほど速い。なので3D映像の意義を余り感じることができなかった。この辺りは、プロジェクターの性能にもよるような気がする。機会があれば液晶プロジェクターではなく、動きに強いとされるDLPプロジェクターなどで比較したい。勿論、ハイスピードな戦闘シーン以外はしっかりとクオリティの高い3D映像を見る事ができる。なので残念ながら戦闘シーンは2Dで見た時の方が動きがよく分かり面白かった。これは次回プロジェクターを買い替えるときの動きに関する3D映像のリファレンスの1つとしたい。
歴代スーパーマンでは一番のイケメン
・・・なんだこの顔面造形美は。
本作、歴代スーパーマン役では初のイギリス人俳優として、ヘンリー・カヴィル(Henry William Dalgliesh Cavill)を起用している。今までのスーパーマン役の方を決してブサイクとは言わないが、ヘンリー・カヴィルが超イケメン!だが、写真や映り方などによってはたまにそーでもない様に見えるのは気のせいなのか。Blu-ray 3D版ジャケットの写真なんて何故これをチョイスしたのだろう。ジャケット撮影なんて腐るほど撮っただろうに中からわざわざこれを選択するとは、なかなか可哀想である。もしくは上の写真が奇跡の一枚なのか。イヤ、でも総じてイケメンには見える。更にあの肉体美。今流行のジェンダーレス系でのイケメンはではない。あれは私からするとイケメンとは言わない。ただの流行顔&メイクなので時が来ればイケメンとは呼ばれなくなるし、素顔は案外 ”地味メン” だったりする。対して本作主役のヘンリー・カヴィル。個人の主観であり、くれぐれも私は男好きでもゲイでもないが、男の私から見ると相当のイケメンに見える。こと顔面に対して神は平等では無いのだなとつくづく感じる。同じ人間とは思えない・・・。はは〜ん、クリプトン星人だな。
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