Amazonがこんな奇策(?)を打ってきた。それは「WEBブラウザ・アプリのインストール」だ。2018年1月1日以降Fire TVではYouTubeを見られなくなるとお知らせがあり、アプリ上でもその警告が表示されている。しかし、その対策なのかAmazonはFire TVにWEBブラウザ「Firefox」と「Silk」アプリをダウンロード&インストールできるようにしてきた。WEBブラウザが実装できるとなると当然、「YouTube」が見られるわけで・・・・。
YouTube専用アプリではなくWEBブラウザ・アプリ。「…なんと、この手があったか!」と思ってしまった。しかもFirefoxはAmazon Fire TV用にカスタマイズされている。Firefoxでしか試していないが、ブラウザ内で開いていたコンテンツはFire TV内にキャッシュされているので次回開けばそのままブラウザ内で開いていたコンテンツが開く。実質アイコンはFirefoxだが、開けばいきなりYouTubeということが可能なのだ。しかもFirefoxのブラウザにはYouTubeなどと一緒にWEB検索としてGoogleも予め用意されている…何がどうなっているのやら。
これでAmazonはYouTubeアプリを引きあげてしまうGoogleに対しても折れず、Firefoxなどブラウザを実装してユーザーが勝手にYouTubeを見ているだけという体裁を作り、実質YouTubeを手に入れた。何とも 姑息な 上手いことを考えたものだ。オープンソースであるFirefoxならGoogleでもこれは流石に止められない。
FirefoxアプリはAmazon Fire TVまたは、Fire TV Stick内でダウンロード&インストールし、コンテンツに追加されたら起動するだけ。初めにFirefoxアプリが予めブックマークしているホームが表示され、そこからコンテンツを選ぶことになるが、ホームにはYouTubeやGoogleが予め並んでいる。しかもYouTubeはトップに並んでいるから、完全に狙ってやっているのだろう。
Firefoxは最終閲覧したコンテンツを記憶するので、一度起動してYouTubeを見た後にそのままリモコンのホームボタンを押し、Amazon Fire TVのホーム画面に戻ってもキャッシュに保存されているので再度YouTubeを見るときは“Firefoxを選ぶだけ”というこれまでと全く変わらないステップ数でYouTubeを見ることができるようになった。表示も今まで通りフルサイズ画面だ。
今朝、バタバタと急いで画面を開いて写真を撮っただけで、全てを試せていないのでフラッシュ動画は見ることができるのかとかWEBの何処まで閲覧できるのか分からない。普通にブラウザとして使えても入力が面倒(音声入力できるかは試していないが)なので普段から積極的に使おうとは思わない。なので私は今後Firefoxという名の“YouTubeアプリ”を使うことになるのだろうな。
これで一件落着とは多分ならない
ユーザーは両社の小競り合いのおかげでFire TVに今までなかったWEBブラウザをインストールすることができるようになった。AmazonにとってはGoogleに対して「してやったり」だろう。2018年1月1日からのYouTubeに関してFire TVユーザーは一安心だが、これでは企業同士のいざこざが決着したことにはならない。Amazonは現時点でも相変わらずGoogle製品を販売していないのでGoogleがこのまま黙って引き下がるとも思えない。最終の落としどころはここではないと思うのだが・・・オチが怖い。
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