ピープル vs ジョージ・ルーカス,ホームシアター,ドキュメント映画

ピープルvsジョージ・ルーカス(原題:The People vs. George Lucas)

今週末から始まるゴールデンウィークは、先日届いた「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」3D版Blu-rayをIMAXで観たにも関わらずアナモフィックレンズを通したプロジェクターで改めて3D鑑賞するとして…今回は「スター・ウォーズ」に関係する、以前にU-NEXTで見つけて視聴したドキュメンタリー映画「ピープルvsジョージ・ルーカス(原題:The People vs. George Lucas)」をご紹介。2010年に公開されたこの映画はその名の通り「スター・ウォーズ」を作り出したジョージ・ルーカス(George Lucas)と製作スタッフ、対して映画「スター・ウォーズ」のファンが対立する様子を描く。登場するファンの言葉に私も同意して笑えた。

Blu-ray仕様:本編92分、1.78:1
英語:5.1ch ドルビーデジタル、日本語:なし(字幕あり)
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「スター・ウォーズ」ファンによる、「スター・ウォーズ」に関する、「スター・ウォーズ」ファンのためのドキュメント映画。しかも昔からの「スター・ウォーズ」ファンでなければ観てもさほど面白くないかもしれない。日本語吹替えはなく字幕版のみ。Blu-ray版はコレクターズ・エディションとして特典映像が270分も入っている。本編は本作用としてジョージ・ルーカスの特別インタビューや出演はないが、過去の映像としてインタビューに答える様子が映されている。

ファンの熱さが尋常ではない

全編通して感じることは映画「スター・ウォーズ」に対してファンの熱さが尋常ではないと思うこと。もちろん「スター・ウォーズ」の熱狂的なファンにインタビューをしているので熱く語るのは分かっているのだが、これだけでドキュメンタリー映画(テレビ番組では無い)を作れるだけファンが多いということをこの映画製作が物語っている。そして、ファンが指摘するダメ出しが結構的を射ており、知っている者が観ると「そう!そう!」と思えるものもあるし、擁護する者も居る。そして、「ん?…何言ってんだコイツ?」と思うものも。人それぞれ思う所があることがうかがえる。

このドキュメント映画に登場するファンは凄い熱量で語る。私はここまでは到達していないな…。

ジョージ・ルーカスの“後からいじり(修正)”の産物、「特別篇」

ジョージ・ルーカスは自身が監督し作り出した映画「スター・ウォーズ」の劇場公開当時のオリジナル作品から後に「特別篇」としてデジタルリマスターし、修正を加えた。当時劇場公開を観ていない人が現在DVDやBlu-ray等で目にする「スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望」〜「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還」は劇場公開版とは違う。

ジョージ・ルーカスは過去のインタビューからの映像。古い映像なので映像も少々粗い。

視聴覚効果を上げた微々たる修正もあれば、キャラクターが変わってしまう程の大きな変更もある。私も子供の頃に見た衝撃で鮮明に記憶にあったのでDVD(特別篇)を観たときにかなり違和感を覚えた。良い悪いは別として公開時のイメージとは違うものを見せられている印象を抱く。子供時代の良かったと思っていた記憶を書き換えられている印象さえ感じる。

ファン各々が好き放題「スター・ウォーズ」への熱き想いを語る。

このドキュメント映画では、そんな自分の個人的な所有物かのように書き換えてしまうジョージ・ルーカスの傲慢さとエゴを劇場公開当時からのファンが見過ごすはずも無く、大バッシングしている。ジョージ・ルーカスのエゴもさることながら、ファンはファンで自分の意思で「スター・ウォーズ」に身を捧げるほどの勢いで関連グッズを買っておいて、それをジョージ・ルーカスのせいにする身勝手な言い分に心から「何でやねん」と思ってしまい、あまりの理不尽極まりない言い分に笑ってしまった。

当時はオリジナル版を観ようと思うと、VHSテープやレーザーディスクでしか無理だったが、今はオリジナル版がDVDでも観られるので「特別篇」と比較して観ることができる。ファンとしては一安心だ。…危うく子供の頃の記憶をジョージ・ルーカスに書き換えられるところだった…。劇場公開オリジナルと特別篇の違いは今やネットで調べれば私も気づいていたことから、全く記憶に無く気づかなかったことまで山のように出てくる。

ジョージ・ルーカスが“好き放題”編集することをファンは許せない。それにしても同一カメラで撮影されていないのでアスペクト比がコロコロと変わる。

「特別篇」から新3部作(エピソード1〜3)まで

ボロカスに酷評した「特別篇」の話から話題は「エピソード1〜3」の新3部作に。ここでもメチャクチャ酷評している。特にエピソード1から登場するキャラクター「ジャー・ジャー・ビンクス」についてファンは怒り心頭。色々とツッコミ「スター・ウォーズ」の世界観をぶっ壊されたと。もうほぼ悪口でしかない。私もこれには同意した。…しかし、私も含めてファン達はふと気づく。これら酷評しているのは昔の旧作から「スター・ウォーズ」が好きな、私ら世代だけで子供達は純粋に面白がっているのだ。私達が子供時代に新3部作を観ていたら多分、それはそれとして「スター・ウォーズ」を楽しんで観たのではないかと…。

だからと言って劇場公開した「エピソード4〜6」の修正・変更をした「特別篇」を“オリジナル”とするわけにはいかないが、ジョージ・ルーカスとしては“オリジナル版を抹消”したいと思っているようだ。自分が後から手を加えたのが本来映像化したかった“オリジナル”だと言いたいのだろうが、私からすればやはり劇場で観た(観てしまった)のが記憶に残るので、劇場公開版が永遠に“オリジナル”なのは変えられない。

劇中でファンが酷評の中、話題に出てくるジョージ・ルーカス自身が「無かったこと」にしたいと思っている「スター・ウォーズ・クリスマス・スペシャル番組」は、非公式(恐らく劇中でも言っている海賊版)なのでリンクは貼れないが「The Star Wars Holiday Special」で検索すると見つけられる。

ジャー・ジャー・ビンクスは昔からのファンには許されないキャラクターなのか。

結局は…

4部構成のドキュメント映画なので起承転結はあるものの、ストーリー展開もへったくれも無いし、ネタバレという意味も無いので言ってしまうが、このドキュメント映画はファンそれぞれの言い分を言えるだけ言う映画になっている。それを観る側がどう捉えるか。劇中登場するファンと同じ感情を抱くこともあれば、反対の感情を抱くこともある。視聴者も含めて「スター・ウォーズ」ファン、それぞれの想いが交錯する中、結局皆「スター・ウォーズ」が好きなのだなという結論に達していく。

あと、映像はファンそれぞれがオリジナルで描いたメチャクチャな「スター・ウォーズ」のパロディ映像が流れたりもするので映像的には見苦しい点もあるので、素直に字幕だけ追いかけた方が分かり易い。しかしファンの酷評による下品な表現もたまに発せられるので子供が観るときは注意が必要。視聴ターゲットはあくまでも私たちオッサン世代だ。

 


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「スター・ウォーズ」愛に溢れたこのドキュメント映画。映画としては、なかなか思い切ったものを感じるが、私も「スター・ウォーズ」は好きなので共感し、同じような目線で見られたのが楽しかった。映画といってもプロジェクターなどで大画面で見る必要は全く無く、むしろテレビで十分。映像が楽しいわけでもなんでもない。このドキュメント映画のためにプロが撮影しているインタビュー映像と、素人が撮影したホーム・ムービーやアニメーションと、過去の映像が入り交じった内容。ただファンなら映像内容は置いておいても話は面白い。

これほど熱狂的に愛され続ける「スター・ウォーズ」の世界をマニアックな目線で見ることができる。知っているようで知らなかった事もあり非常に興味深い内容だ。


Amazonビデオ・U-NEXT・NETFLIXで見られる(有料含む)。NETFLIXで検索する際は「ピープルvs…」ではなく「ピーブルvs…」に…。タイトルの「プ」が「ブ」になっているので注意。

Amazonビデオで観る(字幕版) ▶




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