英語発音で「バナ〜ナ」のバナナプラグ。スピーカーケーブルを抜き差しすることが多かったり、複数台スピーカーを持っている方で取っ替え引っ替えスピーカーを替えて音を楽しんでいる人にとっては割と重宝するプラグ。ホームシアター用途のAVアンプはスピーカー端子も多く付け外しが結構大変になる。もちろんバナナプラグはホームシアターやオーディオで必ず導入しなければならないプラグではない。私も最近のAVアンプでスピーカーの数が増えて、一度セッティングが決まればそうそう外すことはないが、たまに調子を見るのにスピーカーケーブルを外したりすることもある。
Contents
AVアンプでは特にスピーカーケーブルの付け外しが楽になるプラグ
余程広い空間や専用ルームでも無い限り一般的にプレーヤーやアンプ類は大抵壁際にあり、機器を大きく移動できない時、壁との隙間でスピーカーケーブルの付け外しがやりにくい。特にスピーカーの接続数が多いAVアンプなら尚更だ。そんな時はバナナプラグがあればスピーカーケーブルの付け外しも便利だ。音質が良くも悪くも変わるという人もいるが接点不良や端子の劣化以外は、正しく接続すれば個人的には耳で感じて分かる程の変化はないので、目が飛び出るほど高いバナナプラグを買う必要はない(劣化しにくい等はあると思う)。良い方に音の変化があるとすれば、バナナプラグを付けるためにスピーカーケーブルの被覆を新たに剥き直した恩恵のほうが大きいかも知れない。かといって安すぎるモノではスピーカーケーブルがバナナプラグ自体に取り付けにくかったり、スピーカー端子に差し込む際、簡単に折れ曲がってしまったり、スカスカだったりする粗悪品もあるのでその辺りは注意したい。
バナナプラグで音質が悪化するか?
元々スピーカーケーブルの被覆を剥いただけの直接接続でもきちんとスピーカー端子に接続している人からすれば、バナナプラグにしてもYラグプラグにしても端子との間に物理的にモノを咬ますことになる。そう考えると接点数が増える分、接触抵抗のリスクも増えて厳密に言えばは音質的にマイナス要因があってもプラス要因があるとは思えない。それを嫌がり、敢えてスピーカーケーブルはスピーカー端子に直接(裸線)接続する人もいる。オーディオの世界はその世界を生きる超人的な耳を持った人が多く存在する。そのような少しの変化も許されない人はバナナプラグを使うべきではないのかも知れない。
しかし、音質のマイナス部分は導線劣化や酸化などで抵抗値が増えない限り、一般の人間の耳では判断できない程度。しかも、スピーカーケーブルをしっかりと端子に接続できていない人にとっては、バナナプラグやYラグプラグを手元で正しくスピーカーケーブルを取り付けてから、アンプのスピーカー端子に簡単ながらもしっかりと接続する方がよほど安定した音質効果につながる。ちなみに私が使用しているマランツSR8012のスピーカー端子には根元にカバーがありYラグプラグがサイズ的に使えない(小さいYラグプラグならいけるかも)。
オーディオテクニカ「AT6302」ネジ止め式バナナプラグ
私が使っているのは、オーディオテクニカの「AT6302」というバナナプラグ。今後、我が家のドルビーアトモス仕様に対応するためトップスピーカーの設置や移動で試行錯誤する時に、スピーカーケーブルの抜き差しが楽になるようにバナナプラグを導入した。オーディオマニアなら絶対買わないであろう金属本体。端子にズラーと並ぶと見た目がカッコイイだけで他のメリットは何もないが、スピーカー端子に差し込む際も硬めでしっかり差し込め、抜け落ちることはないだろう。
ネジ止め式でハンダ付けを必要としないぶん楽だが、プラグ内で被覆を剥いたスピーカーケーブルの末端は、むき出しよりは劣化しにくいもののやはり経年劣化はしていくので、ネジ止め式バナナプラグを使用する以上、使用環境にもよるが数年おきにでも被覆を剥き直してメンテナンスすることをお薦めする。確認した時に中の導線がキラキラしていたら大丈夫。艶がなかったり色がくすんでいたり、黒ずんでいたら剥き直すだけで誰でも分かる程、音は良い方に変わる(本来の音に戻ると言った方がいいか)。このメンテナンスをやるかやらないかで大違い。いきなり高級ケーブルに買い換えている場合ではない。買い換えるなら試しに一度ケーブルを新たに剥き直し、確認してからでも遅くはないはずだ。
audio-technica ソルダーレスバナナプラグ AT6302
オーディオテクニカの「AT6302」バナナプラグは本体が金属なのでショートのリスクがある。そのため本製品には本体同士が当たってショートすることを防ぐ(万一ショートしたらアンプの保護回路が働くか、保護回路がないものは壊れる)為に、透明のビニール被覆(チューブ)が付いていてる。通常は付けておくもの。また、チューブはプラグから出ているスピーカーケーブルの曲げに対して緩衝材にもなるのでその辺りが心配な人も付けておいた方がいいだろう。私は承知の上、邪魔なので使っていない。バナナプラグはスピーカー端子に対して真っ直ぐに差し込むので通常使用ではこの形状の本体同士がぶつかることはまずない。しかも、そもそもスピーカーケーブルを脱着する時は必ずアンプの電源を落とす習慣が身についている。こういった絶縁体が必要なのはYラグプラグ。Yラグはスピーカー端子を軸に時計の針のように回転できる。万一回転してしまった際に本体同士が当たる可能性があるのでショート防止のために必ず付ける様にしておくことをお薦めする。
バイワイヤリング時のバナナプラグをジョイントできるFURUTECH FP-202
フロントスピーカーとしても活躍しているJBL S3100はバイワイヤリングで接続しているので、アンプ側のフロントスピーカー端子の左右片チャンネルづつ、それぞれハイとローの2本のスピーカーケーブルをまとめて繋げている。通常バナナプラグ1つに対しスピーカーケーブルは1本だがバイワイヤリングの場合、バナナプラグ1つ対し2本分のスピーカーケーブルを差し込まなければならない。余程細いケーブルなら2本分ねじ込む事も可能だが、通常のスピーカーケーブルではそれに対応したバナナプラグは現状ほぼ見つからない。マランツSR8012のスピーカー端子にカバーが付いているのでハイ・ロー端子のいずれかYラグプラグにして2本取り付けることもできない。
そこで少々値は張るがジョイントが可能なバナナプラグ、FURUTECH(フルテック)の「FP-202」を使いバナナプラグをジョイントさせて利用する。こちらもハンダ付けは不要だがAT6302とはケーブルの止め方が違い、イモネジで止めるので締め付ける工具(六角レンチ)が必要になる。ジョイント部分にもなっているネジはニードルと一体型になっており、スピーカー端子に差し込んだ後に締め付けるとプラグの先端が押し開かれ固定される。ネジを緩めない限り抜け落ちることはなく、しっかりとスピーカー端子とも接続できる。
アンプ後方にバナナプラグ2つ分のサイズが必要になるのでボードやラックに前後ピッタリで収納している人は後方に余裕があるか確認しておくことが必要。
FURUTECH ADL ハイエンドグレード バナナプラグ 24k金メッキ処理 4本1組 FP202G
コネクター保護キャップで、劣化防止
AVアンプをマランツのSR8012に買い換えてからずっと気になっていたのが、使っていない端子がそのままで放置されている事だった。金メッキされた使っていないRCA端子が沢山あるので、このまま放っておくと酸化やホコリ等で劣化しそうなのでコネクタ保護キャップ、オーディオテクニカの「ピンジャックプロテクター」を購入して気持ちもスッキリ。購入したキャップはランナーに繋がっているのでニッパーで必要分切り離して使うタイプ。余った場合はランナーから切り離さずに保管しておけばバラバラとどこかへ行ってしまうこともない。
audio-technica ピンジャックプロテクター AT6063R
RCA保護キャップには酸化・劣化防止の他に「制震効果やノイズ混入を防ぐ」とアピールする金属製の高価な保護キャップも存在するが、私が購入した保護キャップは全くその効果は期待できないモノ。かと言って高価なキャップの効果の程は私は試していないので不明。オーディオの世界は何かとノイズの原因になりそうなものは徹底的に排除しようとするので、そういった高価なものも存在する。
それにしても、少し余ったが1箱20個入りが3箱も必要だった。沢山の端子がAVアンプには付いているが、それだけ使っていない(使わない)端子があるということを実感する。用途や接続方法によっては必要な端子だが、一見すると圧倒されるこの端子の多さがAVアンプ導入へのハードルを上げている1つでもある。サラウンドは疑似的だがHDMIケーブル1本と電源コードだけで簡単に接続できるサウンドバー(シアターバー)が流行るのも分かる気がする。
保護キャップに限らず元が安い価格の商品はある程度数を購入するにはAmazonでも良いかもしれないが、1つだと送料を含めると2つ買えるほど高くなる。必要な数が少ない場合は、交通費も計算に入れて他の買い物ついでに家電量販店等で直接購入する方が良いかもしれない。
この記事へのコメントはありません。