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ボヘミアン・ラプソディ(原題:Bohemian Rhapsody)

ブライアン・シンガー(Bryan Singer)監督による2018年公開の伝記映画。ロックバンド「Queen」のボーカリストであるフレディ・マーキュリー(Freddie Mercury)を中心に描いた作品。 私世代の人間なら誰しも1度は耳にしたことがある曲だと思うし、若い人でもテレビなどでよく使われるので部分的なフレーズだけでも聴いたことがあると思う。ちなみに何年前だったか服飾メーカー「GAP」のCMで途中で差し込まれるQueenの「アンダー・プレッシャー」のような曲は、ヴァニラ・アイス(Vanilla Ice)の「Ice Ice Baby」という完全パクリ曲。ラップで歌うのだがフレーズがサンプリングしたのか完全に「アンダー・プレッシャー」になっている。

後の裁判でヴァニラ・アイスは当然負けている。フレディ本人も初めて耳にしたとき固まったというほど。…ある意味スゴイな。これを使った「GAP」側は何も思わなかったのだろうか。

Blu-ray仕様:本編135分 アスペクト比:2.35:1
英語:7.1ch DTS-HD Master Audio(4K UHD版はアトモス収録) 日本語:5.1ch DTSデジタル・サラウンド
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この映画の後はCDやiTuneダウンロード等でアルバムや曲が再び売れたのだろうなぁと想像する。冒頭で「伝記映画」と一応書いたが、ドキュメンタリー映画ではなく、あくまでもエンターテインメント映画だということを敢えて伝えておく。

「ボヘミアン・ラプソディ」あらすじ

1970年、ロンドン。ライブ・ハウスに通っていた若者フレディ・マーキュリーは、ギタリストのブライアン・メイとドラマーのロジャー・テイラーのバンドのボーカルが脱退したと知り自らを売り込む。二人はフレディの歌声に心を奪われ共にバンド活動をし、1年後、ベーシストのジョン・ディーコンが加入。バンド名は<クイーン>に決まり、4人はアルバムを制作し、シングル「キラー・クイーン」が大ヒット。個性的なメンバーの革新的な挑戦によって、その後もヒット曲が次々に生み出され、フレディは“史上最高のエンターテイナー”とまで称されるようになる。しかし、栄光の影で次第にフレディはメンバーと対立し孤独を深めていくのだった…。

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ラミ・マレック(Rami Malek)、グウィリム・リー(Gwilym Lee)、ベン・ジョーンズ(Ben Jones)、ジョゼフ・マゼロ(Joseph Mazzello)ルーシー・ボイントン(Lucy Boynton)などが出演。

はじめ違和感 → 慣れる → そして感動

出演者が決してダメな訳ではないが、個性的でアクの強いフレディ・マーキュリーを見慣れているだけに初めは違和感を覚えた。しかし、それを差し引いてもうまくできている映画だった。歌声、曲、楽器…どれもスゴク本物のQueenっぽい。完全に口パクとフリだけで別収録だと思っていたが、どう見ても本当に演奏し、歌っているように見える。後で調べたらフレディ本人の声も充てて、プロのミュージシャンも使い、強力な映像編集は当然しているだろうが、一応本当に演奏して歌っていたらしい(それも含めて口パクというのならそうだが)。だからこの映画は映像と音にリアリティがあり、あまりギャップを感じない。

映画冒頭の頃は「おオマエは誰だ?」なフレディ・マーキュリー役のラミ・マレック、モノマネ芸人がやるような口元に違和感大だったが…

そんなことを考えながら観進めると、ふと演者に見慣れている自分に気づく。そしてラストへと向かうとすっかりフレディ・マーキュリーとして映画を観てしまっている自分がいた。そのままクライマックスとなるライブエイドへ。「ここにきてまさか懐かしの映像をそのままリマスターして?」と一瞬頭をよぎったが、しっかりと演者そのままでライブエイドを再現した形になっている。ここでリマスターした本物の映像を流されたらそれこそこの映画は台無しだ。せっかく演者に慣れたのにここに来てまた違和感を覚えてしまいラストが感動どころではなくなってしまう。

ドラム、ロジャー・テイラー(Roger Taylor)役のベン・ハーディ(画面左)と、ギター、ブライアン・メイ(Brian Harold May CBE)役のグウィリム・リー


一生分の「ガリレオ」を連呼させられるレコーディング。

音に感動

この映画はミュージカルではないが歌のチカラを大音量で観る(聴く)べき映画であり、テレビに備え付けのスピーカーや小さなスピーカーで聴いても全く感動しない。「ゥワッ!っ」と迫り来る観客の歓声やそこに誰もが知っているフレーズが流れるとまるで会場にいるかのような感動を覚える。ライブシーンのカメラワークも巧妙で一種のライブ・エンターテインメント映像の様でもある。これを劇場で観た人は音にまんまとやられたのではないだろうか。

「家キネマ。」でも大音量で鑑賞したので、これまでのフレディ・マーキュリーのいきさつを踏まえつつ聴くと相当心に響いた。こういった映画は音量を含め音の大切さを大いに感じることができる映画だと思う。

ただ、ふざけているように見えるが、これでも一応レコーディング中。

Queenをよく知る大ファンの方は観なくても良いような映画かも

Queenやフレディ・マーキュリーに関する書籍は沢山出ている。今改めて映画にして観ても内容は概ね同じ事だ。むしろ映画の方がQueen結成からライブエイドまでを2時間15分という短い時間で伝えるという事になるので相当詳細は端折られる。Queenを知っている人からすればこの映画はQueenのフレディ・マーキュリーに焦点を当てた映画ということは予めわかっているはず。それを書籍を読みあさるほどのQueenの大ファンが観ても演者に違和感があるだけで何も面白くはない映画なのではないかと想像してしまう。

映画では事実との違いもあったり、省略されていることも多く、時系列が少し違っていたりする。それらを差し引いても作品として感動できるいい映画だと個人的には思った。フレディ・マーキュリーを本気で描くと、ドラッグやSEXなどとてもG指定では公開できない『大人の』ボヘミアン・ラプソディ映画になってしまい、日本でここまでの話題やヒットにはならなかっただろう。

むしろ曲は聴いたことがあるけどQueenってよく知らない人にとって、概要を知るにはあまりドロドロもせず軽く観られる良い映画に仕上がっていると思う。逆にQueenが好きであればあるほどこの映画はつまらないかもしれないし、世間がこれだけこの映画に騒ぐのが理解できないのではないだろうか。

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4K UHDのHDR効果を抜群に発揮する逆光映像と淡い空のグラデーション。太陽の光以外は全く白飛びもせずバンディングもしていない。

 


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4K UHDはこちら。Blu-rayとの2枚組になっている。4K UHD版は音声収録がドルビーアトモスなので会場の歓声や室内の響きなどのリアリティが増すだろう。この映画はライブ映像の様でもあるのでドルビーアトモス再生は効果的なはず。何も天井からモノが降ってくる音が聞こえたり足音が聞こえたりするだけがドルビーアトモス再生ではく、その空気感を演出する効果が抜群に高まるのだ。我が家も早くアトモス再生を実現したい!

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コメント

    • もみじ
    • 2019年 10月 30日 11:53am

    これは素晴らしい音響でしたね・・・
    劇場で観て、ソフト国内発売が待てず北米盤UHDを購入し抱き合わせのBDには日本語字幕がないためその後国内BDも買いました(笑
    UHDはアトモスですがアクションものではないため立体音響こそ感じないものの、その迫力と音質は素晴らしかった!
    BD音声はDTS/HD7.1ですが、大体UHDアトモスで音響が素晴らしい場合BDも高音質ですよね。
    最近のミュージック系は「アリー~」や「Gショーマン」しかりアトモス収録になってるものは迫力が違いますね。
    「ロケットマン」のアトモスは残念でしたが・・・笑

      • ウチキネマー@管理人
      • 2019年 10月 30日 7:16pm

      もみじさん

      こんばんは。
      音楽系の映画ソフトは言ってしまえば収録音がやはり作品の出来を大きく左右しますよね。
      その点で言っても、このボヘミアン・ラプソディはガツンときました。
      4K UHDのドルビーアトモスで視聴した後にBlu-rayで視聴し直すと変わらず音は良いのですが
      何か物足りなさを感じます。
      ドルビーアトモスとでは空間演出がやはり違ってくるのでライブ感が違ってくるのでしょうね。
      そういう意味ではグレイテスト・ショーマンも
      ミュージカルパートのウヮ!っとした迫り来る迫力が違います。

      ロケットマンは〜、ボヘミアン・ラプソディの後だったので、私はちょっと食指が動きませんでした。
      何故あのタイミングで公開かなぁ。
      …まぁ、それも込みで「キングスマン」への出演といい、
      派手目のサービス精神旺盛なエルトン・ジョンらしいですよね。

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