2020年(日本は2021年)公開のギャヴィン・ロザリー(Gavin Rothery)監督によるSF映画。ギャヴィン・ロザリー氏の初監督作品らしい。日本での劇場公開は「未体験ゾーンの映画たち2021」で上映されていたようで、単独での上映はなかったようだ。
「未体験ゾーンの映画たち」とは、『様々な理由から日本公開が見送られてしまう傑作・怪作映画を、映画ファンの皆様にスクリーンで体験いただくことをモットーに、2012年よりヒューマントラストシネマ渋谷をメインに開催している劇場発信型映画祭』と紹介されている。今のところ開催されているのは東京と大阪だけのようだ。開催劇場は私が住んでいる大阪ならシネ・リーブル梅田で開催されている。
「未体験ゾーンの映画たち」には今回紹介する「アーカイヴ」のようにメジャーではないけど面白そうな映画タイトルもあるので、このご時世が収束すれば劇場に足を運んで観に行きたいところ。配信ではU-NEXTが同タイトル名で特集を組んでいる。その中でも本作「アーカイヴ」はAmazonプライムビデオでも配信しているのでより多くの人が楽しめるだろう。メジャータイトルではないのでDVDにすらなっていない場合がある。本作もディスクメディアにはなっていないようだ。今回はAmazonプライムビデオで鑑賞した。
「アーカイブ」あらすじ
愛を知った人工知能が暴走する
ロボット工学者のジョージ・アルモアは、人里離れた日本の山奥の施設に駐在し人型のアンドロイドを開発していた。彼は会社からは成果を上げていないと不評だが、実は亡くなった妻のジュールを蘇らせるための研究を重ねていた。
ジョージは”アーカイヴ”というシステムで彼女と交流を行うが、そこから違法にデータを取り出して、J1とJ2とバージョンを上げたアンドロイドを開発。そしてついにまるでジュール本物のような、J3が完成間近となる。J1とJ2と、家族のように過ごしていたジョージだが、次第にJ2は違和感を覚えるようになる。さらに外部の何者かに施設が見つかってしまい…。
© Archive Films Limited 2020
出演は、テオ・ジェームズ(Theodore Peter James Kinnaird Taptiklis)、ステイシー・マーティン(Stacy Martin)、ローナ・ミトラ(Rhona Mitra)、ピーター・フェルディナンド(Peter Ferdinando)、ハンス・ピーターソン(Hans Peterson)、トビー・ジョーンズ(Toby Edward Heslewood Jones)など。
よくありそうなネタで、低予算感のある映画でも十分面白い
人格と記憶を保存できる「アーカイヴ」システムを使って、交通事故で亡くなった妻をアンドロイドとして復活させようとする工学者を描いている。舞台は日本の山梨県の山奥にある研究施設。映像も暗めで少し中だるみはあるけど、その内容が見ていて少し不思議な感じ。人工知能を搭載して自我を持ったアンドロイドの話はSFではよくあるネタで、古くは小説でいう「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」や、それを映画化した「ブレードランナー」と同じで、新鮮味はあまり感じない。それでも会話1つ1つに意味が、ありそうで、なさそうで興味をそそられ続け、最後まで観てしましまった。オチはあるので一応モヤモヤとした感情は残らない。
こういう映画は少し紹介しにくい。どこを切り取ってもネタバレになりそうなので「とにかく興味があれば観てみて」としか言えないのが辛いところ。なので、内容は語らないけど基本的にSFスリラー映画。「どうせ、こうなるんでしょ?」が裏切られて「あぁ」ってなった映画。
ツッコミどころは色々あるけど…
映画冒頭では日本の施設ということもあり日本語でアナウンスも流れるのだが、それを「吹替」で観るとおかしな事になる。字幕版でも英語ではなく「お帰りなさい」と日本語で流れ、その後に英語アナウンスで「Welcome back 〜」と続くのだが、これが吹替だと「お帰りなさい」とそのまま吹き替えられているので結果2回言われる事に。しかも字幕版であてた声と吹替の声が違うので同施設内なのに声が違うという違和感。「いや、そこはアレンジで変えとけよ」と思うのだが、そのまま吹き替えられている。
あと、施設のモニターには「ANOMALY DETECTED」と“異常検出”と表示が出ているのに日本語では「平和」と表示されていたりで、なんか惜しいことになってるし、アンドロイドを作れるまで文明発達していても、モニターは白黒のブラウン管テレビのような映りでノイズだらけだったりなど…まぁ、SF映画の“あるある”だな。そういうツッコミどころは随所に見られる。でもこの映画なら「ま、ええか」とも思える。
映画を映画として作ってくれている
私が好きなSFヒーロー映画のような派手さもなく、コツコツと静かに時間が過ぎていく映画で思わせぶりなカットやシーンを節々で挿入してくる。「なんかこの手の手法を多用する映画あったよなぁ」と既視感を覚えて観た後に監督を調べたら、冒頭にも紹介したギャヴィン・ロザリーという方だった。知らなかったけどどうやら彼は過去に「月に囚われた男(原題:Moon)」のグラフィックデザインを担当したようだ。どうりでなぁ…どこかあの映画に影響を受けたような雰囲気があるし、意外と細かい部分までこだわっているところもある。
途中で寝る人は寝てしまうかも知れない。でも映画ってこういう方が私にとっては、これぞ映画っぽいんだよね。観るまでは腰が重いんだけど観始めると何か惹かれて最後まで観てしまう。本作もそんな映画。
「アーカイヴ」は2022年3月20日時点では、Amazonプライムビデオ、U-NEXTで無料視聴可能。Netfli、ディズニープラスは登録なし。
新しくなった4K Stick。初期投資を安く、手軽に配信動画を観るならやはりAmazonのFire TV Stickがおすすめ! 自宅にWi-Fiネットワーク環境がない場合や、Stickで安定した動画配信を楽しみたいなら別途イーサーネットアダプタも併せて購入するほうが◎。
(注:※Fire TV CUBEにはイーサネットアダプタが付属)
Apple TV 4Kはスクロールも早く、イントールする様々なアプリもサクサク動きストレスなく楽しめる。ギガビットイーサネット搭載で有線での通信速度は断然速い。新しくなったSiri Remoteで操作性も格段に向上。Face ID搭載のiPhoneがあればテレビのキャリブレーションもできる。配信映画の視聴には、やはりNo.1のデバイス。ちょっと他のデバイスより価格が高いだけのことはある。
Fire TV CUBEはFire TVシリーズでNetflixのドルビーアトモスにも対応した4Kデバイス。アレクサへの呼びかけで音声操作もでき、ヘキサコア搭載で処理能力も向上。イーサネットアダプタも標準で付属する。新設はもちろん、既存のFire TV からのアップグレードに!
この記事へのコメントはありません。