パッセンジャー,ホームシアター,映画,感想

パッセンジャー(原題:Passengers)

映画ポスターやジャケットを見て何となく気になっていた映画「パッセンジャー(原題:Passengers)」。2016年アメリカで公開、モルテン・ティルドゥム(Morten Tyldum)監督。日本では2017年3月劇場公開の映画。Blu-ray(3D版)が発売されていたので購入。Blu-rayのジャケットからも分かるようにジェニファー・ローレンス(= Jennifer Lawrence)とクリス・プラット(= Chris Pratt)が主役の映画だと分かる。
美しい映像と予期せぬ出来事で2人に託された運命を描くSFラブロマンス映画。

パッセンジャー IN 3D [Blu-ray]

Blu-ray 3D仕様:本編116分、2.35:1(16:9レターボックス)、
英語:5.1ch DTS-HD Master Audio 日本語:5.1ch DTS-HD Master Audio

全く予備知識なく見たので、鑑賞前はジャケットで判断し単純にSFラブロマンス映画と思っていたのだがちょっと違った。基本的にラブロマンスではあるが意外とハラハラさせるサスペンス要素もある。映画内容はSF映画ではありそうなストーリーで、大した「どんでん返し」もない。思ったまま進むストーリーはある意味「安心感」がある。食い入るように見る内容でもなかったので、これこそポップコーンでも食べながら気軽に見られる映画。「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(原題:Guardians of the Galaxy)」にも出演の今注目を集めている俳優クリス・プラットと「X-MEN:ファースト・ジェネレーション(原題:X-Men:First Class)」のミスティーク役でお馴染みの女優ジェニファー・ローレンス、2人の人気俳優を主演にした映画は「狙ってるな〜」って感じがする。酷評っぽい言い方になってしまったが決して「つまらない映画」ではない。パッセンジャー(Passengers)とは日本語に直訳すると「乗客(旅客)」。まさに2人の乗客物語として展開していく。

「パッセンジャー」あらすじ

西暦20XX年 ―。
新たなる移住地を目指し、5000人を乗せた宇宙船アヴァロン号が地球を後にした。
目的地の惑星到着まで120年間、冬眠装置で眠る乗客の中でなぜか2人の男女だけが目覚めてしまった。
90年も早く ―。
エンジニアのジム(クリス・プラット)と作家のオーロラ(ジェニファー・ローレンス)は絶望的状況の中でお互いを求め合い、愛し合い、何とか生きるすべを見つけようとするが、予期せぬ出来事が2人の運命を狂わせていく・・・。

「パッセンジャー」公式サイトより引用

この映画は宇宙船アヴァロン号の中だけでストーリーが進む。以前紹介した「ターミナル(原題:The Terminal)」と同様、私の好きな”限られたロケーション”での映画内容だ。

海外での映画評論家は酷評

映画を見終わった後で調べたら2016年公開時の海外(アメリカ)での評価はすこぶる悪い様子だった。厳しいな〜。それなりに面白かったと思うのだが、どうやらこれまでのSF映画などと比較しての様にも見える。王道のSF映画として見るとモノ足らないし、がっつりとラブストーリーを期待するとこれも肩すかしを食らう。その中途半端な印象と、ありがちなストーリー展開もマイナス面に評価されているようだ。私自身も上記で「安心感」と述べているので、それを「つまらない」とすれば分からないでもない。

こういう”限られたロケーション”の映画は二人の演技力が面白さを左右する映画になる。その演者2人に用意された舞台が”宇宙船アヴァロン号”というだけでメインとなる2人の演技が、”評論家では無い”私の中では良かったので、そういった意味では面白い映画とだと思った。主演2人の目の表情がいい。船内にマイケル・シーン(= Michael Sheen)演じるアンドロイドのバーテンダー「アーサー」の無表情な目が、より主演2人の目の表情を際立たせている様にも見える。

「宇宙版タイタニック」ではない

ネット上では「宇宙版タイタニック」と声があがっていた様だが、確かに設定は近い。豪華客船タイタニック号と豪華宇宙船アヴァロン号という限られた船内空間。タイタニックではジャックとローズの身分格差の恋愛劇、パッセンジャーではジムがロウアーデッキ(低料金のデッキ)でオーロラはゴールドデッキ(高料金のデッキ)の乗客として貧富格差の恋愛劇。確かに設定は似ているが同列に並べて比較してはいけない。タイタニックは他に乗客が居て豪華絢爛な食事や音楽で楽しむ様子が映し出されていたが、パッセンジャーでは2人以外全員コールドスリープ状態で広い船内に実質2人だけの世界。タイタニックではヒロインのローズには母親が財産目当てで押しつけた婚約者がいたが、ジャックと運命的な出会いをする。パッセンジャーのオーロラは婚約者どころか恋人もいないフリーな身の上、目の前にジムが居る。そして何よりタイタニック号は実在した豪華客船で1912年に実際に起きた沈没事故を背景としている。これがバックボーンとなり物語にリアリティを持たせ物語の重さの違いになっているが、パッセンジャーには勿論そのようなバックボーンがない”ポップコーンでも食べながら気軽に見られる”完全なフィクション娯楽映画だ。だから楽しく見るための映画でありタイタニックと比べてはいけないし、人物設定が似通ってるといって”宇宙版タイタニック”と呼ぶのも違う。タイタニックの心構えで見るとこの映画は物足りない感じがするに決まっている。パッセンジャーは「パッセンジャー」という映画。

3D映像は部分的に活かされている

この映画、是が非でも3Dで見る必要性はないと思う。私のようにただ映像にドップリはまりたい人は3Dで見る価値はあるが、俯瞰でも十分見られる演技を2人がするので、劇場の観客席から舞台を見るかのように映画内の2人の演技を見るのもアリかと。敢えて3Dで見てもらいたいシーンを挙げるなら、本記事のアイキャッチ画像に使っている宇宙服を着てアヴァロン号の船外に出た時だ。特にジムが最初に1人でデッキに立ちそこから宇宙を見た時の奥行き感。カメラがぐるりと宇宙を見渡すように回るのだが、そこで宇宙の深さを感じて一瞬ゾッとした。例えばキレイで透明な海に潜った時に、光が届かないほど深く暗い所を見た時の感覚に近い。吸い込まれそうで怖い感じ。あれが映画でも感じることが出来る。この感覚はゼロ・グラビティを見た時にはなかった。

SF映画が好きじゃない人も楽しめる映画

がっつりSF映画ではないので、SFはよく分からなくて苦手という方でも十分楽しめる。舞台が宇宙船でSFっぽいだけ。難しいセリフやワードも余り出てこない。星から星に渡る客船なので到着するまで凄く時間がかかるとか、宇宙は無重力だから浮くとか、それを船内で重力コントロールしているから普通に歩けるとか、誰が見ても理解できる程度。SF好きにはツッコミどころがあるだろうし、”それっぽく”なかったりする。恋愛も軽く描いているので極めてライトな宇宙船を舞台にしたラブストーリーと思えば、美しい映像の楽しい映画だ。男性も見られて女性も見られる様に製作された、正にカップルがデートで見るのにピッタリの映画。でも”ことわざ”もある様に「二兎を追う者は一兎をも得ず」という、見るカップルによっては男性からも女性からも「イマイチ」って声が聞こえてきそう。

映像特典のNGシーンが微笑ましい

DVD、Bul-ray、4K UHD版には映像特典として未公開映像やメイキング等と一緒にNGシーンも収録されている。そこでの演者2人のやり取りが見てて微笑ましく可愛い。特にジェニファー・ローレンスが本番カットではない所で、ふざけてバラを食べようとするのだが、クリス・プラットが小さな子を諭すように「食べるな、おかしいぞ」と優しい声でツッコミを入れているのが微笑ましく、真顔で食べようとするジェニファー・ローレンスが動物っぽくて可愛い。他、船内のバーでシャンパングラスを口に持っていきながら「年齢を調べた?未成年かも」とジョークを飛ばすローレンスが、シャンパンを飲み損ねて口から少しこぼしてしまう。そこにアンドロイドのバーテンダーを演じるマイケル・シーンがすかさず「うまく飲めない?未成年ですね?」とあくまでもバーテンダー風にツッコむ等、お茶目なクリス・プラットやコロコロ笑うジェニファー・ローレンス、冷静にジョークで流すマイケル・シーン、NGを出した自分に腹を立てるローレンス・フィッシュバーン等、微笑ましいNGシーンが収録されている。

NGシーンの一部がSonyPicturesJapan公式でYouTubeにアップされていたのでご紹介。

パッセンジャー [Blu-ray]

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