実は先週末の土曜日(2018年2月24日)に冬季オリンピックのダイジェスト映像をグランフロント大阪にあるナレッジシアターにて、8Kスーパーハイビジョンを使った330インチのパブリックビューイングを体験していたのだ。しかし、残念ながら場内は撮影禁止。しかも入場したタイミングが悪く会場内は暗くて機材は何を使っているのかさっ…ぱり。記事にしようと思ったが全く提供できる情報もないのでどうしようかと躊躇しながら約1週間が経ってしまった。ただ、体感したことは記事にしておこうか…と思い、先週の事ながらもキーボードを叩いている。
▼グランフロント大阪「ナレッジシアター」についての情報はこちら
https://www.kc-space.jp/theater/
プロジェクターを使った8Kスーパーハイビジョンだったので前列の方に座れたまでは良かったが既にほぼ満席で席の移動が出来ず、機材が観たくて後ろを向くと一斉に知らないオッちゃんやオバちゃん達から注目を浴び、目がバッチリ合って不審がられる…。そりゃそうだ。皆さんは冬季オリンピックを楽しむために観に来ているので後ろを向くなんてしない。機材が気になるのはあの大勢の中でも数人だっただろう。もしかしたら私だけだったかもしれない。申し訳ない、確認できず。
もしかしたらJVC社製の「フルスペック8Kスーパーハイビジョンプロジェクター」だったかもしれないし、Panasonic社製の4Kプロジェクター4台用いた8Kだったのかもしれない。1点か4点か光源を見ようと後ろを向くと、オッちゃん達の一斉視線が怖くて向けない…鉄の心臓を持ち合わせていない自分を悔やむ。
会場内のスピーカーも当然黒塗り。暗い会場で黒いスピーカー。何処のスピーカーかもさっぱり。結果ただただ、冬季オリンピックをオッちゃん達と一緒に観てきただけ。こんなもの記事になろうはずもない。あくまでも体感した感想になることをご容赦願いたい。
8Kスーパーハイビジョンの解像度“感”
8Kといえば4Kの2倍の解像度を持つ。数値で言えば4Kが横3840×縦2160ピクセル=829万4400画素。それが8Kだと縦横それぞれ倍の横7,680×縦4,320ピクセル。画素数にすると4倍の3317万7600画素。一眼レフカメラでも高精細の部類に入るほどの画素数。分かりにくいかもしれないがキャノンの一眼レフカメラ「eos Kiss」が約2410万画素なのでそれよりも高い。まるで動く写真状態だ。ちなみに現在一般家庭のテレビに多い2Kで横1920×縦1080ピクセル=207万3600画素。8Kとの画素数で比較すれば6.25%(16分の1)の画素数しかない。
8K・4K・2Kの「K」は1000を表す「キロ」のK。横ピクセルの“数値をテレビ放送用に丸めて”、7680=約8000で8K。3840=約4000で4K。1920=約2000で2Kとしている(本来はDCI基準で横方向のピクセルが多く、例えば4Kなら4096ピクセルとちゃんと4K以上ある)。8Kは丸めすぎな感じがしないでもない。表現として解像度をただ「8K」や「4K」と言ったり、「2K1K」や「4K2K」、「8K4K」などと横・縦を繋げて表現したりもする。
では、実際にパブリックビューイングで観た330インチの8Kスーパーハイビジョンはどうだったのかというと。前列だったので結構間近で見る事は出来たが、プロジェクターで330インチに引き延ばしているので流石に8Kといえども解像度感は2K〜4Kの中間ほどに感じる。考えてみれば330インチに引き延ばしてもボケずにフルハイビジョンで観ていると思えば凄いことのなのだが、過度に期待してしまったせいか正直、あくまでも印象だが家のテレビで観ている解像度感と変わらない。しかし、これがもう少し縮小した映像ならもの凄く綺麗なのは想像に難くない。
何よりNHKが撮影したカメラのピントが割と甘かったりする場面もあるのだが、ピントがバッチリ来たときは驚くほど精細に見える。私が観たのは女子フィギュアのダイジェストだったのだが、選手が着用している衣裳のラメや装飾のクリスタルが一粒一粒光っているのがハッキリ分かる程。330インチでここまでシャープに光るのは流石に凄い。スーパースローの時に足元を撮影したスケート靴のブレード付近からから削られた氷の粒が飛ぶのも見えるのだが、その削られた氷の一粒一粒が白飛びせずに立体的な陰影をもって飛ぶのが見える。
黒つぶれもしていないが若干の黒浮きはある。それも全面真っ黒の投影になると分かるが放送の映像を見ている限りは十分黒が締まって見え、全く気にならない。人によっては凄く気になるのかもしれないが、個人的に黒浮き(黒の投影がグレーに見える)は余程でないと気にならない方なので、その辺りは差し引いてもらえれば。……機材見たかったなー。
超リアル!22.2マルチチャンネルの立体音響
そして映像よりも驚いたのが音だ。22.2マルチチャンネル立体音響。パブリックビューイングではNHKの実況無しの放送だったのがなお良かった。純粋にオリンピック会場の音だけを拾って聴かせてくれる。オリンピック会場客席から撮影したアングルではマイクが拾う後方からのライブ感ありすぎる声や拍手が聞こえる。実際はパブリックビューイングに来場していたオッちゃんやオバちゃん達が画面を観ながら話をして拍手をしていたのかもしれないが、画面が切り替わった瞬間と同時にそれらの音が消えたので収録音だろう。リアルすぎる。スケート靴のブレードが氷をひっかく音もスケートリンク会場に流れる演目曲にかき消されず良く拾っていた。
22.2chの体感は、もの凄く聞こえてくる方向が自然でリアルとしか言いようが無いが唯一、音量が会場用でかなり大きいのでそこが不自然と言えば不自然なくらい。後ろ斜め上や後ろ斜め下など細かい特定の位置から音がする。…リアルすぎて気持ち悪いくらい。後ろを見たいけど見られない(軟弱心臓)。しかしスピーカーの配置がどうなっているのかは入場の際に頂いたリーフレットにも図式で表現されているので紹介しておこう。リーフレットの写真では見づらいので別途描き起こしたものが下図の通り。
……………これは、一般家庭ではどう頑張っても無理だな。素直にどこか設置された施設に体感しに行く方がいい。一般家庭ならスピーカーの数とチャンネル数は違うが、セッティングが近いところで「Auro-3D」の13.1chが今は限界か。
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