ストーリーや展開が浅く、ツッコミどころも満載。SF好な人はSF映画だからと腰を据えて集中してみると肩すかしを食らう。良く言えば内容が軽いので気軽に観て終われる。
Blu-ray仕様:本編106分 アスペクト比:1.85:1
英語:5.1ch DTS-HD Master Audio 日本語:5.1ch DTS Digital
商品詳細を見る ▶
若いカップル向きかも知れない…そう思って観ると気楽で楽しい映画。簡単に言ってしまえば「運命的な出会いを運命操作で邪魔されるが運命は自分の意思で切り開こうとするSFドラマ」。よく耳にするような内容だが、そこには“運命調整局”という人の運命を監視し、運命を自在に操作しながら世の中のバランスをとる組織が存在するという映画内容だ。
「アジャストメント」あらすじ
若手政治家のデヴィッドは、美しいダンサー・エリースに一目惚れする。しかし次の瞬間、突如現れたアジャストメント・ビューロー(運命調整局)にデヴィッドは拉致されてしまう。彼らの目的は、本来恋に落ちる予定ではなかった2人を引き離すことだった。
U-NEXT「アジャストメント」紹介文より (C) 2010 Universal Studios. All Rights Reserved.
主演のマット・デイモン(Matt Damon)ほか、エミリー・ブラント(Emily Olivia Leah Blunt)、アンソニー・マッキー(Anthony Dwane Mackie)、ジョン・スラッテリー(John Slattery)、アンソニー・ルイヴィヴァー(Anthony Ruivivar)、マイケル・ケリー(Michael Kelly)、テレンス・スタンプ(Terence Henry Stamp)などが出演。アンソニー・マッキーは今やマーベル・コミック・ヒーローの「ファルコン」役の俳優。
結構、正体バレるのが早い
人々の運命を操作しているアジャストメント・ビューロー(運命調整局)の人(神的な存在?)は結構序盤に正体をデヴィッドにバラす。いや、自分たちの落ち度でバレてしまうのだが、ちゃんと説明するところは親切だなと思った。しかし、存在を明かすとリセットし記憶も全て失うと脅す。なんて横暴な。
しかもこの「リセット」って意味はどこまでか分からない。運命そのものをリセットするなら「生まれ」もリセットされるのか、ある時間までの記憶をただリセットするのか…。それなら脅すよりも、先に自分たちの正体がバレる直前までリセットすればと思うのだが…。この辺りはうやむやにされている。ただ脅すだけって…その人(この場合はデヴィッド)の記憶には残ってしまうので残りの人生はその秘密を墓場まで持っていくことになるではないか。なんて酷な要求だろう。
好きな人を遠ざけるほど会いたくなる衝動
一目惚れしたエリース(エミリー・ブラント)に対し、若手政治家(下院議員)のデヴィッドはアジャストメント・ビューロー達により会うことを禁じられる。そして会えないように運命を操作する。何故会ってはいけないのか、デヴィッドがアジャストメント・ビューロー達に聞いても答えてはくれない。一目惚れした人に対して理由もなく他人に「会うな・会わせない」と言われると余計に強く会いたくなるのが恋をしている人間の心情だろう。
会いたくなるようにワザとアジャストメント・ビューローが言っているのかと思ったが、どうやら彼らはいたって真面目に言っている。人間を超越した存在である割にはウソもつけるのに上手いウソもつけず、上手く説得もできない。「ヘタクソか」と思ってしまう。
中途半端でスキだらけの運命調整局
アジャストメント・ビューロー達が大きく場所を移動する際はドアを使う。彼らがドア使うと別空間に移動できるようなのだが目的の場所に一発で自由に行けるわけでもないらしい。ある目的地の空間を「D」とすると、「A」のドアを通って「B」のドアを通って「C」のドアを通らなければ目的地である「D」の空間には出られない。そして運命の監視は水に影響し、水に遮断されると監視できなくなるらしい。なので雨が降ると運命の監視から逃れられる。何だか中途半端に不便。
しかも劇中はきちんと説明していないが、観て察するに空間移動できるドアは左回しと右回しができるドアノブに限る。現在はどちらに回しても開くドアノブなんてあまり見かけない(昔はよく見かけた)が、アジャストメント・ビューローはドアノブならどちらでも回せる設定なのだろうか。他、ガラス張りや自動ドアの場合は別空間に移動できないのだろうなぁ、と想像する。
なんだか中途半端すぎてアジャストメント・ビューローは結局、力があるのか無いのか分からなくなる。他にも色々とツッコミどころは満載の映画だが、本作は私が言うような“くだらないツッコミ”は無しで観るほうが楽しく観られる。「もし運命が誰かの手によって操作されているのなら、こうなのだろうな」と想像しながら観て楽しんでもらいたい。
SF映画のジャンルといっても全く意味不明なものではなく、「運命的な出会いを運命操作で邪魔されるが運命は自分の意思で切り開く」という、…言ってしまえばベタな内容だけに誰でも楽しめる映画。特にデート映画として好きな人とカップルで観るには、ロマンチックで楽しめるオススメの映画だ。私の様に男一人で観るとオチで「…はーん?」という気持ちになる。
この記事へのコメントはありません。