先日のセンタースピーカーを交換した際に自動調整「YPAO」によってイコライザー設定がリセットされてしまった結果、サブウーファー以外の各スピーカー(5ch分)の再調整で結局は1日が潰れた。普段、音の調整に耳だけでは頼りないし、本格的なマイクやツールを使うほどの知識も技能もないので、簡易のRTA測定ツールとしてiPad(iPhone)のアプリ、オーディオテクニカの「Installed Sound Support」(無料)を使っている。RTA測定ができる適当なアプリを探していたら見つけたアプリ。
audio-technica Installed Sound Support アプリ(英語:誰か日本語マニュアル作ってくれないかなぁ…)
https://itunes.apple.com/jp/app/audio-technica-installed-sound-support/id789968231
起動して「RTA&SPL」と書かれたアイコンをタップすれば、リアルタイム測定が始まる。他のRTA測定の無料アプリもあるが帯域(Hz)のピッチが細か過ぎたり、計測中に広告が出てきて中断したりすることもあったので、こちらを使い続けている。RTAとはReal Time Analyzer(リアル・タイム・アナライザー)のこと。
その他、アプリの使い方については全く詳しくないのでご自身で調べて頂くとして…(申し訳ない)。これでもアンプの自動調整と耳だけよりは全然マシ。しかし、ピンクノイズ(「ザーーー」という音。「ゾーーー」と言う方がニュアンスは近い)を出力しながらRTAグラフがなるべく綺麗な「かまぼこ型」になるように調整しようにも、肝心なYAMAHAのAVアンプのイコライザー(EQ)調整がとても扱いにくい。
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ピンクノイズを発生させながらiPadでRTA測定
ピンクノイズはYAMAHAのAVアンプに元から備わっているもの(テストトーン)を直接流すようにしている。視聴位置で耳の高さになるようiPad(iPhone)を適当な台に置き、その位置で測定している。私はiPad Pro(12.9inch)を使用しているので背面のカメラ横と、ボリュームボタンの上に小さな穴がマイクになっている。背面カメラ横のマイクはiPadを机の上に置いてしまうと塞がれてしまう。2つとも使っているのかどうかも分からないが、ボリュームボタン上のマイクが正面(画面方向)斜め上を向くように立てて置いて測定。
プロジェクターで視聴する時は後ろのクローゼットを一部開くので、測定・調整時も同様に開いて測定。こんな測定でも何もしないよりはマシ。
気になる箇所が色々とあるが…
ぅう〜む…気になるところが多々あるが、自動調整後のパラメトリックEQ「フラット」はこんなもんなのだろうが測定毎に毎回微妙に違うのだから、あまりあてにはならない。吸音処理もろくにしていない(できない)リビングではここから綺麗な「かまぼこ型」なんて無理な気がするが、可能なところまで追い込んでみる。それにしても扱いづらいイコライザーだ。
特定の帯域(Hz)が部屋の影響か何らかの原因で突出していたり、下がり気味だったり…グラフ形状として気になるが、反響音もあるだろうから、リビングのどこで何が影響しているか分からない。あくまでも「全体的」に見て出過ぎている箇所を抑えてみる。
60dB程度に全体ボリュームを上げて調整しているが、ボリューム・ゼロでも上の画像。実際は静かでも何らかの周りの音(環境音)を拾っている。耳には全く聞こえていないが、最低音の帯域が40dB以上出ている。…いつも「これは何だ」と思いながら無視している。もしかするとiPad自体(電気系)から発生しているものかも知れない。
気になるところは多々あるが、必死のイコライジングで何とか形に
現実は理想にはほど遠い特性形状になるが、iPadのテキトーなマイクで正確な測定の仕方も分かっていない者が、吸音処理もまともにされていないリビングシアターでは様々な反響音もあり綺麗な「かまぼこ型」特性なんてほぼ不可能。それでも自動調整と耳調整だけより、RTAグラフを確認しながらの手動調整後の音は明瞭感が全然違うのだ。
85Hz辺りと、500Hz辺りの凹みは気になるが、ココを持ち上げると他への影響が出てきたのであきらめた。測定位置をズラすとグラフも変化するので部屋のモノとか形状で何か影響しているのだろう。画像のグラフはフロントスピーカーのJBL S3100。さすが低域まで出ている。センタースピーカーでは設置の問題かも知れないが63Hz〜90Hzを示すグラフ辺りから下がるのでサブウーファー(クロスオーバー80Hz)で補足するように設定。
このアプリ以外ではもっと細かい帯域(Hz)のグラフもあるが、それで測定すると細かいことばかりが気になる性分なので、この位の帯域ピッチが私にとっては良い気がする。
全てのスピーカーの調整を終わらせテスト上映
よし!…としておこう。そもそもこんな(iPadの内蔵マイクで)やり方で良いはずはないのだが、RTA測定グラフはそれなりに示している。リビングシアターでここまでいけば十分だろう。と自分に言い聞かせて、さっそく前回同様に「ダークナイト ライジング」と「トランスフォーマー/最後の騎士王」でテスト上映。ついでに「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のカイロ・レンのライトセーバーの音も聴いておこう。
後退気味だったセリフが今まで以上に明瞭!金属音がリアル!発砲音にビックリ!爆発音最高!センタースピーカーがとても良い仕事をしている。カイロ・レンのライトセーバーはそれほど変化無しだが、「バリバリ」音が増したのと「ブゥーーン」という低音が明確に聞こえる様になった。サラウンドの音のつながりもスムーズ。苦労して調整した甲斐があった。
今回アップグレードしたセンタースピーカー、「DALI ZENSOR VOKAL」は良かった。このサイズでこれだけの低音とスピード感があればサブウーファーの補足もあって十分、5.1chサラウンドの価値がグンっと上がる。我が家くらいのリビングサイズでは充分な気がする。映画の「5.1ch」におけるセンタースピーカーの役割は絶大。後方のサラウンドスピーカーからの音は今のところそれほど気になっていないが、替えたらさらに良くなりそうだ。
あくまでも「かまぼこ型」にこだわる必要はない気がする
あくまでも個人的な感想だが、このような「かまぼこ型」は映画視聴前提で、ある程度の音量が出せる環境に限ると私は思う。小さな音だと低域が聞こえにくく映画の迫力が出ない。音量を抑えて映画を観る場合は中音域が少し下がる「凹型」のいわゆる“ドンシャリ”の方が低音強調目で音量を抑えた音でも迫力を感じやすい。
また、この「かまぼこ型」の特性で音楽を聴くとヘン。「映画視聴前提」と言ったのはそのため。音楽を聴く時はパラメトリックEQ選択設定を「フラット」にするか、ピュア・ダイレクトモード(EQ設定を無効)にして聴いている。
結局は手作業が1番
もう二度とYAMAHA AVアンプの自動調整「YPAO」は使わないと心に誓う。AVアンプを購入して最初に実行するのは良いが、それ以降は大きく部屋を模様替えした時くらいで、スピーカー1組み交換したくらいなら手作業で行った方が良さそうだ。全スピーカーを再調整するよりはマシ。次回はAVアンプを新しくした時くらいか。
ノイキャンヘッドホンが便利だった
グラフを見ながらの調整を続けたので、ずっと60dB程の音量でピンクノイズを発生させたまま。さすがに耳にも良く無さそうだし頭が痛くなりそうだったので、「そういえば…こんなモノがあったな」と手持ちで唯一のノイズ・キャンセリング・ヘッドホン「BOSE QuietComfort 15」を着けて作業した。…凄いなノイキャン。
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