最高の人生のはじめ方（原題：The Magic of Belle Isle）

2012年アメリカで公開されたロブ・ライナー（Robert Rob Reiner）監督による映画。ドラマ映画でミニシアター系のような映画。好きな俳優の一人、モーガン・フリーマンが主演をしているのでNetflixでたまたま見つけて視聴。私はロブ・ライナー監督と言えば「恋人たちの予感（原題：When Harry Met Sally…）」（1989年）が好きだった。

本作はなんだか聞き覚えのあるような邦題だがこの頃は「最高の人生の見つけ方（原題：The Bucket List）」以降、ナゼか「最高の人生の〜」で後に「〜方」という邦題が流行った。安易過ぎて「もういいよ…」ってなる。しかも…、
ヒットした前作の「最高の人生の見つけ方」（原題：The Bucket List）から、「最高の人生のはじめ方」（原題：The Magic of Belle Isle）、「最高の人生のつくり方」（原題：And So It Goes）と、これら3本は全てロブ・ライナー監督による映画。こんなテキトーで酷い邦題を付けられているのだ、ロブ・ライナー監督、怒っていいぞ。この邦題を付けたヤツは、怒られても「So it goes（しょうがない）」ってやつだ。

「最高の人生〜」シリーズ映画ではないのに誤解されそうだ。何の繋がりもなく全て別の映画。どれがどの映画内容だったか混乱してしまう。中谷美紀、水野美紀、水野真紀くらい混乱する。

DVD仕様：本編108分　アスペクト比：1.78:1
英語：2.0ch ドルビーデジタル日本語：なし
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本作はどうやら日本語字幕対応のBlu-rayは発売されていないようだ。NetflixはDVDより画質がいいので（観たいと思ったら）Netflixでの視聴をおすすめ（2020年6月14日時点）。配信動画はもちろん日本語字幕に対応している。Amazonプライムビデオでも配信されているが画質もDVDと変わらず「TBSオンデマンド」のウォーターマークが入る。今回、比較映像も撮影したので詳しくは後ほど。

「最高の人生のはじめ方」あらすじ

妻を失って酒に溺れるかつての小説作家のモンテは、甥のヘンリーに勧められ夏を湖畔のある避暑地で過ごすことになる。隣家に住むシングルマザーのシャーロットと3人の娘達と出会い交流するうち、再び作家としての創作意欲を取り戻していく。

出演は、モーガン・フリーマン（Morgan Freeman）、ヴァージニア・マドセン（Virginia Madsen）、エマ・ファーマン（Emma Fuhrmann）、マデリン・キャロル（Madeline Carroll）、キーナン・トンプソン（Kenan Thompson）、ケヴィン・ポラック（Kevin Pollak）、フレッド・ウィラード（Fred Willard）、ジェシカ・ヘクト（Jessica Hecht）など。

隣家に住むシャーロットと3人の娘達（左からフィネガン、ウィロウ、フローラ）。この家族との交流を通してモンテの心境は変化していく。

柔らかい穏やかなお話

ほぼ終始穏やかな映画。湖畔のあるロケーションもゆったりとした時間を感じさせる。ただ、湖畔の水が濁りすぎて汚い。これで水が綺麗なら…、と思ってしまうのはファンタジーを描き過ぎだろうか。お話の内容はとある理由により隣家で暮らす次女のフィン（フィネガン）にモンテは興味を持たれ、モンテは小説の書き方をフィンに教えていく内に徐々に隣家と交流を深めていくという話。そこから意外なトラブルやドラマが生まれると思いきや…意外なラブロマンス待っていた…「う〜ん、これってどうなの？」って展開もある。そこまでのアプローチはいいのだが…いや…まぁ、コメディ・ドラマ映画だからいいんだけどね。

小説の書き方の授業。目には見えないもを見る。言ってみれば「ホラ吹き」も創作の1つ。

終始、大人も子供も同様のトーンで話をするモンテの対応に心惹かれる。子供ってお小遣いをもらったり、欲しいものを買ってもらったり自分の都合意外で子供扱いされるのを1番イヤがる。私もそうだったが自分が子供扱いされているという、大人から浴びせられる上から目線に敏感なのだ。

大人も子供も同じように話すモンテは、良き大人の見本に見えてくる。

こういった映画作品は、心穏やかに観られて安心できる。普段からドッカン、ガッシャンな映画を自分でもなぜか好んで観てしまうので、たまにはこういう平和な映画を無性に観たくなるのだ。しかし、このブログでレビューを書くには内容を説明すると全てがネタバレになってしまうので、どうしてもあっさり気味になってしまう。起承転結はあるものの、どこを切り取ってもネタバレに繋がるので困る。

やはり邦題が気になって仕方ない

邦題になっている「最高の人生のはじめ方」。本作のこれ1本なら目を瞑れたが、これだけ立て続けに同じ監督作品で似たような邦題を付けられると、さすがにあきれる。原題は「The Magic of Belle Isle」だ。意味としては「ベル・アイルの（による）魔法」っといったところか。ベル・アイル（ベル島）はアメリカのミシガン州デトロイトにあるデトロイト川にある島。川を挟んでカナダとの国境になる位置にある美しいロケーション。国境にもなっておらず規模も全く違うが「大阪の中之島」みたいな状態の島だ。東京ならちょうど千葉県との県境にある「江戸川区の妙見島」が似た状態だろうか。デトロイトではそこが避暑地になっており、ピクニックやボート、釣りなどを楽しんで過ごす。

映画において、わざわざ「このボールを取ってこい」と言って投げると大抵の犬は取りにいかない。

そんな美しいベル島で過ごすことで、妻を亡くし、酒浸りになって心は閉ざし気味だったモンテが隣家と交流していき「ベル島」で過ごした事による心境の変化や、隣家の3人娘の長女（ウィロウ）も初めスマホばかり触っていたが少しづつ家族に協力的になったりと、モンテやフィンをはじめ、隣家で暮らす人がそれぞれ少しずつ心境が良い方向に変化していくのを「この島で起こる魔法」の様だと比喩として言いたいのだろうと解釈できる。それを安直に「最高の人生のはじめ方」とは…。

はじめは酒浸りのモンテだったが、徐々にベル・アイルの魔法にかかっていく…。

AmazonプライムビデオとNetflixとで見比べると

本作はAmazonプライムビデオも現時点（2020年6月14日）では配信されているが、Amazonプライムビデオでは日本語字幕表示させたSDかHD画質の映像をそのままFull HDに引き延ばされて配信されているので映像にシャープさはなくボケ気味。特にエッジが甘く感じる。音声もステレオ。そして画面右下に「TBSオンデマンド」のウォーターマークが表示されている。NetflixはFull HD画質の映像にNetflixが字幕を付けて配信しているようなので、画質は断然Netflixの方が良い状態。