Apple Musicがロスレス・ハイレゾ及び、空間オーディオにも対応したことは先日お伝えした通り。空間オーディオに関してはドルビーアトモスと言うこともあり、普段映画等でドルビーアトモス視聴できる環境にある人で、Apple TV 4Kを持っている人は直ぐにでもドルビーアトモスで音楽を楽しめる。その音楽空間は今までのステレオサウンドとはまた違う鳴り方をするので非常に面白い(個人的にはまだ慣れないが…)。しかし…ロスレス&ハイレゾはどうだろう。
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Apple Musicのロスレス&ハイレゾを聴くには
前回でも説明した通り、ロスレス&ハイレゾまずApple TV 4Kは対応しておらず、iPhoneでも通常にイヤホンやヘッドホンを有線で繋いでもロスレス音源やハイレゾ音源は聴くことができない。もちろん、完全ワイヤレスイヤホンはBluetoothで飛ばす時点でロッシー音源になるのでロスレスを聴くことができない。現状でロスレス音源やハイレゾ音源をそのまま聴く際には必ず別途USB-DACが必要になる。
ならば、外部アンプならどうだ?とばかりに普段使っているA/Vアンプに接続して聴いてみようと思ったが、マランツSR8012にはUSB-DAC機能が無いので直接iPhoneを接続して聴くことができない。ということで以前にブログでも紹介しているゼンハイザーのヘッドホン「HD650」用に導入したDAC「FOSTEX HP-A4BL」からA/Vアンプに接続し、ロスレス&ハイレゾ再生を実行。
「FOSTEX HP-A4BL」を使ってApple Musicのロスレス&ハイレゾを聴く
先にも書いたようにApple TV 4KはApple Musicのロスレス&ハイレゾには対応していないのでiPhoneを使うことになる。そこで必要になるのが「Lightning-USBカメラアダプタ」。本来デジタルカメラからUSBを使ってiPhoneに取り込む際のケーブルだが、これを使えば音楽データのロスレス音源やハイレゾ音源のデータをそのままUSBケーブルを通してDACに渡すことができる。しかし、これだけでもまだ接続はできない。
USBカメラアダプタのUSB側のコネクタはメスなので「FOSTEX HP-A4BL」に接続するにはUSB(タイプA)- USB(タイプB)の両端オスのUSBケーブルが必要になる。HP-A4BLにはUSB(1m)が付属しているのでそれを利用すれば良いと思うが、自身で別途用意する場合、USBケーブルの片側はタイプAになり、もう一方は接続するDAC側のUSBジャック(タイプ別)に合わせたものが必要になるのでご注意。
Lightning-USBカメラアダプタのLightning側のプラグをiPhoneに差し込み、USB側にUSBケーブルのプラグを差し込む。接続したUSBケーブルをDAC「FOSTEX HP-A4BL」に接続する。ヘッドホンで聴く場合はこれでOK。アンプに接続する場合は、さらにHP-A4BLのRACアウトプット端子からRCAケーブルを使ってA/Vアンプの外部入力端子(RCAジャック)へ。これでやっと完了。
Apple Musicのハイレゾ楽曲…少なくない?
ロスレスを聴いてみる…。まだ、発表リリースされたばかりだからだろうか、Apple Musicのハイレゾ少なくない?空間オーディオはまだ、音楽データとしてのフォーマットが新し目なので理解できるが、ロスレスはもっと沢山あるのかと思った。検索して「ロスレス」や「LOSSLESS」としてみてもあまり楽曲がヒットしない。ロスレスでさえ少ないので、嫌な予感がして「ハイレゾ」と検索してみると予想通り、さらに楽曲数が少ない。
さらに酷いことに、そこでヒットした曲を適当に再生しても実際はロスレスやハイレゾではなくロッシーだったりした(曲名やメタ情報にキーワードが含まれているとそれだけでヒットしてしまう)。う〜ん…どうなっているのか、さっぱり分からん。結局はハイレゾをまとめたプレイリストをオープンにしている人のプレイリストから再生したら、しっかりロスレスハイレゾだった。Apple側でロスレスやハイレゾをまとめたプレイリストは用意していないようだ。最近の楽曲はほとんどロスレスには対応しているが古い曲は対応していたり、していなかったり。
とにかく楽曲が少ない。Apple自社製品のヘッドホンやイヤホンすら対応しないので、楽曲が増えるのもこれからなんだろう。う〜ん、周りの音楽配信会社がロスレス対応してきて、需要もあるので「とりあえずやっとけ」感がヤバいな。
UIもあまりよろしくないね…。
今、対応楽曲数が少ないことを言っても仕方ないので、一先ず聴いてみる。ハイレゾのサンプリングレートや量子化ビット数を確認するには再生中にiPhoneの画面の「ハイレゾロスレス」と書かれたマークをタップすると表示される。再生・一時停止ボタンとかなり近いのでタップする位置がズレると音楽が一時停止してしまうので、あまりいいUIとはいえない。今回外部DACとして使用した「FOSTEX HP-A4BL」にはサンプリングレートを示すランプがあるので、そこで再生中のサンプリングレートが何かは判断できるが、量子化ビット数は残念ながらiPhoneで確認するしかない。
音楽は無事iPhoneから送ることができ、ハイレゾロスレスで出力され綺麗な音が出ている。ただ、AmazonミュージックHDで耳が慣れてしまったので初めて自宅でじっくりとハイレゾを聴いたほどの感動はない。慣れとは恐ろしい。
補足として、HP-A4BLのLINE OUTからの音は小さい。だからといってHP-A4BL側のボリュームを目一杯上げると歪んで音が汚くなるので、HP-A4BLのボリューム位置は12時から1時くらいまでにし、繋いだプリメインアンプ側(私の場合はA/Vアンプ)でボリュームを調整すると良い感じに鳴ってくれる。
※字面的に分かりにくいので、敢えてAppleは「Music」、Amazonは「ミュージック」と分けて表記。
Apple MusicはAmazonnミュージックHDより音がいいかな?
AmazonミュージックHDよりも良いかもと思った点は、AmazonミュージックHDよりもこもった感じに聴こえない。これは今回「FOSTEX HP-A4BL」を通したせいもあるかも知れないと思い、切り替えて聴いてみたが、やはりApple Musicの方が若干の違いだが高音域がはっきりしていてその分音の見通しが良い感じがする。いやどうだろう…気のせいかも知れない。音質に関して微妙な違いはあれど大差はない。この辺りは人それぞれだと思うので、どれを使うかは操作の慣れや好きなアーティストや曲がロスレスやハイレゾで配信されているかで決めていいような気がする。
個人的には、そのくらい微妙な違いなので結論的にはハイレゾを聴くなら今はAmazonミュージックHDでいいやと言った感じ。それ以上に音質を求めるならレコードで聴く。
お気に入りの曲をどうやって集めるか分からない…
普段からApple Musicを利用している人は特に問題にならないと思うが、個人的にApple Music、AmazonミュージックHD、どちらもUIが慣れない。「おすすめ」している曲はAmazonミュージックもApple Music両方とも分かりやすいが、自分で「お気に入り」にした曲は何処にいくの?Apple Musicに関してはお気に入りをどうやって付けるのかさえ初めは分からなかった。やっとAmazonミュージックや、Spotifyのようにハートマークを見つけて付けてみると、Apple Musicが似たような楽曲をおすすめするための参考にする程度で、お気に入りとしてどこかにピックアップされるわけでもなさそう。結局自分でライブラリーやプレイリスト登録する形をとらなければならなかった。PCのiTunesで整理する方が簡単そうだが、いちいちPCなど立ち上げてられない。なので個人的にはApple Musicは使わないかな。
普段はSpotifyで聴いていることが多い。レコメンドシステム機能により、今はかなり自分好みの「おすすめ」の精度が上がっている。初めて聴いた曲でもUIにあるハートマークを押して「お気に入り」としておけば、更に精度が上がっていく。お気に入りにした曲はホーム画面の「お気に入りの曲」から一覧で表示され一括再生もできる。ホーム画面の「Discover Weekly」を再生すれば好みに合った知らない曲を次々と流してくれてBGMにはピッタリだ。今年後半にはロスレス配信(CD音質まででハイレゾではない)Spotify Hi-Fiが始まるので、そちらも期待したい。結局は一度慣れたものからはなかなか離れられないという、年寄り感覚なんだよなぁ。あ〜イヤだね〜。
今回、ハイレゾ再生に使用したUSB-DACは下のもの。据え置き型USB-DACとして価格を考えると音質は十分満足できる。普段はヘッドホンアンプとして、ゼンハイザーHD650ヘッドホンのドライブ用に利用している。ヘッドホン出力にはバランスとアンバランス両方が使えるのも嬉しい。RCAの出力端子が付いているので外部スピーカーも使える。入力はライン入力には未対応だが、USBとオプティカルの2系統に対応している。Bluetooth送受信機能はない。
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