今回の「家キネマ。」のアップグレードはセンタースピーカー。以前のセンタースピーカーはONKYO D-108C(B)を使っていた。メインスピーカーであり、5.1chサラウンド時ではフロントスピーカーとして活躍しているJBL S3100。5.1chサラウンドではAVアンプの「エクストラベース」設定をONにするとフロントスピーカーとサブウーファー両方が出せるだけの低音まで鳴らすので全体的な低音レベルは上がるものの、よりセンタースピーカーとのバランスが悪すぎるのでOFFに戻した。
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今までのセンタースピーカーから低音があまり出ていないことが気になる
JBL S3100を導入した際に実際に映画を観ながら声(セリフ)を聴いている分には、意外とそれほど気にはならないものの、センタースピーカーにもセリフ以外の音、爆発音やエンジン音などが含まれていると流石に音が細くなる。サブウーファーが低音を補ってくれてはいるものの、思っていた以上に低音が出ていないことが気になりはじめ、一度気になると我慢できなくなってしまった。
当時何となくONKYOのD-108Cが安かったのでセンタースピーカーとして購入したが、スペックを調べると周波数特性が60Hz~80kHz。60Hzまで出るといっても全く余裕がなく、音圧レベルがどのくらいかも分からないが、少なくとも60Hzまでフラットには出力されないので実際に耳に届くのはせいぜい120Hz〜150Hz位までが良いところだろう…もっと出ていないかも知れない。
リビングシアターで本当に理想のセンタースピーカーは無理な話
本来、理想としてはフロントと同一のスピーカーをモノラル扱いでセンタースピーカーにするのが良いのだろうがJBL S3100を1台だけ購入してセンタースピーカーとして置くなんてとても現実的な話では無い。JBL S3100自体、シンメトリーな構造ではないため、そもそもセンタースピーカーとして使うのもどうかと…。「家キネマ。」はリビングシアターなので尚更無理な話だ。もしくは、ホームシアター用としてフロントスピーカーに大型のJBL S3100は諦め、センタースピーカーに合わせて小さいブックシェルフ型スピーカーを別で設置するか…。
「スター・ウォーズ」のBlu-rayでいらんことに気づき、気になり始めた
極端におかしければ、直ぐにでもセンタースピーカーを買い替えたものの、今まではフロントスピーカーの設定を「小」にして、「エクストラベース」設定をOFFにしておいけば、ONKYOのD-108Cでもさほど気にせず使えていたのだが、流石に今回の「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」Blu-rayを何度も観ているとライトセーバーを構えて対峙した時に「ブゥーーゥ」という音がセンタースピーカーから出るのだが音が細くて、劇場で観たときとあまりにも印象が違うことが気になり始めた。
カイロ・レンが持つ不安定なライトセーバーの「バリバリ…」という音はもっと印象が違う。劇場での印象は「バリバリバリ…」という音の中に低音で「ゴーーーー」や「ズゥーーーゥ」という音も混ざって、さらに超低音の「ボボボボ」という音が混ざって複雑な音をしているが、我が家では普通に鑑賞していると「バリバリ…」という音と、「ゴーーーー」という音、サブウーファーからの「ボボボボ」という超低音の構成でしか聞こえず。超低音の音は僅かに聞こえる程度なので結果として中高音の音の構成で聞こえてくる。オノマトペで書いても分かりにくいが、要するにセンタースピーカーから出力されると音に厚みがなく迫力が今ひとつ。しかしライトセーバーを振り回すとライトセーバーの移動に合わせてフロントチャンネル左右からも音が出ると途端に厚みを増す。これはイカン…これではイカンのだ。
ファントムなら気にならないがセンタースピーカーは欲しい
「ファントム」とは物理的なセンタースピーカーを置かずにフロントスピーカー左右のチャンネルをを同時に鳴らすことにより架空(バーチャル)のセンタースピーカーを作り出してセンターチャンネルを再生することをいう。センターチャンネルを設定で「無し」にして、フロントスピーカー2チャンネルのファントムなら当然、フロントスピーカーの特性でセンタースピーカーの音を造形するので違和感が無くなる。これを好んで使う人も多いが、私は常に中心にちゃんと座らなかったり、妻と観るときに座る位置をズラしたときにセンタースピーカーが無いとセリフが微妙に片側に寄ったりするのが気になる性分なのでセンタースピーカーはあった方が好ましい。
なので今回、センタースピーカーのアップグレードを実行したのだ。そのためにホームシアター貯金を切り崩したので、AVアンプのアップグレードが先送りになってしまった。
DALI ZENSOR VOKALをセンタースピーカーとして導入
低音がある程度出せる中で気に入った音と、価格とリビングに設置できるギリギリのサイズとの相談でDALI(ダリ)のZENSOR VOKAL(カラー:ブラックアッシュ)を導入。周波数特性も47Hz~26.5kHzありこれならサブウーファーと合わせて低音域も十分量感が出るだろうし、何より箱(エンクロージャー)のサイズが今までのONKYO D-108Cとは違いデカいので(今までがS3100と比較すれば小さすぎ)、低域の出かたは少なくとも違うはず。
一応スペックは以下の通り。
DALI ZENSOR VOKAL | |
周波数特性(+/-3dB) | 47Hz~26.5kHz |
入力感度(2.83V@1m) | 88.5dB |
インピーダンス | 6Ω |
推奨アンプ出力 | 30~120W |
クロスオーバー | 2.4kHz |
ユニット構成 | 中低音域 135mmコーン×2、高音域 25mmソフトドーム |
外形寸法(H×W×D) | 161mm×441mm×288mm |
質量 | 6.8kg |
今までセンタースピーカーは小さかったのでTV用ローボードの上にポンっと置いていたが、流石にこのサイズは無理。TVボードの中心に収納していたSONYのBlu-rayレコーダーを移動。TVボードの裏もコード類でエライことになっているが何とか配線し直し、レコーダーを移動させて空けた場所にDALI ZENSOR VOKALを押し込んで見た目をスッキリさせた(リビングシアターはコレが大変)。
スピーカーを交換してそのまま鳴らしたら思っていた音と違うので…
一度スピーカーケーブルだけを付け替えて鳴らしたら、センタースピーカーとしては低音がボンボン出過ぎて当然思っていた音と違う。十分というか、驚くほど低音が出ることだけは確認できたが、これまでのセンタースピーカー(ONKYO D-108C)のイコライザー設定が適用されるため、特性が合わずメチャクチャ。そこで一度AVアンプのスピーカー設定を自動で最適化する(YAMAHAのアンプは「YPAO」)ツールを実行。
YPAOで、やってもーた!!
…と、ここであることに気づく。そう言えばYPAOを実行すると全てのスピーカーが手動で調整した「イコライザー設定」も含めて再設定されてしまうのだった…。しかし、もう“後の祭り”。各スピーカーのイコライザー設定を確認して愕然とした。新たに購入したセンタースピーカーは当然にしても、それ以外の全てのスピーカーもイコライザーの調整し直し。…頭が痛くなる。メモリーカードか何かに設定のバックアップが取れる様にしておいて欲しい。久しぶりに「orz」のアスキーアートが頭に浮かんだ。
ということで、全てのスピーカー特性設定のデータが消え、自動調整された数値にリセットされてしまった…。今回は仕方ないのでそのまま自動設定された数値を使いテスト上映した。
音質は上々、低音もしっかり、セリフくっきり
テスト上映した「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」。YPAOツールで自動調整した割には気になっていたカイロ・レンのライトセーバーはかなり印象に近づいた。セリフも今まで以上にハッキリとして他の音に埋もれにくくなっている。それにしても低音が想像以上に出る。ボワつくこともなく、「ドンッ」というスピード感もある。これは想像していたよりも遥かに音が良かった。ショップで視聴した時はやはり周りの音があり、しっかり聴けていなかったが、我が家の室内で聞くとこのスピーカーはかなり優秀に聴こえる。というか最近のスピーカーって、余程の安物で無ければどれもそれなりに優秀なのだろうな。余裕があればこれで一式揃えても良いくらいに思う。
JBL S3100とのバランスは低音がしっかり出るようになったので以前と雲泥の差で解消された。それでも当然サイズが違うので低音の響き方が違うのは仕方ないが、映像と共に音を聴く分はその差がほとんど分からない。またイコライザーを手動で調整すれば、もっと改善するだろう。…気が重い。
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