先日、サブウーファーをDALI SUB E12Fにアップグレードしたらサラウンドスピーカーとのバランスがどうにも悪く感じる。これまではホームシアターを始めた当時、ONKYOのD-058Mが安かったので(ペアで6,000円程)「サラウンドスピーカーくらいならコレでいいか」と考えて購入し、使っていた。…が、今となっては他のスピーカーと余りにもバランスが悪くなったのでサラウンドスピーカーをプチ・アップグレードしようと計画。そして諸条件を考慮して今回購入したのがDENON SC-A17。
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サブウーファーを替えたらサラウンドの低音が抜けた
しっかりと沈んだ低音を出すサブウーファーのDALI SUB E12Fを導入するとサラウンドで音が鳴るときに重低音と中音の間(通常の低音付近かな?)がスッポリ抜けたように聞こえるのが気になる。ONKYO D-058Mではメーカーがアナウンスするスペック上、周波数が70Hzまで再生可能としているが実際は再生環境などで大きく変わってくるし、これまでの経験上でもスペックなど参考程度にしかならない。
クロスオーバー設定を高音よりに変えたら定位感がなくなる
改めて以前にAudysseyで計測したルーム補正値を確認すると、サラウンドスピーカーD-058Mは200Hz付近からそれ以下の低音にかけて下がっている。「あ…そうか、手動でサブウーファーとサラウンドスピーカーのクロスオーバーを120Hzにしたからか」と気づいてサブウーファーとサラウンドスピーカーのクロスオーバー設定値を200Hzに変更した。変更したことにより確かに音は繋がって低音が抜けたように聞こえることはなくなったが、こんどはサブウーファーが200Hzまで出力するようになったので、音の指向性が上がり定位感がアヤフヤになることでサラウンド感が薄くなった。これではサラウンドが台無しだ。
我が家においてサラウンドスピーカーとしての条件
私の場合、視聴環境がリビングシアターなので大き目のスピーカーをサラウンドやリアに設置することは家庭事情的に許されない。できるだけ小型で、できるだけそつなく低音の出せるスピーカー、といっても価格もそれなりに抑えなければキリがない。そして後のドルビーアトモス環境への移行も考慮し、トップスピーカーとしても使えれば、サラウンド関連のスピーカーがある程度統一できるかもと考えた。
ドルビーアトモスを実現するトップスピーカーとは天井に設置するスピーカーなので我が家の場合は、ほぼ天井にベタ付きになる。だとすれば背面バスレスポートがあるスピーカーは候補から外れ、前面バスレフポートか密閉型の小型スピーカーになる。前面バスレフポートを持った小型のスピーカなんてサラウンドスピーカーとして使うには私にとって高価過ぎる。そして結果的には大きさもそこそこになり理想ほど小さくない。専用ルームなら多少の大きさを余り考えずに音質優先で導入できるが、サラウンド環境はスピーカーの数が多くなるだけにリビングルームでは存在感が大きく目障りになる。
条件的に合うのがDENON SC-A17だった
それらの条件を踏まえてギリギリのラインで決定したのが2016年に発売されたDENON SC-A17(1台定価12,500円)。発売されてから期間も経っているので現在(2019年2月1日)の市場価格で7,000〜8,500円/1台程。ペアで購入しても税込み2万円を超えない、小型ブックシェルフの密閉型2ウェイスピーカー。
以下、SC-A17のスペック。(DENON公式より)
SC-A17 | |
形式 | 2ウェイ・2スピーカー (密閉型、ブックシェルフ型、防磁設計) |
スピーカーユニット | ウーハー(8cmコーン形 x 1)、ツィーター(2cmソフトドーム形 x 1) |
クロスオーバー周波数 | 4kHz |
入力インピーダンス | 6 Ω |
最大許容入力 | 40 W (JEITA)、100 W(PEAK) |
再生周波数域 | 80 Hz – 60 kHz |
平均出力音圧レベル | 81 dB (1 W・ 1 m) |
寸法(W × H × D) | 110 × 180 × 130 mm |
質量 | 1.4 kg |
付属品は取扱説明書のほか、スピーカーケーブル(約10m)、すべり止めゴム×4枚が付属。
密閉型なので低音の出かたがバスレフ型よりは設置環境に(反射音や残響音は別として)あまり左右されない(はず)。天井にトップスピーカーとして設置しても天井板に響きにくい。スペックを見る限り80Hzまで低音が出るように記載されているので、密閉型なら実際まともに(フラットに)鳴るのはせいぜい100Hz位までだろうと予想する。D-058Mは同じ密閉型といえどもエンクロージャーはプラスチックな素材だった。それと比べればエンクロージャーもしっかりしており(素材は不明)、若干サイズも大きくなる分、おそらく容積も増えているだろうから低音も期待できる。
今まで使っていたONKYOのスピーカーブラケットTK-L70が使える
もう1つ決め手となったのが、今までサラウンドスピーカーONKYO D-058Mのスピーカーブラケットとして使っていたONKYO TK-L70がピッチ幅60mmのM5ネジなのでDENON SC-A17がそのまま取り付けられる。センタースピーカーに合わせてDALIの小型スピーカーも候補に入れたが取付用のネジ穴がなく、自分でスピーカーキャビネットにドリルで穴を開けるという素人にはかなり勇気のいる作業が必要なので候補から外した。
久々のDENONスピーカーは、はたして…。
DENONのスピーカーはSC-210以来。当時は綺麗な低音が出ずにやたらキラキラした薄っぺらい音だったが、今は流石に進化しているだろう。ショップで視聴といってもオーディオの単体スピーカーとして鳴らしているものはなく、ショップでもサラウンドスピーカー扱いなので音質は正直よく分からなかった。結果として、あれから音が良くなっていることを願うという結構な“カケ”に出ることになった。かと言って、このサイズで他に条件の合う候補がないのが悲しい。これよりももうワンサイズ大きなスピーカーの設置が可能なら音質向上も含めて一気に候補は広がるのだが…リビングの視覚的にも、さらに価格も問題になってくる。どうせサラウンドスピーカーを取り替えるなら音質向上も目指したかったが、ここが妥協点なのだろう。この際「家キネマ」のサラウンドスピーカーとして当初の目的さえクリアしてくれれば、他と比較して音質云々は問わないでおこう。以前と比べて劇的な変化は期待できないが、“プチ”アップグレードにはなると期待。
さて、週末にはサラウンドスピーカーを取り替えてスピーカーの再調整…あ〜、またAudysseyでスピーカー測定か。
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