スター・ウォーズ EP7,アナモフィックレンズ,プロジェクター

入門機プロジェクターでも出来る?アナモフィックレンズを使ったシネスコサイズ投影

前回の難問を何とか解決しようと原因を究明するべく色々と設定から何から全てを見直し、ほぼ一日中トライ・アンド・エラーを繰り返す覚悟で挑んだ結果、映像の右側だけが伸びたようにボケていたのはやはりプロジェクター本体の位置関係が原因の1つだった。投影する面に対してほんの僅かだが中心からズレて斜めに投影している状態になっていた。その分中心から右側の映像にボケ足が大きく出て、より右側の映像が伸びるように見えていた。再度微調整を繰り返して投影テストをすると以前より幾分解消されたが、左側にも同等にボケ足が出るようになり完璧に横伸びするボケを無くすまでには至らなかった。元々両端のピントが甘くなるのは覚悟していたことだ。

Panasonic AG-LA7200とEPSON EH-TW6600の組み合わせの限界?

この現象はこのアナモフィックレンズAG-LA7200だけの問題なのか、プロジェクターとの組み合わせによる相性なのかは、どうしてもレンズとレンズを組み合わせることになるのでどちらとはハッキリと言えないが、少なくともこのアナモフィックレンズ「Panasonic AG-LA7200」と、使用しているプロジェクター「EPSON EH-TW6600」の組み合わせとしては通常でこれが限界のようだ。

EPSON EH-TW6600のパターン投影は画面がブルーになって外枠と十字、中央付近に丸が出るだけなので、格子状のパターンが表示される「液晶アライメントの設定」画面を表示すれば良かった事に今更ながら気が付いた。これなら各場所の歪みやピンボケ具合が段階的に分かり易い。中央の上下付近が凹んで見えるのが「ピンクッション」と呼ばれるレンズによる歪曲収差。アナモフィックレンズでは顕著に出る。非常に分かりにくいが左右両端タテ方向にもその現象が出ている。これらをカメラ用語で「糸巻き型歪曲収差」という。逆に膨らむ現象を「樽型歪曲収差」。

投影画面の中心付近はピントが合っているが…

投影画面左側…

投影画面右側…

近くでよく見ると中心から横方向に外側になるほど、少しずつボケ足が外に向かって長くなっている。虫眼鏡をほんの僅かに傾けて覗くと端の方が伸びて見える現象とよく似ているなと思ったときにふと気が付いた…このボケかたはもしやレンズによる「コマ収差」(→Wikipedia)の様な現象ではないだろうか。カメラとはレンズ方向が逆になるので瞬間的に気づかなかった。

AG-LA7200とEH-TW6600の組み合わせで横伸びにボケる原因は「コマ収差」?

虫眼鏡などで太陽の光を集約するとき虫眼鏡を傾けると光の点が伸びてボケるあの現象と同じ現象が起こっているのではないだろうか。端に向かうほどプロジェクターの光に角度が付いて照射されるのでズレが大きくなりこの「コマ収差」の様な現象を起こしているのかも知れない。もっとプロジェクターのレンズに近づけることが出来れば解消するかも知れないし、もしも、単純な「コマ収差」だったらカメラで言うレンズの「絞り(F値)」を大きく絞れば解消されるはずだが、プロジェクターにはカメラのように「絞り」の変更なんてできない。しかもEPSON EH-TW6600のレンズ仕様がF値:1.51-1.99となんとも素晴らしく明るいレンズを使用している。EPSONの上位機種でF3.0〜3.7程、SONYとかJVCの機種ならF値が3.0〜4.0なのでEPSON機種よりは絞っている。私の推測が正しければこの現象の出方が全然違うはず。但し、これらの機種は最低でも50万円以上する高級機。私も「いつかは」と思っているが…。

”ひやかし”でご参考までにどうぞ↓


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では、Panasonic AG-LA7200は使えないのか

横伸びのボケといっても映画を見る分には全く問題が無く、こうしたテストパターンや映像の端の方で点光(星など)に注目すれば「確かにそうなっている」という程度で、通常の風景映像などでは気にならないし、まず普通に見ていて気づかない。勿論、カーブドスクリーン設置で解決出来る現象では無い。元々カーブドスクリーンはレンズを通して極端に横長のシネスコ映像を投影することよって上記で説明した歪み「ピンクッション」をフラットに見せるためのスクリーンだから今回の横伸びのボケとは関係が無い。自分でも納得するために、投影された映像に仮で白い紙をカーブしているかごとく斜めにして、映像の端の方に当てて確認したが当然ボケに変化は無かった。

他に解決方があるかどうか

以前から気になっていた、アナモフィックレンズ「SLR Magic Anamorphot 1.33x 50」ならばこの「コマ収差」問題はスッキリ解決できるだろうか。高級レンズなのでかなり期待は出来るが…約14万円か〜…当分無理だな。またヤフオクで5万円くらいで出品されれば購入してしまいそうだが今はどのみち無理。ディオプター(レンズフィルター)等を使えばもしかしたら両端までピントを合わせることが出来るのかも知れないが、「コマ収差」対策を施されているわけではないだろうから解決出来るとも限らない。試すにしても、このレンズに対応できそうなディオプターをebayで見つけたが4万円程もするうえ、ディオプターはクローズアップ・レンズでもあるので今以上にピント合わせがシビアになる可能性があり、最悪の場合はせっかく購入しても距離的にピントが合わず設置が無理になる可能性もある。プロジェクターのレンズとアナモフィックレンズの設置距離を調整して調べることも考えているが固定台がないので現在は確認出来ないでいる。

Vストレッチ機能を持たないプロジェクターでビデオプロセッサーを使わなくても何とかなる

アナモフィックレンズを使用してプロジェクターでシネスコサイズ投影しようと思うと、プロジェクター自体がVストレッチ機能を持っているか、または、ビデオプロセッサーという機器を通さないと映像にタテ方向のストレッチをかけることが不可能だった。しかし、ストレッチに関する細かい設定は出来ないものの、一先ずはプレーヤーのOPPO「UDP-203」か「UDP-205」さえあれば高額なビデオプロセッサーを使わずとも、EPSON EH-TW6600のようなVストレッチ機能を持たない入門機プロジェクターでもアナモフィックレンズを使用してシネスコサイズ投影ができたので一安心。アナモフィックレンズが「全くの無駄」にはならなかった。

固定器具を考えなければ…

それはそうと、留め具が輪ゴムというのは流石に見た目がカッコ悪い。黒いゴムならまだ良かったのに。いずれにしてもゴムは劣化するので長期使用は厳しいだろう。今回の目的は、「Panasonic AG-LA7200」に限らずアナモフィックレンズがプロジェクター「EPSON EH-TW6600」でも使えるかどうか。結果としては一先ず自分の目的とする合格ラインには達したとしておこう。カッコ悪い仮止めの輪ゴムに関しては、今はレンズを固定することを優先してシネスコサイズで映画を楽しみ、近々固定器具のバージョンアップを図るとしよう。ビスタサイズの映画を見るときはOPPO UDP-203の設定で今の「固定レンズ式シネスコモード」では16:9モードにすると今度は左右に黒帯がでるので取り外しが容易に出来るようにもしたい。

実際にアナモフィックレンズ「Panasonic AG-LA7200」を使ってみて

欲を出せば切りが無いが、全体的には今の自分のシステムには充分満足できるレベル。些細なピントの甘さよりもアナモフィックレンズを使うことにより、これまでシネスコサイズの映画ではプロジェクターの映像チップを75%しか使っていなかったのが、残りの25%を占めていた上下の黒帯が無くなることによって、プロジェクターの映像チップを100%使うことができる。その映し出された映像は、僅かだが明るくなり独特な奥行きを感じることができて、感覚的にも得られる恩恵のほうが大きいと思えた。あくまでも個人的な主観であり、何がなんでも隅々までピントがバッチリ合わないと気が済まない人にとって「Panasonic AG-LA7200」は向いていない。これが高級なハイエンド・プロジェクターを使用してたらノーマルの方がよほど映りが鮮明で綺麗だろうから許されないだろな。そんな人はアナモフィックレンズを使って「白壁スクリーン」なんてしてないか。ああ、カーブドスクリーン設置したい。


スター・ウォーズ/フォースの覚醒
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今回のテスト映像は「スター・ウォーズ/フォースの覚醒(原題:Star Wars: The Force Awakens)」。2015年に公開されたスター・ウォーズ シリーズ7作目の映画。12月15日公開の「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」も楽しみ。シネスコテスト上映のつもりだったのだが、所々停止させながらも結局最後まで見てしまった。アナモフィックレンズ効果か、今まで以上に引き込まれるような映像にすっかり魅了された。EPSON EH-TW6600は映像チップが液晶パネルなのでピントがバッチリ合うと、近くで見れば液晶独特の素子の隙間が見えるのだが、このアナモフィックレンズによりノーマルよりかは若干ピントが甘くなることで上手く(?)「誤魔化して」くれて見えなくなり、何かアナログチックな映像にも見える。…と言えば「物は言いよう」かな。

 



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