週末にサラウンドスピーカーをONKYO D-058MからDENON SC-A17に“プチ”アップグレードした。そのまま補正も何もしないで音を出してもサラウンドスピーカーとして全然音が上手く繋がるはずもなく、仕方なくまたマランツのAVアンプに備わっている自動音場補正のAudysseyで測定&補正を行った。
DENON SC-A17のルーム補正
ルーム補正値を確認するまでもなく聴いて分かるほどやはりDENON SC-A17の方が低音が出ている。グラフでも-5dBながらも100Hz近くまで粘り、そこからストンと落ちる形でONKYO D-058Mよりは低音側に伸びているのが分かる。さらにSC-A17の方は全体的に音圧が若干高くなっているのも見て取れる。これならクロスオーバー値を120Hz位に設定しても問題ないだろうと思ったらAudysseyが勝手にクロスオーバー設定を120Hzに設定していた。
どれくらい違いがあるのか試しにグラフを画像ソフトを使って重ねてみた。イエロー(補正前)とブルー(補正後)のグラフが今までのONKYO D-058M。グリーン(補正前)とレッド(補正後)がDENON SC-A17のグラフ。
新品のスピーカーなのでまだエッジも固くエイジングが進むともう少し低音側に伸びるだろう。相変わらず2kHz付近にある-5dBの凹みは、リビングある物なのか何らかの反射音で打ち消しているものと思われる。場所を特定して吸音材などで対応するのが良いだろうが、リビングであからさまに吸音材は置けないし、ここを無理して手作業で持ち上げると反って音がおかしくなるので放置。
実際の映画においてのサラウンド感
補正後に映画ソフトで確認したが、以前に感じた「低音の谷」は入れ替えにより感じなくなった。よしよし、これならサラウンドスピーカーを交換した目的はひと先ず達成。まだ新しくエイジングもままならないがしばらくは仕方ない。普通に映画を鑑賞していてもサラウンドスピーカーなので出番も少なくエイジングの進みも遅いだろうから数ヶ月くらいはかかるかも知れない。
以前がONKYO D-058Mだったのでそれに比べると結構ハッキリ・クッキリした音を出す。やはり音楽用のスピーカーとしては個人的に好みではないが映画にとってはDENONで正解なのかも知れない。今までよりは定位感があり音の移動が明瞭なサラウンドを感じることができるようになった。さらにサラウンドスピーカー用としてならサブウーファーが必ず低音(120Hz以下)を補足してくれるので、かつてDENONスピーカーに対する不満だった低音もこれなら私にとって問題にならない。現時点では結構良い感じで仕事をしてくれている。
分かり易いところで「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」ではバックグラウンドミュージックがサラウンドスピーカーから出力されているのだが、その音が明瞭になることで全体を通してクリア感が増し、効果音(SE)とセリフ、音楽がキチンと分離し、意識して聞き分けようと思わなくても今まで以上に各々がハッキリと聞こえるようになったのはサラウンドスピーカーを交換した効果として現れている。
音楽用スピーカーとして定価の12,500円を払うのはどうかと思うが、やはりそこは日本のメーカーなので何かと内容以上に価格が高くなっている気がしないでもない。他の海外製品ならさらに高くなるので1万円以下という市場価格は妥当で、それなりの音を出しているように思う。
やはり、リビングシアターなので…
私のようなリビングシアターには日本の住宅事情も考慮すると、数を要するサラウンドスピーカー用として手頃なスピーカーかもしれない。大き目のサラウンドスピーカーが仮に置けても宝の持ち腐れで無駄な出費になる可能性は十分にある。無理して大きめのスピーカーを設置するより、自由度が高い小さめのスピーカーをキチンとバランスよく置くことができれば、その方が余程サラウンド感は楽しめる。これは決して僻み(ひがみ)でも負け惜しみでもなく本当のこと。
…が、しかし、暮らしの事情によりそれすらままならないのがリビングシアターの辛いところ。スピーカーでもシアター用の機器なので本体の色が黒になりがち。それを設置するリビングの壁や天井は真逆の白を基調としている部分が多い。目につく場所に無機質な黒い箱を家族がくつろぐソファの回りや天井へ好きなようには配置できないことの方が多い。家族に許される範囲、できる範囲で、できることを最大限にやることがリビングシアターの限界。いずれは必ず実現できないことがでてくる。私の場合はマンションだが一応持ち家なのでまだマシ。賃貸ならさらに無理なことや工夫しなければ実現できないことも多い。
と言うわけで只今、ドルビーアトモス実現のためにトップスピーカーの設置をジワジワと日夜交渉中…。
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