この夏、ここ最近では珍しくまとまった休暇が取れたのでゴールデンウィークに果たせなかった4台のトップ(天井)スピーカーを設置し、7.1.4chシステムによるドルビーアトモスをやっと実現。当初からこの構成を最終目的として導入したA/Vアンプ、marantz SR8012のスピーカー出力端子をフルに使う構成となった。
素人作業で手際が悪く、2日間もかかってしまった。今回はスピーカーの設置とケーブル配線まで。
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ドルビーアトモスを実現するなら、やはりトップスピーカーの設置
以前から天井設置用の小型スピーカーを先行して購入し、既成事実を作り上げて妻にジワジワと説得し、やっとのことで実現した「ドルビーアトモス」。現在でも一応はフロントハイスピーカーを設置していたのでドルビーアトモスの再生には対応できていたが天井に配置するトップスピーカーでのアトモス再生とはかけ離れていたし、比較的手軽に導入できるイネーブルドスピーカーを使った天井反射音でのドルビーアトモスも一時期頭をよぎったこともあった。しかし、何度かデモなどでイネーブルドスピーカーを使ったドルビーアトモスを体験してみたが、やはり物理的にも、体感的にも実際にトップスピーカーを設置するのとは違いがあり過ぎる。「家キネマ。」でドルビーアトモスを実現するのはやはり実際にトップスピーカーを設置するべきだと判断し、妻へのネゴシエーションとそのチャンスを伺っては少しづつ準備を進め、この夏やっと実現。映画を観る楽しみがまた1つ増えたのが嬉しい。
トップスピーカーの設置に伴い、ついでにサラウンドスピーカーの位置を見直す
ドルビーアトモスの設置(トップスピーカー)を考え、現在のサラウンドスピーカーの設置位置を改めて見直し、アトモス実現のために再検討した結果、現在のサラウンドスピーカーと、サラウンドバックのスピーカー位置を変更した。もともと、サラウンドバックスピーカーがクローゼットの中に収まってしまっていたので、今まで7.1chサラウンドで映画を楽しもうと思うと、クローゼットのすべての扉を全開にしないとサラウンドバックスピーカーが顔を出せない状態になっていたので使い勝手が悪かった。そこで今回のトップスピーカーを設置する際にサラウンドバックを現在のサラウンドスピーカーの位置に変更し、サラウンドスピーカーは視聴位置のほぼ横90度になるように配置し直した。
スピーカーケーブルの長さがエイラことに
ドルビーアトモスを我が家のリビングシアターに導入するにあたり先ず調べたのがトップスピーカーを設置するためのスピーカーケーブルの長さ。新たに設置することになるのでケーブルの引き回しをどうしようかと。ケーブルの長さを計算するとサラウンドスピーカーの位置変更分も含めて、個々のスピーカー用のケーブルの長さを合計すると約45メートル以上にもなることが判明。スピーカーケーブル購入費用も結構な出費となった。リビングに後付けで引き回すことになるので目立たなくするために壁面や部屋の角に沿わせるため、細くて、白い被覆のケーブルを選ぶと結果的にはオーディオテクニカの安いケーブルになったものの、やはり流石に45メートル分となるとそれほど安くは済まない。それに追加分のトップスピーカー(4台)と天井固定用のスピーカーブラケット(4台)と天井設置用のネジ。トータルで考えると決してお手軽価格とは言えないが、徐々に準備をしていったので感覚的にはマシ。一気に購入すると流石に躊躇する価格になる。
トップスピーカーを取り付ける、その前に。
さて、必要な機材の準備が全て整ったので実際に設置をおこなう。が、その前に取り付ける場所の下地調べを行う。リビングの天井の仕上げ材は石膏ボードにクロスなので通常のネジだけでは簡単に抜け落ちてしまい、スピーカーが落下してしまう。石膏ボード用のアンカーを打ち込みそこにネジ留めを行うのだが、ボードアンカーは基本的に壁用であり天井に打ち込むことは重量がかかると抜け落ちる危険性があるため避けるよう必ず書かれている。かと言って大規模な天井工事をする訳にも行かないので危険を承知でボードアンカーによるネジ止めを決行。但し、スピーカーブラケットを設置する際に全てのネジにボードアンカーを使った止め方をするのも万が一を考えると危険だと思い、ネジ止め4箇所中、最低でも1箇所は天井下地の野縁(木材)に止めるように考慮し設置を行った。で、その肝心の石膏ボードを支えている「野縁」はどこにあるのか…、カンだけが頼りでは流石に危険な上、天井に無駄に穴をあける羽目にもなる。天井クロスの表面からは全くわからないが、これは工具があれば簡単に探すことができる。
天井裏の野縁を探す
その名も計測機器の販売でお馴染みのシンワ測定社が販売する「下地探し どこ太」。ダジャレにすらなっていないストレート過ぎる名前だが、まぁ確かに分かりやすいネーミングではある。
先端から細いニードルが飛び出し、石膏ボードを貫通して下地材の野縁を探すことになる。使い方は簡単で石膏ボードに「どこだ?…ここか!ここか!ここなのか!」と次々と当たるまでブッ刺すだけ。ニードルの太さが画鋲程度なのでクロスに多少穴が開いても目立ちにくくなっている。
野縁に当たれば、ニードルが石膏ボードの厚みで止まり貫通せず野縁に刺さるので天井なら仮に手を離しても落ちてこなくなる、そんな単純明快な造り。また、先端にはマグネットが付いているので、仮に野縁と固定している石膏ボード上のビスがあればマグネットが反応し、「カチッ」と引っ付くのでビスの上にネジを打ち込むことを未然に防ぐことができる。
例え画鋲程度であっても、無駄に穴を開けたくない人は、次に紹介するもう1つの機器と並行して使用すれば無駄打ちせずに済む。それが「下地センサー」。これもシンワ測定社が販売する電池式の簡易下地センサー。ボタンを押しながら機器を滑らせると下地があった場合に光で知らせてくれる優れもの。センサーを左右から滑らせて調べれば下地材の幅も調べることができる。
下地材を探すだけならこの1台で事足りるものの、探したまでは良いがその下地材が木なのかアルミなのか、またはそこにビス留めされているのかまでは分からないので、そこまで調べるには結局、最終的に「どこ太」を突き刺したりマグネットで確認するしかない。壁内の電線を検知するモノもあるが、とりあえずなら「どこ太」と組み合わせて、これで十分。
目的の場所にブラケットを取り付け、スピーカーとケーブルを取り付ける
下地材の位置も確認でしたので、実際にスピーカーブラケットの取り付けにかかる。スピーカーブラケットは、統一感を図るためサラウンドスピーカーで使用していたものと同様、 ONKYO TK-L70Bを使用した。トップスピーカーとして取り付ける小型スピーカーはDENON SC-A17だが、ネジ穴のサイズとピッチが合っているので問題なく取り付けられることはサラウンドスピーカーの時に実証済み。
スピーカーブラケットさえ取り付けてしまえば、あとの山場はケーブルの配線のみ。ブラケットの設置を終えてそれぞれスピーカーを設置、素人工事ながらも何とか形になってきた。欲を言えば専門業社にお願いして配線の隠蔽をしたいのだが、今はそこまでお金をかけることができない。できるところまで自分でするしかない。
ひとまずケーブル配線をキチンと整える前に仮止めの状態のまま簡単な音出しのチェック。音が出るかどうかだけのチェックなのでアンプ備え付けのテストトーンを流す。手延べそうめんのような状態でケーブルが天井からぶら下がっているが、整えた後に音を出して万が一、ケーブルの断線など不具合があり音が出なかったり、やたらノイズが乗るなどしたら引き直すことになるので、無駄な作業になってしまう。念には念を。
そうして1日目が終了。日常的にDIYなど行っていて、こういう作業に慣れている人なら1日で終わってしまうのだろうが、私の場合は最終的に映画をまともに鑑賞できるようになるまで丸2日かかってしまった。
次回、2日目の作業とスピーカー調整からテスト上映まで。
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