ジェームズ・マンゴールド(James Mangold)監督による2020年1月10日(アメリカ2019年11月15日)に公開された実話を基にしたドラマ映画。前回IMAXで「スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け」を鑑賞した際に予告編が流れて「これは絶対観る」と心に決めた映画だった。と、言っても時間的にIMAXシアターに行くのは難しいのでより近い梅田ブルク7のドルビーシネマを選んだ。
梅田ブルク7のドルビーシネマへ
上映開始18時からのチケット。ブルク7のある商業ビル「E-ma」(イーマ:ファッションビル)に入ると、前回初のドルビーシネマ体験だった「ライオンキング」を観にいったときよりも、更に店が閉店しており、ほとんどのショップのシャッターが閉まっている。「おいおい大丈夫か。このままドルビーシネマごと潰れるのでは…」と不安にかられるが、調べてみると同じビル内でもドルビーシネマが入るフロアとは運営会社が異なるようで、階下の商業施設部分は2017年に売却されており運営会社が変わって抜本的に改装を行っている最中のようだ。一安心。
とは言っても、時間帯もあるだろうが劇場が入っているフロアのロビーにもお客さんが少ないので、こっちはこっちで大丈夫なのか。先日の話ではないが映画館の運営も心配になる。この割合で考えると劇場内もおそらく観客は少ないだろう。観客が多いとマナーの悪い人も確率的に増えるので観る分には都合がいいのだが…。
前回は「ライオンキング」だった場内の入場口壁面ムービーは「フォードvsフェラーリ」のループ映像が流れるのか思っていたが、残念ながら特になし。必ずしも流れているわけではないようだ。
同じドルビーシネマになっているシアター1では入替上映でアニメ「機動戦士ガンダム めぐりあい宇宙」も上映されているようで、その上映の際にはループ映像が流れている。「ガンダム」の上映の時の方が見るからに観客数が多い。やはり「ガンダム」は強いな。アスペクト比はどうなってるのだろうか。当時のままスタンダード(4:3)の場合、ドルビーシネマではスクリーン左右が余ることになるが、それでもドルビーシネマならプロジェクターが照射していない部分をスクリーン上でも真黒にできるので両サイドをマスクする必要もない。これができるのもドルビーシネマならではだろう。
流石のドルビーシネマ&ドルビーアトモス
IMAXはもはや私の中では不動の最高峰シアターとして確立しているが、劇場内の漆黒と映像のコントラストの強さ、黒の締まりがあるドルビーシネマも別格だ。相変わらず黒バックに文字だけが浮かぶと距離感を失い、浮遊して見える。「フォード vs フェラーリ」では深く沈んだ黒の締まりと車体を輝かせる眩いハイライトの強さがスクリーン内で共存し、ドルビーアトモスによるサラウンド感も流石。こういう車や飛行機などの乗り物系を題材としてレースやドッグファイトが繰り広げられる映画では前後左右上下に音が振られるのでそのポテンシャルを遺憾なく発揮する。絶対的なスクリーンサイズや地鳴りのような野太い大迫力のサウンドはやはりIMAXが圧倒的だが、ドルビーシネマにはまた別の魅力がある。
「フォードvsフェラーリ」は熱い!熱い!
伝記映画というべきか、実話を基に作られた映画。映画化するにあたって当然ドラマ仕立てに作られ創作もされている。ただし落とすところは同じ。現代に続くことなのでそこを覆すことはできない。いわばオチは読めるわけだ。ただ、そのオチまでをどう展開するのか、どうやって落とすのか、それまでの経緯を楽しむ映画。例えるなら犯人は初めから分かっているが、どうやって犯人を暴くのかを毎回楽しみに見ていたテレビドラマ「刑事コロンボ」を楽しむような映画(ん〜、例えが古過ぎるな)。
主演のマット・デイモンとクリスチャン・ベール。私も好きなこの2人の俳優が同じスクリーンにいる時点でテンションがあがる。しかも、本作はカー・デザイナー(マット・デイモン)とレーサー(クリスチャン・ベール)との職種は違えど打倒フェラーリを掲げ、熱く燃える男2人が同じゴールを目指すある意味「バディ映画」だ。熱量も2倍。面白くならない理由が見つからない。
「フォードvsフェラーリ」を観終わって
「ぁあ”ーー!ビーブの野郎!ムカつく!」ということだけ言わせてもらう。言わば“会社あるある”である。ストーリーは当然オチが決まっているものの、その創作したであろうドラマ部分のストーリーや展開は普通に楽しめる。そしてやはり音が凄まじい。本物のエンジン音なのでドルビーアトモスの音にもリアリティがある。車好きの人にとったら、このエキゾースト・サウンド(エンジン音)を聴くためだけにこの映画はあるようなモノかもしれない。「家キネマ。」では確実に近所迷惑になるどころか町会会議の議題に上ってしまう。これは無理。自宅にフォードやフェラーリを押し込んでエンジンをフル回転させるようなものだ。耳栓がいる。この大迫力のエキゾースト・サウンドも劇場ならでは。「ライオンキング」の時は、高音がキンキンしていたが少しまろやかになっただろうか。あまり耳にはキツくなくなっている。調整したのか、スピーカーのエイジングがさらに進んだのか、それともその間に私が年老いて耳が遠くなったのか。
ただ、音量が異常にデカイ、全編通して爆音。本物に近いエキゾースト・サウンドを聴かせるためか、迫力があると言っても耳栓ができない鑑賞者に向けては流石にそれは音量がデカ過ぎると感じるほど。館内はかなりデッドな環境になっているが、あれだけの音量を出せば確実に残響音が出る。結果的に残響音でせっかくのドルビーアトモスの音像が若干ボヤけてしまっている。もう少し落としても良いでのはないだろうか。マット・デイモン演じる“キャロル・シェルビー”がガムを噛んでいる口内の咀嚼音までマイクが拾っている。これが極めて小さい音だがセリフを言いながらも合間に聴こえるのだ。この音と、エンジン音のボリュームレンジが広すぎて、あの音量になってしまうのだろうか。もしそうなら、個人的にはいくらマット・デイモンとはいえオッサンが噛むガムの咀嚼音は聴こえなくてもいいから、もう少し音量を抑えてもらいたい。
自宅からも近いし、残っているU-NEXTポイントを使って格安(ポイントがそのままチケット金額に変わる)で気軽に行けるし、いいシアターだ。
返信ありがとうございました。アドバイスやお勧め作品勉強になります。あとで観れるよう、チェックしておきました。
インシュレーターの件は、いろいろありまして、購入当初はダイソーのジョイントマットに直置きしたら部屋全体が変な振動を起こしてしまい、ダイソーで買った6センチ四方の木のブロックをインシュレーター代わりにおいたら変な振動が収まったことが発端でした。で、サラウンドスピーカーもそのマットに直置きしていたのでもしやと思い、スレートの上に置き直してみました。プラセボもあると思うので、また外してみたりいろいろ検証しようとは思うのですが、移動させるのも大変ですもんねえ。今の音に満足しているのもあって、当分このままでいきます。
本題のフォードvsフェラーリ、昨日BDで観ました。アトモスでないのは残念でしたが、後方をぐるりと音が移動したり、マットデイモンが飛行機で降り立つところとか実に楽しかったです。友情有り、努力有り、戦いありで、長いと思った2時間半はあっという間で、良い映画観たな、と思えました。車に興味ないのですが、車の映画って好きなものが多いです。タッカーも安くなったらBDを買う予定です。
最後に「バーレスク」について、2つほど補足を。
私もアマプラで観ようかと思ったのですが、レビューにネトフリで見た方から断然BDの方が音が良い、との指摘があったので、思い切ってBDを購入しました。サブウーファーが爆音ではない、実にいい仕事をしてくれます。フォードvsフェラーリもそうですが、ロスレスってそこそこのオーディオ買って、ちょっとセッティングしたら、ホントすごいなあと改めて感じました。
あとウチキネマー様って「♬ウイスキーがお好きでしょ?」(笑) 「バーレスク」観るときは是非ウイスキーをお供に。私もたまたま夜だったのでウイスキーロックを飲みながらの鑑賞でしたが、酒が進む進む。史上最高に酒が旨く感じる映画でございました。お気に召して頂けるといいのですが、なんの映画であれ好き嫌いはあるので、その時は笑ってお許しくださいね。
インシュレーターは色々試してみるといいかも知れませんね。…大変ですけど。私もスピーカーのインシュレーター関連をいじりたいのですけど、流石に1本当たり60kg近くあるので二の足を踏みます。…「足元」だけにね!(爆死)。
この映画、好きです。レビューできてないので4K UHDを買うつもりですが、ずっと買いそびれています。1つのことにひたすら集中することって、観ているこちらまで熱くなります。この映画、フォード側の成功には肝の座ったマイルズ夫人の存在が大きいとも思いました。2人が取っ組み合いをする際の夫人の対応w、あのシーン個人的に好きです。
「バーレスク」の件、了解です。「是非ウイスキーをお共に」のお誘い文句はメチャクチャ刺さりましたよ(笑)。我ながら「♬ウイスキーがお好きでしょ?」を、まず石川さゆりの歌声で頭をよぎるのは、お酒を飲める年齢をぶっちぎりで超えているということですよね。当然CMは「サントリー角ハイボール」ではなく、「サントリークレスト12年」の方です。
昨日やっと観る順番が回ってきて観賞いたしました。劇場には比べものになりませんが、アトモス作品でも上位に入る迫力音でした・・・。
Mデイモンがガムを噛む音もしっかり拾っていましたね(笑
レース未経験だったフォードが他社と提携しGT40を制作するまでの苦悩(クリスチャン・ベールにテスト走行させる前の段階)が描かれていなかったのが、個人的には少し残念でした・・・。
ご覧になりましたか。アトモスも上位に入るほどいい感じなのですね。劇場同様にガムの咀しゃく音もやはり入ってましたか!(いらねー)(笑)
このソフトを「音」でという意味で楽しむのは自宅視聴環境次第になりそうですよね。ほとんどの方は本作の音(エキゾーストノート)を大音量では聴くことが出来ませんから。それなりに設備が整った環境を構築している私たちは幸せ者です。と言いつつも、私は本作を保存版(購入)かどうかを迷っています。
レビューありがとうございます。自宅から近いほうのバルト9でやってないという理由だけで見に行くのをためらっております(笑
歌舞伎町まで足を延ばせばいいだけなのですが・・・
たしかに、バルト9もめちゃ音がいいのですが爆音過ぎるな・・・と思う時も多々あり、そういう意味ではセリフ音も含め自宅の方が
好みのセッティングで聴けますね。クリスチャンベール役柄上また体を絞ったのでしょうか?かなりほっそりしてますね。
これは今のところUHDの発売が最も楽しみな作品です。字幕なしであれば既に北米版UHD(アトモス)が出ているのですがさすがに・・・
買ったら雨戸全部閉めて我が家で爆音上映いたします!
ところで早くイエスタディの国内UHD(アトモス)出ないかなー。6.5k撮影4kマスターのようで映像もめちゃ期待しちゃいます。
もみじさん
こんばんは。
ドルビーシネマの「フォードvsフェラーリ」は爆音過ぎますよ。
広い空間とはいえ、密閉空間であれだけの大音量を出すのはどうかと思うほどです。
アトモスによる響きなのかただの爆音による残響音なのか初め分かりませんでしたが、画面が野外のシーンだったので、どう考えても響くわけがなく、直ぐに残響音だと分かりました。
UHDが発売されたら自宅のアトモス環境でも確認します。
クリスチャン・ベール、元々細身ですが明らかに身体を絞ってますね。
肌もドーランなのか色黒で余計に細く見えます。
マット・デイモン演じる“シェルビー”と車の軽量化を話すシーンがありますが、レーサー役のクリスチャン・ベールが無駄な贅肉を付けていたら鑑賞者らが全員一斉に立ち上がって「まずオマエが痩せんか〜い」とツっこみが入りそうです。