おじさま、おばさま世代で「君の名は」と言えば、かの”真知子巻き”を流行させた、 岸惠子さん主演の映画「君の名は」(1953年)かと。あちらのタイトルは「。」が付かないです。現代で同タイトルの映画”君の名は”と言えば新海誠監督の長編アニメーション映画の「君の名は。」を思い浮かべる方が多いでしょうね。
アニメーション映画の「君の名は。」は爆発的ヒットとなり、話題にもなり、テレビ、雑誌などメディアで散々取り上げられたのでご存じの方が殆どだと思います。初公開から随分経ちますが、やっとDVD・Blu-rayが発売されたので、私も随分と遅れましたがレンタル&家キネマで初鑑賞。本編107分で、通常のテレビ比率と同じ16:9のワイドスクリーン、日本語5.1ch DTS-HD Master Audio仕様。
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さすが現代の日本アニメ。映像がキレイ
第一印象としては、まず映像がキレイです。と言っても背景ですが…。絵と写真の”狭間”なイメージです。実際に動くキャラクターなどは普通に現代のアニメ絵なのですが、きちんとリアルな背景とマッチしていてあまり違和感を覚えないのは不思議です。なんか背景ばかり注目してしまいました。
説明が少なすぎて置いてけぼりをくらう
もう”青春”とは何か忘れてしまったからなのか・・・この映画を絶賛支持し、好きな方は好きだと思いますが、私には映画として「普通にキレイな映画」で終わってしまいました。散々話題に上ったアニメなので、過度に期待してしまった…。細かい所にツッコミを入れたくなる事が多く、ツッコミどころもおもしろおかしくしたいわけでは無く、本当の意味で「なんで(やねん)?」です。本来なら107分の時間では入りきらない内容だなぁと。説明くさくなるのもイヤでしょうが、余りにも主役2人の気持ちの変化や記憶、周りの人の動きが「都合よく」動き、覚えて、忘れてストーリーが進んでいくので、見ている私は気持ちが立ち止まって考えてしまい、結果疑問点が残ってしまった。具体的に書くとネタバレする事になるので書きませんが「ええ?そこは誰でも気になるし気づく」って事もあるのですが、そこをスルーされて普通に話が進むと「なんで?」ってなる。さすがに、これでは行間を読むのも無理です。後で知ったことですが、これ監督自らが執筆した原作小説があるのですね。それを読んでいれば理解出来ることが沢山あるのでしょうか。
おじさんはどこで感動して泣いたのか
「これは映画なので」と自分に言い聞かせて見ていたのがちょっと悲しい。この映画は細かい事は気にせず、深く考えない様にして、極めて軽ーーーーく見る方が良かったかも。私が中〜高校生当時のピュアな気持ちを持っていたら、素直に「素敵な話」で感動できたかも知れません。イカンな〜。いつの間にやら擦れた大人になってしまった。細かい事が気になる。
当時、劇場で上映中のさなかにテレビ情報番組で取り上げられた中で、感性豊かな中高生はいいとして、”おじさん”が劇場内で涙を流していたのを見たのですが、アレ…本当でしょうか。余程、心がキレイでピュアなおじさんだったのか、ただのメディア操作か。おじさんに見える中高生だったのか。もしくは、ただただ私がヒネクレ者なのか。いや、あのおじさんには映画の全てを理解した上でピュアな気持ちで感動したことにしておこう。是非自分の中ではそうしておこう。
あ…そう言えば、冒頭に主役の少女が思春期ならではか父にイラつき、恥じるシーンがあるのですが……そこ?
大ヒットの要因は様々
極めて個人的な憶測ですが、確かにヒットの要因は色々あると思います。総じて私は「普通にキレイな映画」と、”普通”と言っちゃいましたが、「つまらん」映画では決してありません。美しい絵に、ストーリー構造はコレまでに何度も見た事あるような「ベタ」で、疑問点は多々残りますが、考えられたストーリー展開です。楽曲もこの映画に合ってると思うし、映画プロモーションも良かったです。プラスして現代のSNS等のクチコミでしょうか。一番活用していると思われる中高生がSNSでこの映画を話題に上げれば、あっという間に拡散され、さほど興味が無かった人も興味を持たされ、人が人を呼ぶ状態になり…大ヒットと呼ばれる観客動員数を記録したのではないかと思えます。かくいう私も結果、”レンタル”ながらも見ました。そして見た結果「つまらない」や「おもしろくない」とまでははならなかったです。
この映画の要?「結び」
そうですね…。このアニメーション映画を私なりに簡単に言葉で表現するなら、「時空を超え、ふたりのカラダを通じて(エロティックの意味ではありません)気持ちも繋がり、惹かれ合う2人の純愛ファンタジー物語。」と表現すれば良いでしょうか。そして劇中は「結び」というキーワードが出てきますが、糸を「結び」、人を「結び」、時を「結び」、そして魂を「結び」と様々な「結び」が表現されているのだなと理解出来ます。そして主役の1人、宮水 三葉(みやみずみつは)が、それこそ糸を「結んで」作る伝統工芸の”組紐”を作るシーンがありますが、その三葉が作ったであろう組紐もこの映画の中で2人の「結び」として役割を果たしています。組紐は現代「良縁を結ぶ」アイテムとして謳われ販売されている物もあります。もちろんこの映画の前からです。
そのあたりに注目して、改めてこの映画を鑑賞すると細かいツッコミどころは”どうでもいい”と思えるのではないかと、自分で書いていて思いました。映画の感想を考えながら書きまとめると、改めて「そういうことかな?」と発見があることに気づかされます。Amazonプライムビデオで無料視聴できるようになったら、改めてもう一度見てみようか。
理解出来ないままでこの映画を一言でいってしまうと
ピュアな気持ちがどこかへ行ってしまった、この擦れきって曲がりくねってしまった私の様な人がこの映画を、理解出来ないまま一言でいい表すなら「壮大なタイトルコール映画」で終わってしまいそう。
でも、色々不明な部分は出てくるかも知れませんが、これだけ話題になったのですから日本の長編アニメーション映画作品として、きっと良い部分が見つかる映画です。私はストーリーに対して感動とまではいきませんでしたが、見る方によっては、きっと純愛って素敵だなと思える映画です。
…多分。
「君の名は。」
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