以前お伝えした、Amazonプライムミュージックを楽しんでいる記事で、AVアンプでDAC(デジタル/アナログ変換回路)を使用せず単純に音声信号増幅だけに特化してもらい、OPPO UDP-203のDACを使用してアナログ出力をする際の補足をしておこうと思う。
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OPPO UDP-203からAVアンプにアナログ接続
その際、OPPO UDP-203の「スピーカー設定」項目の「ダウンミックスモード」を変更しておく必要がある。特に設定を変更していなければ出荷状態では「7.1ch」になっているはずだ。音楽を標準的なステレオで楽しむためにダウンミックスモードを「ステレオ」に変更しておく。これでOPPO UDP-203のDACで処理された全7.1チャンネルの音声信号は2chに集約されて正しくステレオで音楽を楽しむことができる。もし仮に7.1chのままだとフロントチャンネルからは極小さな音になる等、おそらく正しく聞こえない。
紹介のRCAケーブルは特に高級なケーブルでもないがよく使っているオーディオテクニカのRCAケーブル。目玉が飛び出しそうなほどの高級機システムならいざ知らず、私のシステム環境の場合はこの辺りのケーブルでも充分高級なケーブルだ。ケーブルによる音の違いは私にはよく分からないが低音がこもるや高音がギラつくなども感じないので素直に出ていると思う。コネクターも緩くなくしっかり端子に接続でき、ケーブルもほどよく柔らかく取り回しがラク。
ちなみに上位機種のOPPO UDP-205は20万円以上するが、ステレオ・アナログ音声出力とマルチチャンネル・アナログ音声出力にそれぞれ独立したESS Technology社の最新鋭フラッグシップDACチップ「ES9038PRO」を合計2基搭載しており、更にはXLRバランス出力端子を搭載しているので比較すると音の次元が違う。
マルチチャンネル出力でで高音質7.1chのサラウンド再生が可能
さて、ここまでで既に気づいた方もいるだろうが、OPPO UDP-203に最大7.1chのマルチチャンネル出力があるという事は、OPPO本体のDACを利用すれば私が持っているYAMAHAのAVアンプよりは映画のサラウンドを高音質の7.1chで楽しむことができる。7.1ch分の各チャンネル端子を必要本数分のRCAケーブルを使ってAVアンプのマルチチャンネル入力端子に(備わっていれば)それぞれ繋げればいい。ただし、下でも述べるがOPPO本体からはトーンコントロール等は使えない。また私が持っているYAMAHAのAVアンプでもマルチチャンネルからの入力はYAMAHA独自の「シネマDSP」等のサウンドエフェクトが使えずストレート出力になるのが残念。
OPPO UDP-203ダウンミックスモードの設定
話を戻して以下、OPPO UDP-203(おそらく上位機種の205も同じ)ダウンミックスモードの設定方法。
まずはリモコンの“SETUPボタン/スパナマーク”を押す。もしくは、ホーム画面でOPPO UDP-203の設定画面を選択し、ENTERボタンで決定する。
セットアップ(設定)画面で「オーディオ出力設定」を選択し、その中の「スピーカー設定」を選択し、ENTERボタンで決定する。OPPO本体のファームウェアは現在(2018年2月23日)では最新の「UDP20XJP-54-1127」。
「スピーカー設定」画面で“ダウンミックス”の「ステレオ」を選択し、ENTERボタンで決定。その後でも前でも構わないのでカーソルボタンで左(イラスト内)に移動し、フロントスピーカー(FL/FR)を選択してスピーカーサイズを“ラージ”に。もしくは、SW(サブ・ウーファー)を選択して“無し”にする事を忘れずに。
そのままカーソル移動を繰り返してダウンミックスの位置に来たらカーソルボタンの下矢印で終了を選択しENTERボタンで終了。その後、再度リモコンの“SETUPボタン/スパナマーク”を押すか、“RETURN”ボタンでホーム画面に戻り、設定完了。
ダウンミックスで設定したモード(今回の場合は“ステレオ”)はOPPO UDP-203から“アナログ出力する場合”は全て有効で、AmazonプライムミュージックやiPhoneなどを背面のHDMI IN端子に接続された外部入力音声信号はもちろん、CDや音楽DVDなどOPPO UDP-203をメディアプレーヤーとして利用しアナログ出力する場合は有効になる。
ダウンミックスで「ステレオ」に設定をしてもHDMI出力の音声はそのまま
OPPO UDP-203のアナログオーディオ出力端子からは常に入力された音声信号が出力されており、特に音声出力切替えなどの操作をする必要はない。また、OPPO UDP-203のダウンミックスモードで7.1chからステレオ(2ch)に変更したとしても、変更が反映されるのはあくまでアナログ端子からの出力のモードであり、映画を観る際にHDMIから出力されるデジタル出力には影響されず、7.1chや5.1chなどのデジタル音声信号のままなのでとくに都度切り替える必要はない。
内蔵DACチップの性能が今ひとつなAVアンプには特に有効
前回と今回のOPPO UDP-203によるアナログオーディオ出力の方法は、音楽に特化した高性能のDACを使用してオーディオ専用のアンプやプリメインアンプを使用する方が音はいいに決まっているが、私の様にオーディオ専用のアンプを持ち合わせてなく、ピュアダイレクトモードを使ってAVアンプを通常の音楽アンプ代わりに使い、しかもAVアンプの内蔵DACが古い場合や、性能がイマイチなDACの場合にかなり有効な方法だ。
オーディオを楽しむには有効なAVアンプのピュアダイレクトモード
AVアンプ内の他の回路を経由せず不必要な回路を休止させて機器のノイズを抑える“ピュアダイレクトモード”は音が霞や霧から晴れたようにクリアになるので積極的に使いたいが、OPPO UDP-203にもリモコンの電源ボタンのすぐ下に“PURE AUDIO”ボタン(Pと書かれたボタン)があり、同様の効果を期待したが私には違いが分からなかった。まだその違いが分かるほどのオーディオ環境ではないということだろう。もしくは私の耳がアホになったのか。OPPO本体のパネル表示が消灯し、HDMIからのモニター出力も停止されて余計なノイズを抑えるとされている。
映画でもその品質を発揮するのだが…
OPPO UDP-203の高性能DACを利用してAVアンプを通した方がAVアンプのDACを使用するよりは遥かにいい音がする。試しに敢えて映画をアナログ出力の2chのステレオ音声で視聴してみたが当然ダウンミックスされてステレオ音声にはなるものの圧倒的にいい音だった。ただし、当然2chのステレオのため、5.1chのサラウンドのように後方からの音がなくなり、体感として音に包まれる感じにはならないので結局はプラスマイナス・ゼロ。しかし、サラウンド収録ではない映画やミュージカル映画等は敢えてステレオ音声でアナログ出力を使って観たいと思える。
OPPO本体でトーンコントロールはできない
映画の音声や音楽などをアナログオーディオ端子を使って出力した場合、OPPO UDP-203はイコライザー機能を持っていないので低音レベルを上げるなどトーンコントロールができず入力信号をストレートで聴くことになる。音質調整をしたい場合はOPPO本体とアンプの間にイコライザー機器を挟む必要があるのだが…もう、今はお金もコンセントも足らない。
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