先日2018年3月8日にBlu-rayなどのメディア再生やAmazon Fire TVを接続している、ユニバーサルプレーヤーOPPO UDP-203(及び205)のファームウェアが「UDP20XJP-56-0224」にバージョンアップした。バージョンアップをする際はOPPO本機の入力ソースの切替えをしているとファームウェアの更新や自動チェックをしないので、必ず入力ソースを本機のホーム画面が表示される「1.BLU-RAY PLAYER」モードにている状態にしなければならない。入力ソースを「2.HDMI IN」や「3.ARC:HDMI OUT」にしていたりすると更新の自動チェックしてくれなかったり、手動で設定メニューを開き更新しようとしてもメニュー自体がグレーアウトされていて選択ができない。それとアップデート後は一度工場出荷状態にリセットしないと動作が不安定になる場合があるらしいので忘れずに。
内容は以下の通り。(OPPO Digital Japan株式会社より内容抜粋)
1. HDR to SDR変換モードを4種類追加し、変換品質を向上させました。
2. UDP-205でのMQA CD再生をサポートしました。
3. 「ネットワーク設定」下にメディア情報の検索に関する設定項目を追加しました。この設定項目では、メディアファイルのメタデータ検索機能の有効/無効をユーザーが明示的に選択することができます。
4. スローモーション再生でA-Bリピートを行う機能を追加しました。
5. HDMI IN端子から入力された信号についての詳細を表示する機能を追加しました。
6. PCからHDMI信号を入力した際の再生互換性を向上させました。
7. “Blade Runner 2049″を再生した際に正常に再生されないことがある問題を解決しました。
8. 21:9 ARモード利用時にカラーシフトが発生する問題を解決しました。
9. 全般的なUHD BDディスクその他のディスクの再生互換性を向上させました。
OPPOのバージョンアップは年間マメに行われ、修正と進化をしている。バージョンアップ自体は珍しいことでもないので、上記詳しくは、OPPO公式サイトのUDP-20xシリーズ、ソフトウェア・アップデート(https://www.oppodigital.jp/support/software-update/download-bdp-20x/)で確認いただくとして、ここでは私の個人的な使用方法に関することで今回の発見を1つ紹介。
アスペクト比の「フル」モードが修正されていた
「固定式アナモフィックレンズ」を選択していると、リモコンの“ズーム(虫眼鏡)”ボタンを押す度に、「16:9」→「21:9」→「フル」と表示モードが切り替わる。
良い機会なので、切り替えたアスペクト比がそれぞれどのように映るのか、分かり易いよう各モード説明図の下に実際のテレビとアナモフィックレンズを装着したプロジェクターを同時出力して比較している。テレビのフレームも見えるように少し写真のガンマ値を加工して写真全体を明るくしている。そのためプロジェクターからの投影画面はコントラストが下がってみえるが、実際はアイキャッチ画像の様にクッキリと綺麗に見えている。
参考の映像は「トランスフォーマー/最後の騎士王」がちょうどアスペクト比が混合の映画だったので、ビスタサイズ時とシネスコサイズ時で実際にそれそれどう映るのかも比較できると思う。プロジェクターとテレビへの同時出力や、アナモフィックレンズ等については本記事最後の過去関連記事で。
16:9モード
「16:9」モードではプロジェクターでアナモフィックレンズを通してアスペクト比がテレビサイズの16:9になるモード。アナモフィクレンズを通すことを前提としていて、映像は本機から出力される際にタテ方向はそのままで、ヨコ方向にスクイーズ(縮小)されている。そのためにテレビ画面では左右に黒帯が表示される。
シネスコサイズのシーンでは結果として左右と上下に黒帯が表示され画面が小さくみえてしまう。
21:9(≒2.35:1)モード
「21:9」モードではアナモフィックレンズを通してシネスコサイズ投影することを前提にしたモード。Vストレッチ(タテ方向のみ1.33倍伸張)した映像を出力しアナモフィックレンズでヨコ方向に1.33倍されると正しく映像が投影される。元画像が16:9などのビスタサイズの場合はVストレッチにより上下25%ほど映像が画面外に追い出される。なお、字幕に関しては別処理されているので影響されない。(ビデオ・オン・デマンド等で画像に埋め込みされている字幕は切れる可能性がある)
シネスコサイズのシーンではVストレッチにより16:9で観るシネスコ映像特有の上下黒帯を画面外に追い出し黒帯が出ないようになる。これによりアナモフィックレンズを通せばプロジェクターで無駄のない23.5:1のシネスコ投影を実現する。テレビ映像はタテ方向に伸びた映像になる。
フルモード
問題だった「フル」モード。このモードは本来映像ソースをそのまま表示する通常モード(16:9)のはずだったのだろう。私のようにテレビにも同時出力できる環境では、「フル」モードにすればテレビで正しいアスペクト比、16:9の映像が見られるはずだと思っていたのだが…。以前まではおかしな事になっていた。
シネスコサイズのシーンではテレビ視聴と同様に黒帯が入る。写真はバージョンアップした後なのでテレビ(16:9)で正しく表示されている。アナモフィックレンズを使うとヨコ方向に1.33倍されるので当然ヨコ伸びの映像になる。
結局、以前までの「フル」モードは何だったのだろう…
以前まで、何故かヨコ方向にストレッチが掛かっていた。アナモフィックレンズを使ったプロジェクターでは「上下に黒帯が入りヨコ方向にさらに映像が伸びる」というとんでもない映像。テレビにしろ、プロジェクターにしろ、どちらも正しい映像として見ることができなかった。なので特に使うことろもなく、そもそもOPPOの言う「フル」の定義がよく分からなかった。それが今回のファームウェアのバージョンアップからなのか、もしくは1つ前のバージョンアップからなのか、「フル」モードでテレビの表示(16:9)が正しくなった。
余り多くないかもしれないが、私のようなプロジェクターに常時アナモフィックレンズを装着しており、スプリッターでテレビにもOPPO UDP-203の映像を映し出せる環境になっているものにとってこの変更(修正?)はありがたい。OPPO UDP-203に接続しているAmazon Fire TVや、Blu-rayなどディスクメディアの再生にプロジェクターを使わず、HDMIスプリッターやHDMI切替器を使いテレビで手軽に見たいときもある。そんな時は以前ならOPPO UDP-203の設定画面の「ビデオ設定」で「ディスプレイのアスペクト比」を「固定アナモフィックレンズ」から「16:9/オート」に変更しなければならなかった。少々…いや、相当面倒なこの手間がなくなり、ズームボタンだけで問題無く切り替えられるようになったのは嬉しい。
これでやっとテレビとプロジェクター、どちらでも気軽にVODを観ることができる。
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