スチームボーイ,ホームシアター,プロジェクター

スチームボーイ

2004年公開の大友克洋が原案・脚本・監督を務めたアニメ映画作品。大友克洋といえば「童夢」や「AKIRA(アキラ)」で有名だが、同氏の特長ともいえるこだわりのある細かい描写は本作にもそれなりに生きている。漫画「AKIRA」は全巻読んでいるが、当時もの凄い画力でビックリしたのを覚えている。そして映画「AKIRA」(1988年公開)を見て絵はそこそこながらストーリーが端折り過ぎているのを見せられズっこけたのも覚えている。この凄さは漫画を見ないと伝わらない。しかし映画「AKIRA」はそれを差し引いても当時はセルで全て描かれCGなども使っていない(と思う)とやはり凄いのかもしれない。いまだに絶賛する人も多い。

Blu-ray仕様:本編126分 アスペクト比:1.78:1
日本語:5.1 ドルビーサラウンド
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「スチームボーイ」は総制作費用24億円かかったと言われているが興行収入は11.6億円。…12.4億円の赤字。約マイナス12億!全然回収できてない。そのせいでは無いが、日本のアニメ映画ソフトも例に漏れず高い…。普通に3D版映画が買えるではないか。好きな人は買うのかも知れないが、私の様に今やそれほどアニメを見なくなった者にとってこの金額は購入する決心が全くつかない金額なのでVODがあって良かったと実感する。今回Netflixで見つけたので鑑賞した。

「スチームボーイ」あらすじ

舞台は19世紀イギリス。蒸気機関が産業を支配し始めていた時代。そこに科学の進歩と人類の欲望を具現した“驚異の発明”が生み出されようとしていた。

 発明一家のスチム家に生まれた少年レイは、ある日、祖父ロイドから謎の金属ボールを託される。その瞬間から、レイは恐るべき陰謀と冒険に巻き込まれていくのだった。この金属の球体こそ、空前絶後のエネルギーを持つ驚異の発明=スチームボールであった。この大発明は「幸せをもたらす奇跡」なのか、それとも「悪魔の発明」なのか……。 スチームボールを狙う強大な組織の執拗な追撃、科学に対する理想の違いから反目しあうレイの父エディと祖父ロイドの葛藤、そしてレイの前に現れた大富豪の令嬢スカーレット。様々な人物が交錯し、物語は未曾有のラストに向って加速していく!

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声優には主人公のレイを鈴木杏ほか、小西真奈美、中村嘉葎雄、津嘉山正種、児玉清、沢村一樹、斉藤暁、寺島進などが担当。この映画、作画やストーリー以前に、声に対する先入観無く観たかったのでまず声優陣を知らないまま視聴した。しかし初っぱなからレイのおじいちゃんにあたるロイドの声を担当した中村嘉葎雄(後調べで判明)が下手すぎて観る気を一気に削がれた。他の声にも賛否両論あるようだが、私にとって他はそれほど違和感はない。それなりにキチンと役を演じているように感じる。唯一、ロバート・スチーブンスン役の児玉清は調べなくても、ロバートが「アタックチャ〜ンス」と言わなくても(そんなセリフは無い)すぐに分かったくらい。

とにかく中村嘉葎雄が酷い。棒読みの上、滑舌も悪い。ちゃんと喋れていないではないか。完全に舌がもつれている。まるで酔っ払いが喋っているようだ。“おじいちゃん”役だからNGとしなかったのだろか。それとも中村嘉葎雄だからNGと言えなかったのか。

問題のロイド(声:中村嘉葎雄)と主人公のレイ。スタッフ誰も「ろれつが回っていない」とツッコまなかったのか。

大友克洋といえば、どうしても「AKIRA」と比較されてしまうのか

大友克洋が監督するということで「AKIRA」を絶賛する人はどうしてもそのイメージで期待をしてしまうのか、後で調べると結構酷評が多いことに気づく。私と同じように中村嘉葎雄に対する酷評もそうだがストーリー的にも今ひとつの評価も多い。確かにストーリー的には中途半端な気がする。

勧善懲悪というほど分かり易い世界でもない上、結局誰が悪いとかでもない話なのだ。皆それぞれの想いがあって行動していて主人公もどっちつかずになってしまい、結果観ている方も最後まで何だったのかとの思いが残る。その辺が評価の分かれ目になっているような気がする。世界観が好きな人は高評価、ストーリーに重きを置く人は中評価、声優を気にする人は低評価。そんな評価の別れ方。また、もともと大友克洋が好きな人は内容がどうであれ高評価。映画「AKIRA」を絶賛している人が期待して観ると結果ガッカリ評価。

スカーレット(声:小西真奈美)とレイ(声:鈴木杏)。声優に関しては中村嘉葎雄以外は私は普通に違和感が無かったが…。

薄い内容に濃い描写

本作「スチームボーイ」は確かに話の内容は薄くキャラも薄い。パンチ力を持ったインパクトのあるキャラクターがいない。誰も引き立たないので余り良い評価に繋がらなかったのかも知れない。しかし言い換えればそれだけクセがなく、殺伐としていないアニメなので子供から大人まで誰もが楽しめる映画とも言える。そして描写力も相変わらずの健在で割と細かに描かれている。CGも使われているが手描きのセルと上手く融合させ、最終的にデジタル処理されているので違和感がない。スチームパンクなメカ等、世界観や描写はどれもくすぐる要素が詰まっている。

「AKIRA」の様に超能力の世界でもないし、目的もよく分からないが、それなりに面白い。

個人的に好きになれない大友克洋が描くキャラクター

映画として面白いか面白くないかはキャラクターの顔とは無関係。と、前置きしておいて…。完全に個人的な好みの問題なのだが、大友克洋が描く主役クラスの人物の顔の特長が「AKIRA」の頃から変わらず、総じて「ひねた顔」に見えどうも好きになれない。画力は凄くあると思うのだが、人物描写は漫画やアニメになるとどうしてもその人の特長が出るので仕方が無い。まだアニメ作画は描き手が違うので特長が少し薄らぐ。“ひねた顔”に見えるのは顔のパーツが顔面の特徴的な“団子っ鼻”に向かって全て寄っているからか。あべし!!

アニメになると人物の顔は比較的マシというか、割と普通。

 


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現在「スチームボーイ」はNetflixのみでラインアップされており、AmazonビデオやU-NEXTでは有料無料に関わらず視聴することができない。そこで散々「AKIRA」と言っておいて知らない人には何のことだかと思うので、今回は漫画版「AKIEA」をここでは紹介しておく。大友克洋の画力を一般コミックスサイズでは伝わらないと思ったのか、大判コミックなので週刊誌並みの大きさがある。確かに一般コミックサイズでは細かい所が潰れそうだ。全6巻。「AKIRA」を知らない世代の人は、漫画「GANTZ(ガンツ)」の世界観が好きなら映画の方はさておき、漫画の世界観は好きかも知れない。キャラクターの好みで読んでいる人は「GANTZ」のように奥浩哉が描くスタイル抜群の美男美女が登場するわけではないので全く受け入れられないかも。
 


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