ドリーム,ホームシアター,プロジェクター,映画

ドリーム(原題:Hidden Figures)

2016年公開のセオドア・メルフィ(Theodore Melfi)監督による伝記映画。伝記映画なのでもちろん実話を元に作られているが、そこは映画なので誇張している部分や、演出で成り行きの前後を替えて美談にされていたり、コミカルに描かれている部分もある。そこを細かく考えず、映画として素直に見るととても感動する映画になっている。時代背景は1961年のアメリカ南東部バージニア州、NASAのラングレー研究所でコンピュータが導入される前の計算手として働いていた黒人女性3人を描いた実話を基にしたサクセスストーリー。当時の人種差別を色濃く残している映画。伝記を映画にする時点でオチは大体分かる。

Blu-ray仕様:本編126分 アスペクト比:2.35:1
英語:7.1ch DTS-HDマスター・オーディオ (ロスレス) 日本語:5.1ch DTSデジタル・サラウンド
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今回はU-NEXTでポイント(432 P)視聴。新作もポイントで視聴できるU-NEXTは有り難いが…相変わらずテレビ画面用(16:9)に左右がカットされてアスペクト比が変更されている。そしていまだに2.0ch(PCM)配信。手軽にサラウンド再生可能なサウンドバー(シアターバー)がこれだけ普及しても頑なにステレオ再生で配信されている。画面アスペクト比に関して日本の家庭で観る映画環境はテレビモニター(16:9)が圧倒的に多いので仕方ないのだろうか。せめてアスペクト比はユーザーに選ばせてもらいたい。

「ドリーム」あらすじ

1961年、アメリカはソ連との熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた。NASAのラングレー研究所には、ロケットの打ち上げに欠かせない“計算”を行う優秀な黒人女性たちのグループがあった。そのひとり、天才的な数学者キャサリンは宇宙特別研究本部のメンバーに配属されるが、そこは白人男性ばかりの職場で劣悪な環境だった。仲の良い同僚で、管理職への昇進を願うドロシー、エンジニアを目指すメアリーも、理不尽な障害にキャリアアップを阻まれていた。それでも仕事と家庭を両立させ夢を追い続けた3人は、国家的な一大プロジェクトに貢献するため自らの手で新たな扉を開いていくのだった……。

TM and © 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
© Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

(Janelle Monáe)、ケビン・コスナー(Kevin Costner)、キルスティン・ダンスト(Kirsten Caroline Dunst)、ジム・パーソンズ(Jim Parsons)、マハーシャラ・アリ(Mahershala Ali)、グレン・パウエル(Glen Thomas Powell Jr.)など。

ケビン・コスナーを久しぶりにスクリーンでみた。もう60歳を過ぎているのだな。そしてキルスティン・ダンストは相変わらず何故か存在感のある女優。

警官を除いて左から、ドロシー(オクタヴィア・スペンサー)、キャサリン(タラジ・P・ヘンソン)、メアリー(ジャネール・モネイ)

映画「ドリーム」は良作映画

実話を基に作られている映画なだけにリアリティがあり、時代背景も楽しめる。実際は職場としての人種差別をNASAは1958年(映画の話の3年前)に撤廃しているようだが、そこは映画として人種差別を色濃く残した職場として制作し、この映画の時点をきっかけに撤廃しているかのように描いている。そこはフィクションだが、そなんなやり取りがあってこそ主演となっている黒人女性3人(キャサリン、ドロシー、メアリー)が奮闘する姿が引き立ち、この映画に心を動かされる。音楽もいい。オチは大体分かって観ているにもかかわらず、それでも応援したくなるし観ている方まで幸せを感じる。こういう映画はダメだ…自然に嬉し涙が出る(歳のせい)。

白人男性に混ざり軌道力学の計算を行うメンバーに抜擢されるが…。

原題の「Hidden Figures(ヒドゥン・フィギュアズ)」。あれ?邦題変わった?

公開当時の邦題は「ドリーム/私達のアポロ計画」だっと思ったが今は「ドリーム」だけとなり、「私達のアポロ計画」というサブタイトルがどこかへ行ってしまった。確かに無理矢理こじつければ「私達のアポロ計画」というサブタイトルがついた邦題でも通せたのだろうが、この映画は「アポロ計画」前に当たる1958年〜1963年のアメリカ初の有人宇宙飛行計画「マーキュリー計画」なので「アポロ計画」ではない。一応、劇中では後のアポロ計画を思わせるセリフがあるにはあるし、実際にキャサリン(2018年現在100歳!)はアポロ計画にも(後のスペースシャトルにも)貢献している。だからといって幼少期から有人飛行計画までを描いた本作に「私達のアポロ計画」という邦題は時代が飛びすぎている。

白人に黒塗りにされた計算結果を見ても検算できるなんて天才すぎる。このシーンでは透かしちゃってるけど。

そもそも邦題の付け方が安易過ぎるのだ。個人的には原題の「Hidden Figures(ヒドゥン・フィギュアズ)」そのままでも今の時代なら大丈夫だろと思うのだが…。Hidden(ヒドゥン)は複数の、「隠れた」「隠された」など、目に見えないもの意味を表し、Figures(フィギュアズ)はハッキリとした形や図形・形状、同時に判断や計算、頭角(目立つ姿)などの意味を表す単語。この映画では表舞台は白人(主に男性)が出て、黒人女性による計算・検算はあくまでも影の(隠れた)存在。表舞台に出ることはない。

キャサリンの見つめる先には…


コーヒーポットすら使わせない黒人差別がある職場環境。「COLORED」は当時のアメリカでは主に黒人またはその血筋を指す。

キャサリンが計算した計画書も名前を入れさせてもらえない。しかも初めは極秘計画として黒塗りに隠された計算式を渡されて検算(計算チェック)しろと言われる始末。「無き存在」、「隠された計算式」、「頭角を消される」等さまざまな「Figures(形)」が「Hidden(隠される)」という行動や言動が映画にちりばめられている。挙げ句の果てにはキャサリン本人も理由があって時々職場から消える。それが邦題では「ドリーム」というたった安易な一言に。しかも劇中では主演3人とも夢(ドリーム)を描いている訳ではない。3人にとっては先を見据えた生活のためであり現実問題として職場環境の改善、国への貢献として真っ向から勝負している。しかも黒人女性3人で「ドリーム」って…どうしてもビヨンセが主演を務めた映画「ドリームガールズ」がまず頭に浮かんでしまう。この映画も複数の黒人女性達を描いた映画なのでそのまま「ドリームガールズ」でも使えるではないか。

コンピュータ(IBM)が入らないコンピュータ室。…適当だな。


 


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自分が好きで観ておきながら言うのもなんだが、普段ドカン!ドカン!ドーン!とお腹に重低音が鳴り響く映画を観てしまうことが多いので、こういうドラマ映画をたまに観るとホッとする。苦労は描くが劇中では誰も不幸にならない幸せな映画。えげつない描写もなく暴力もエロもない。子供からお年寄りまで安心して観ることができる良作映画なので、ご家族で是非。舞台がNASAの宇宙計画という少し人を選びそうな題材だが、あくまでもメインは女性3人のサクセスストーリーなので小難しくはなく、差別にも負けず奮闘する女性を中心に描いたドラマ作品。

「ドリーム」はVODのAmazonビデオで有料レンタル(399円)、U-NEXTでは432ポイントで視聴可能。NETFLIXは未登録。(2018年12月17日時点)

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