ViewSonicから2019年12月19日に発売される 「X10-4K」 LED光源2400ルーメンの 4K UHD プロジェクター。
小型のプロジェクターでカジュアル向けだが、HDR10にも対応し、独自のCinema SuperColor+テクノロジーにより、Rec.709の色域を125%カバーする、既存の据え置き型にも引けを取らないプロジェクターのようだ。価格はオープンだが、市場価格は16万円前後とみられるらしい。
DLP方式プロジェクターのLED光源で2000ルーメン以上、色域Rec.709をカバーし(DCI P3カバー率は不明)、3Dにも対応するので私の次期プロジェクター購入条件にもかなり近いモノがあるが、ズーム機能がなく(設置距離で画面サイズ調整)、1.77メートルでアスペクト比16:9の100インチなので我が家の場合の130インチでは投射距離が2.3メートルになってしまい、残念ながら投影距離が近すぎて購入条件から外れてしまう。
しかし、ここにきてやっとこれくらいの価格帯でLED光源2000ルーメン以上のホームシアター向けDLPプロジェクターが登場し始めた最近の嬉しいニュースだった。
メーカーの公表スペックは下記の通り。
投写方式 | DLP 0.47型DMD 4K-UHD |
解像度 | 4K UHD (3840×2160) |
明るさ | 2400 LEDルーメン |
コントラスト比 | 3000000:1 |
色再現性 | 10億7000万色 |
光源 | RGBB LED |
投写レンズ | F=1.8, f=8.5mm |
オフセット | 100% +/-5% |
画面サイズ | 30型 – 200型 |
台形補正 | +/- 40° (垂直) |
光学ズーム | 固定 |
騒音レベル | 標準 30dB / Silence 26dB |
対応解像度 | VGA(640 x 480) to 4K(3840 x 2160) |
走査周波数(水平) | 30K – 97KHz |
走査周波数(垂直) | 24 – 85Hz |
ストレージ容量 | 16GB (12GB 利用可能) |
「LEDルーメンって何?」と思ったが、ただ「2400ルーメン(LED光源による)」と言いたいのだろう。ちなみに光源寿命は標準モードで約30,000時間となっている。外形寸法は、幅261 mm x 高さ271 mm x 奥行166 mmとかなりコンパクト。
自動ピント調整(オートフォーカス機能)や、タテ方向のみだが自動台形補正(オートキーストーン)も備え、4コアのプロセッサと2GBのメモリー搭載、16GBのストレージも内蔵しているので動画配信もスムーズに視聴できる。Harman Kardonブランドのスピーカー(8W)を2台搭載しておりBluetooth接続も対応。これまでのプロジェクターの中ではかなり専門性や設置の煩わしさを排除しているようにみえる。個人的にはそこまで必要ないものもあるが、結構色々と盛り込んでいて16万前後の価格は魅力的にみえる。
基本的にポンと置いて映画や動画配信を楽しむプロジェクターのようで、ここ最近はテレビの大型化により、本格的な設置を必要とせずカジュアルな使用ができるプロジェクターも注目を集めてきているが、ある程度の暗室が必要なことや、ポンと置くとしても映像を正しく視聴するには投影面に対しての正面設置が必要なことや、機種によっては台形補正やピント調整をして投影画面を最適な状態に合わせないといけない等、「カジュアル」と呼ぶには実のところまだまだハードルが高い。この辺りの機種を販売するにあたってのターゲット層が個人的には少しよく解らない所もあるが、これまでの据え置き型の大きなプロジェクターを処分してそれに換わり小型化を図りたいならメーカーは少なくとも投射距離や設置の柔軟性を考慮しなければならないだろう。
本気で「カジュアル」を目指すなら暗室づくりはユーザーに期待せず、今よりもさらに高輝度な出力が可能な光源と、設置性を柔軟に対応させるためのズーム機能やレンズシフト、タテ方向だけでなくヨコ方向の台形補正機能も備えなければならない一方で、価格は一般的なテレビ程度に抑えなければならないというメーカーにとってはかなり厳しい条件になってくる。仮に需要が高まると各部品原価が下がり価格もある程度抑えることができる可能性もあるが、そうなるほど需要が高まるとも思えないのでそれも期待できない。
まだまだ道のりは長そうだが、今後のプロジェクター市場に期待できる良い商品が発売された。
ViewSonic公式サイト
https://www.viewsonic.com/jp/products/projectors/
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