ラ・ラ・ランド,ホームシアター,映画,感想

ラ・ラ・ランド(原題:La La Land)

2016年に公開のデミアン・チャゼル(Damien Sayre Chazelle)脚本・監督でライアン・ゴズリング(Ryan Thomas Gosling)とエマ・ストーン(Emily Jean “Emma” Stone)が主演を務めるアメリカ映画。ミュージカル・ラブロマンスなのでミュージカルが好きで無い方は敬遠する映画だろう。セリフを喋っていると思うと突然歌い出すパターンのヤツ。
子どもの頃タイトルは忘れたがミュージカル映画を見た時、知らずに普通に映画と思っていたら急に役者が歌い踊り出したので「歌うんかい!」とメッチャ笑った覚えがある。

ラ・ラ・ランド コレクターズ・エディション
(2枚組) [Blu-ray]

Blu-ray仕様:本編128分、2.55:1(16:9スコープサイズ)
英語:ドルビーアトモス ドルビーTrueHD 日本語:5.1ch ドルビーTrueHD

前評判やあらすじは目にしながらも、Blu-rayを手に入れるまでは内容を見ないように注意してこれまで過ごし、やっとBlu-rayを購入したので「家キネマ」で鑑賞した。とにかく映像がしっとりとしていて、それでいて濃厚で鮮やか。美しくカラフルな上、音楽も素晴らしく私が好きなジャズも映画内容として絡む。本作オープニングでは普通に始まるかと思いきや、やはりミュージカルなので盛大に歌い踊り始める。しかしそのスケール感に唖然&圧巻。

「ラ・ラ・ランド」あらすじ

夢を叶えたい人々が集まる街、ロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミアは女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられる。彼の名はセブ(セバスチャン)、いつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分演奏したいと願っていた。やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合う。しかし、セブが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめる……。

「ラ・ラ・ランド」公式サイトより引用 Copyright © GAGA Corporation.

あらすじは極めて、ホント極めて「普通」。何のヒネりもない。もう幾度となくこの手のストーリーは聞いた覚えがあるくらい。これをカラフルで美しい映像とミュージカルに仕立て、楽しめる映画として成り立たせている。映画ジャンルも知らず、文庫本の裏表紙のごとくあらすじだけを読んでいたら、主演者をよほど好きでも無い限り恐らく見なかった映画だ。だからと言って私はライアン・ゴズリングもエマ・ストーンも特別好きなわけでもない。敢えていうならあの「セッション原題:Whiplash)」を作ったデミアン・チャゼル監督だったことくらいか。

「ラ・ラ・ランド」に対する世間の評価

この「ラ・ラ・ランド」は元々前評判がよほど良かったのか、目にするだけで無くよく耳にもした。それもそのはず、各アワードに必ずと言っていいほどノミネート&受賞している。第74回ゴールデン・グローブ賞ではノミネートされた7部門すべてを獲得し、第70回英国アカデミー賞では11部門でノミネートを受け、6部門を受賞。第89回アカデミー賞では14ノミネート(13部門)を受け、監督賞、主演女優賞、撮影賞、作曲賞、歌曲賞、美術賞の6部門を受賞と、これまたドえらい賞賛だ。しかし、私個人としてはこれを全くといって良いほど評価として捉えていない。個人の感想や、個人の好みなんて人それぞれだと思うからだ。実際、賞を獲得した映画を見ても個人的には好きではなかったりもした。万人受け、もっと言えば専門家が評価したものであり、天邪鬼な発想かも知れないが、これを正とするのも私にとっては違う気がする。否定はしないが同調もしない。「多くの人が賞賛した映画という事実」ただそれだけだ。自分にとって楽しい、面白い映画は自分が見て判断し自分で決める。と、散々言っておきながら、ちゃっかりと見てしまう。この手の宣伝効果に抗えない自分がいる。デミアン・チャゼルが脚本・監督を務め、これだけ賞賛を浴びるのは一体どんな映画なのだろうと思ってしまい、まんまと見てしまう。

映像がとにかくしっとりと濃厚な上、カラフルで美しい

見出し通りの一言で終わる。他にあまり言いようがない。映像の色の演出に凄く気を遣っている印象がある。背景と衣裳の関係が類似色(色相のグラデーション)系だったり補色(反対色)系だったりする。夜景の空の色も普通にカメラで捉えた色ではなく、まるで色を着けたような濃厚で鮮やかな色合いに見える。ミアの衣裳を背景の色とは補色に近い色で登場させて目を惹くようにしているのが分かる。ミアがオーディションを受けるシーンでも、洋服の色と背景の色が補色関係となり鮮やかに映す。「補色」とは反対色とも言い、「色相環」を表した時に正反対に位置する色の2色関係を言う。例えばポスターやジャケット(夕暮れの夜景を背景に2人が踊っている)にも使われている「青紫」の空に対してミアが着ている衣裳は「黄色」。この関係は色相環の正反対に位置する色関係だ。だからミアの衣裳は特に目を惹くようになる。

参考までに分かり易く色相環を作ってみたが、色合いに関しては表示するディスプレイにもよる上、適当に作ったので正確では無いことをご了承いただきたい。

【色相環】

サウンドの仕様がドルビーアトモスだった

購入したBlu-rayソフトのジャケット裏を見ると収録されているサウンドの仕様がドルビーアトモスになっていることを知った。我が家ではドルビーアトモスの環境がまだ構築されていないのが残念。ドルビーアトモスとはごく簡単に説明すると天上に設置したスピーカーからプロセッサーによって必要な音が割り当てられて鳴るシステムのことを言う。視聴者にとってサラウンドがグルリと水平に360度から音が聞こえるリング(円)状とすれば、ドルビーアトモスは頭上も含めたドーム状にイメージすると分かり易いだろうか。ホームシアターならAVアンプが映画ソフトに入っている上からの音信号を割り振り天上スピーカーから鳴らす。例えば上空を飛行機やヘリコプターが飛ぶと天上スピーカーから音が鳴り、あたかも頭上を飛んで行くような臨場感を作り出す。詳しくはドルビーラボラトリーズの公式HP(https://www.dolby.com/jp/ja/brands/dolby-atmos.html)を参照いただければ良いかと。

映画に含まれる音響を是非完璧な環境で聴いてみたいが、この映画に関しては音場再現としてアトモス仕様になっているものの頭上を飛行機やヘリコプターが飛び交うわけではないので、アトモスが必須なほど派手な演出はないと思われる。素晴らしい歌や音楽をじっくり聞きたいのなら音だけに関して言えば、サウンドトラックをオーディオで聞いた方が雲泥の差で良いはず。

ラ・ラ・ランドのサウンドトラックはインポートになるがアナログの「レコード」でも発売されているのは流石。レコードを聴ける環境にある方ならCDよりは断然レコードだろう。
紹介の画像はサントラのレコード版ジャケット。それぞれスコア版とオリジナルサウンドトラック版、上の画像はスコア版なので歌は入って無い。曲にアレンジが入っていて劇中のジャズ感あるサウンドが楽しめる。
歌が入っているオリジナルサウンドトラック版は下の画像。映画そのままを音楽で反芻するならこちら。勿論、共にCD版やダウンロード版もある。


LA LA LAND (ORIGINAL MOTION PICTURE SCORE) [2LP] [Analog]

Ost: La La Land [12 inch Analog]

2.55:1シネマスコープ&フィルム撮影で濃密な画作り

この映画はオープニングにもロゴが登場する2.55:1のシネマスコープでフィルム撮影されている。2.55:1は多く見る2.35:1よりも更に横に長くなる。プロジェクターに映し出すと結果横幅は決まってしまうので僅かながらも天地が更に狭くなる。監督は古いハリウッド映画からインスピレーションを得て、古き良きハリウッドのミュージカル映画の流れとして作りたいという想いから敢えてシネマスコープでフィルム撮影しているらしい。撮影に関して言えばスウェーデンの撮影監督リヌス・サンドグレン(Linus Sandgren)が担当している。サンドグレンはコダックの35mmフィルム(日中撮影:Kodak VISION3 250D カラーネガフィルム5207、室内・夕暮れ・夜間:Kodak VISION3 500T カラーネガフィルム5219)で撮影。アナモルフィックレンズもパナビジョン社による特注品らしい。上記にも例に出したポスターやジャケットの空の濃い青紫色。あれはカメラを趣味にしている方はご存じだと思うが、わざわざ「マジックアワー」と呼ばれる日没の時間帯を狙って撮影されている。しかも「マジックアワー」の時間は極限られていて30分もしたらすっかり空の色味が変わってしまう。もう現代ではデジタル映像に毒されているので「加工でしょ」と思うかも知れないがあれは本物の色なのだ。かく言う私も見終わった直後はデジタル加工だと思っていた。後で知ってから改めて感動した。感動の時間差攻撃である。確かに時間帯や照明によってフィルムは微妙な色合いを捕らえ映し出す。それを狙った映像作りだ。デジタル撮影ではなく全編フィルム撮影をしているからこそ、あの独特のしっとり感と濃厚で色鮮やかな映像の美しさが出せるのだろう。

 


Amazonプライムビデオで観る

ラ・ラ・ランド(字幕版)

 


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