2018年の2月より発売されているBenQの4K HDR対応プロジェクター「HT2550」。発売以来ずっと気になっている。何と言っても4Kプロジェクターにして16〜18万円という市場価格。これはかなり魅力的な価格だ。3Dにも対応している。
2018年4月にJVCより「LX-UH1」という4Kプロジェクターが30万円前後の市場価格で5月下旬に発売予定がある。価格がBenQよりも高いうえ、3Dに対応していない。私としてはホームシアター用途としてプロジェクターを考えるので、3Dに対応していないのは候補から外れてしまう。ただJVCの映像描写はハイエンド機でかなり評価が高いので映りに関してはBenQよりも質は高いだろうと予想する。
表示方式はシングルDLP方式
BenQの4K HDR対応プロジェクター「HT2550」の映像投影方式は0.47インチのシングルDMDチップを使った「DLP方式」。劇場でも使われている方式だが家庭用とは使用するチップの大きさも数も違う。簡単にいうと劇場は1.3インチ(最近では0.67インチ)のDMDチップを3つ使用し、光の3原色(RGB)を各1色づつ担う。対して家庭用は1つのチップで3原色(RGB)を担うことになるのでカラーホイールという色つき(RGBRGB)の円盤を超高速回転させて透過させ色を掛け合わせる。こんな芸当ができるのもDLPの高速なスイッチング反応ならではなのだが、人によってはカラーブレーキングという色の残像が見える場合がある。私は気にならなかった(見ようと思っても見えなかった)が、購入を検討するなら一度は必ずショップで試聴した方がいいだろう。4Kもネイティブではなく描画の高速スイッチングによる、いわゆる「疑似4K」表示だが価格的に考えてもネイティブ4Kを表示できるDMDチップなど搭載できるはずはない。
ちなみに、普及率の高いミドルクラスのモデルに多く採用されているのが3枚の透過型液晶パネルを使った「3LCD方式」。私が現在使用しているEPSONのEH-TW6600もこの3LCD方式だ。もうひとつの方式がハイエンド機に多い、反射型液晶パネルを用いた「LCOS方式」と呼ばれるもの。透過型液晶パネルよりもドットが目立たず、なおかつネイティブコントラストが高い。
価格的に魅力はあるがセッティングにやや難あり
HT2550の輝度は2200ルーメンあるので、リビングで少々の明るさがあっても視聴には十分な明るさがあるものの、コントラスト比は10000:1なので最近のホームシアター用プロジェクターとしては、やや甘い気もするがある程度の暗室であれば問題ないレベルのはず。運転音が標準モードで33dBなので目の前に本機を置いての視聴は音が気になるレベルなので後方に離して置く方がよさそうだ。
1.2倍のズームレンズで投影距離が約3.25mあれば100型で表示が可能だ。台形補正は縦自動±40°あるが、横方向の台形補正はできない。また、レンズシフト機能はないので投影する位置はしっかりとセンターに持ってくる必要がある。このことからセッティングに少々手間取ることになるが、このあたりはこの価格ならではかも知れない。4K HDRプロジェクターの普及価格となるBenQ HT2550はセッティングに問題無ければかなり魅力的に見える。
4K HDRに手が届く範囲にあるプロジェクター
現状のプロジェクター(EH-TW6600)でも映画を観るだけなので概ね満足はしている。ハイエンド機の2Kプロジェクターとスペックを比較すれば当然見劣りしてしまうが映画を観ているときはそんなこと忘れて映画を楽しんでいる。しかし4K HDRと比較となれば話は別。最近4K UHDのパッケージが増えてきた映画ソフト。3D版を入手するために、4K環境もないのにやむを得ず“抱き合わせ”で買わされることも多い。物理的なディスクメディアを持つ以上は無駄にできないし、いずれは4Kプロジェクターで鑑賞したいとも思う。このBenQ HT2550はセッティングの面さえクリアすればホームシアター用の4K HDRプロジェクターとしての合格ラインは問題無くクリアしているだろう。設置場所を固定するなら一度セッティングしてしまえば、次からはデメリットになっているセンター合わせも必要なくなる。
今までは4Kプロジェクターは高価なハイエンド機だったので、それが手に届く範囲にきていることは素直に喜ばしいことだ。3Dにも対応し、現在市販されている普及型4Kテレビと値段的には変わらないが画面サイズがまるで違う。100インチ以上の4Kテレビがあったとしても私が買える値段ではないはず。そしてなによりも邪魔だ。
ここに来てやっと4K HDRプロジェクターにお手頃価格の機種が登場し始めた。BenQのHT2550を機に今後各社が手頃な4Kプロジェクターを発売するかも知れない。ユーザーにとっては嬉しいが、表示能力は4Kを満たしてもハイエンド機ほどの性能を持っていないことは明か。お財布事情と相談して性能面でどこを妥協するか検討する必要がある。
最近は3D版の抱き合わせで買わされた4K UHD版ディスクが数枚手元にあるため、4K HDRの表示ができるプロジェクターやテレビにやたら目がいく…。先にAVアンプのアップグレードをしたいのだが、ホームシアター用の貯金ができたらついうっかりポチりそうで怖い。
〈BenQのホームページ〉 http://www.benq.co.jp/
音声専用HDMIの件、音楽専用だろうし、画像と分けるとかどうすりゃいいのかわからんと諦めていたのですが、ウチキネマー様の返信を読んで、はたと気がつきました。
音声専用HDMIはAVアンプに、画像専用はアンプを経由せず直接プロジェクターにつなげば良いんですよね?
おもちゃのようなTVチューナーもつなげているけど、TVなんてほとんど観ないし、これでさらに音質アップならこっちの接続方式を採用します。
土曜日が楽しみ~!! ありがとうございました!
取り急ぎ、御礼とご報告まで。
>音声専用HDMIはAVアンプに、画像専用はアンプを経由せず直接プロジェクターにつなげば良いんですよね?
接続の件、おっしゃる通りです。映像の信号と混ざらないので聴き比べると私の場合は音質は太くクリアに向上しました。
お試しください〜。
土曜日が待ちきれずに、金曜の夜にコードのつなぎ替え作業をやってしまいました(笑)。
HDMI一本の時の音を覚え切れていなかったので、新機種に交換したことと合わせて4点気がついたことを。
・音が太くなって、ズシンとくるようになった。(当然、単に低音が増えたのとは違う)
・音の輪郭が感じられる(これは高音が良くなったということか? そういえばスパイダーバースの中で、ウェブシューターでメイおばさんちのチャイムを鳴らす糸の飛ぶ効果音がさらに明瞭になった気がする)
・今まで聞き取れなかった英語のセリフがいくつか聞き取れるようになった(私めのリスニング能力が上達した。と、そんなわけはなく、中音が良くなった)
・音場がさらに広がった気がする(これがホント不思議)
上位機種に変え、ウチキネマー様から頂いたアドバイスのおかげで、うちにある各種ディスクをとっかえひっかえして楽しく観ることができています。ありがとうございました。
そういえば、UHD BDプレーヤーになったことで、以前シェアした
https://thedigitaltheater.com/dolby-trailers/
のドルビーシネマサンプル動画も楽しめるようになり、感動しています。遠い先ですが、これがHT2550mになったらどうなるんだろう?
次の週末も楽しみです。では、また!
音質狙い通り向上したようでなによりです!音声専用のHDMIからA/Vアンプに接続すると、総合的に音質が向上するし明らかに中高域の音の明瞭度が増すのですよね。そのため定位感も向上します。輪郭がはっきりしたというのはこの辺りが要因かと。
私もプレーヤーのOPPO UDP-203を購入した当初はメインHDMI出力からA/Vアンプにつないでいました。プレーヤー本体背面のコネクタに「SOUND ONLY」と書かれたHDMI出力端子が気になって「これはどういう意味やろ?」と改めて説明書読んだら、音質が向上するという眉唾ものの一文があったので試しにつなぎ替えたら「ホンマや!」という結果に。うめ吉さんと概ね同じような感想でした。音全体の明瞭度が上がってモヤモヤっとした音がスッキリする方向に変わりますよね。
HDMIケーブルの中の配線がどうなって映像信号と音声信号になっているのか、またコネクタのピンアサインなど詳しくは知らないのですが、HDMIケーブルに映像信号は流さず、音声専用として丸ごと一本使い伝送していると考えると「そりゃ音良くなるわな」ですよね。メインHDMI出力の場合はケーブル内にある複数の導線の中から数本使って音声信号を流すのか、映像信号に混ぜて伝送しA/Vアンプ側で切り分けて音声信号流すのかは分かりませんが、いずれにしても音声専用HDMI出力では映像信号とは完全に別れるのでノイズも乗りにくく(中高音が良くなったと感じたのは多分このノイズ減少です)、信号のエラーも少なくなるのが要因かも知れません。
「ズシン」とした低音は結果として中音がしっかりしたからかもしれません。低音は元から低ーい「ン〜」という音なので輪郭は感じにくく、中域の音がはっきりすることにより「ズシン」の「ズ」の部分が聴こえることにより太くしっかりした音になるのだと思います(あくまでも文字で表現するとですが)。それを踏まえて最近話題にした「バーレスク」の「Show Me How You Burlesque」を改めてもう一度聴いてみてください。カッコいいドラムのタム回し(中低域音)の音がきっとこれまでと変わってよりカッコよく聴こえると思います。
4つ目の「音場が広がった気がする」というのは私も何故なのか理由は見つからないのですが、気持ちであってもそれはそれで良かったです。
先々導入予定のHT2550Mが楽しみですね!
毎年7月は、我が家の家キネマ、バージョンアップの時期です。
今年は遂に念願のUHD BDプレーヤーを購入できました。
sonyのUBP-X800M2です。これまでのは3Dが観られるBDプレーヤーエントリー機だったので、その大きさと重さに期待が高まりました。
一番期待していた音質ですが、私のクソ耳でも向上がわかりました。
そしてもちろん、画質もクリアに。
こけら落としにはUHD BD「ナチュラル」を。
これ、若かりし頃に見ているんだけど音声がアトモスに変わったのに期待して購入しました。
人間ドラマなのでアトモスのメリットはわかりにくいのですが、あのシーンとか、あのシーンで期待して鑑賞、
初見の母親は見事に音で2,3回飛び上がりました。
要所要所でアトモスが効き、感動を高める良い映画だと思います。
スマホなどの小さな画面とスピーカーで見たら全く感動しないと思います。
野球のシーンなんかは昔が舞台で、昔の映画なので迫力はないのですが、映像も要所要所で泣かせてくれます。
音楽も実に良いです。これを久々に聞きたくてUHD BDを買ったというのもあります。
ウチキネマー様のご指摘の通り、映像と音楽含めた音だけでも泣ける好例だと思います(他にもいいところあるけれど)
ストーリーも初見ではないことも有り、先は読める展開なのに、歳を取ってみるとテーマにまたぐっと感じ入る物があり、ラストはやっぱり涙してしまいました。
UHD BDもこのような古い映画のように3,000円程度なら出せるんだけど、正直5,000円以上だときつい。
次もこの程度の金額のUHD「スーパーマン」(クリストファー・リーブ)、「フィールドオブドリームス」を購入予定です。
さて、来年の機器バージョンアップはいよいよ高額4Kプロジェクターで、この記事のHT550を狙っています。
3Dが観れて、値段が手頃な4Kで、いい機種ですよね。もちろん、3550が欲しいけど。
12万程度なのでもしかすると2,3年後になるかもしれませんが、仕事がんばります。
はんだづけ、頑張ってくださいね。いい夏休みをお過ごしください。
7月はうめ吉さんの“家キネマ”強化月間だったのですね。
おぉ!UHDプレーヤーいきましたか!いいですね!4K UHD環境構築への第一歩ですね。 4K UHD再生機種があって4K UHDソフトもあったら絶対に4K UHD表示したくなりますもんね。オーディオ用にメインHDMI出力と別で音声専用のHDMI出力があるのもいいですね。映像と一緒に伝送されるメインHDMI出力を使うより音質は向上しますから、私も音声出力のHDMI出力は分けています。
BenQ HT2550は4K UHDプロジェクターのエントリー機種としては値段もお手頃ですし個人手には3D表示可能なプロジェクターとして良いと思います。個人的に DLP推しなので特にそう思っちゃってることろが無きにしもあらずです(笑)。現在はいつの間にかHT2550”M”にアップデートされていますね。Rec.709も100%カバーしているようです。前機種の2550は96%程でしたらから色域表現は向上しているはずです。ANSIルーメンが2200から2000に落とされていますが、これが色域表現の向上とのトレードオフになっているようです。なので暗室環境は必須ですね。あとは大きく変わっていないので映画を見るならこのエントリーモデルで十分幸せになれると思います。
こけら落としに「ナチュラル」ですか、いいですね〜。ロバート・レッドフォードの懐かしい映画ですね。私はロバート・レッドフォードというと「スティング」になっちゃいます。
昔の映画って今よりもずっと感傷的ですが映画だからこそ、そこがまたいいのですよねぇ。今よりもなぜか「あぁ、映画観たなぁ」という気持ちになるのはなぜでしょう。そして分かっていても泣いてしまうのはわかるぅ〜。歳です(笑)。色々と人と接して蓄積された経験からくるものがあるのですよね。母上様が飛び上がってしまわれたシーンは、なんとなく…あのシーンとかあのシーンかなぁ(笑)
ハンダ付け!ご経験ありますか!?ドライバーのように回すだけで誰でも使えるわけではないので、普段使いできるよう反復練習するのみなんですよね…頑張ります。ブログはちょっとオジサンの「はじめてのおつかい」的になっちゃいますね。