Blu-ray仕様:本編96分、2.35:1
英語:5.1ch DTS-HD マスター・オーディオ、日本語:5.1ch ドルビーデジタル
商品詳細を見る ▶
短い。あっという間に終わる。もう少し観たいと思ってしまう映画だが、間延びせずこれくらいが丁度いいのかもしれない。3人の主演ベテラン俳優陣の1人、モーガン・フリーマンが好きなので観たかった映画だった。先にも述べたようにPG12指定なので、両手放しで誰もが観られる映画ではないが、映画らしい映画。PG12の理由は「銀行強盗」と「マリファナ」を映すのが理由と思われる。暴力的や残虐なシーンのある映画ではない。
Contents
「ジーサンズ はじめての強盗」あらすじ
突然の年金打ち切りで40年以上も真面目に働いた会社から見放された挙句、問題だらけの住宅ローン、高齢による身体の不調と……トラブルばかりで、一寸先は闇状態のジーサンたち、ウィリー、ジョー、アル。
愛する家族や仲間と幸せに余生を過ごしたい、デザートには甘いパイくらい食べたい、そんなささやかな生活を叶えるために、ジョーはウィリーとアルに「俺たちの年金を取り戻そう!」と銀行強盗を持ちかける。3人は、はじめて真面目な生き方を捨て、全てを失うかもしれない人生最大の勝負に挑むが──。
© 2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
1979年の「お達者コメディ/シルバー・ギャング」のリメイク版らしいが劇場未公開の映画で今はDVDで観ることができる(輸入DVD日本語未対応)。内容は少し違うようだが「じいさん3人」と「銀行強盗」という題材が同じ。本作でもそんなジーサン達が切実な想いと怒りを胸に銀行強盗を実行する。
主演はモーガン・フリーマン(Morgan Freeman)、マイケル・ケイン(Michael Caine)、アラン・アーキン(Alan Arkin)の3人が務め、その他ジョーイ・キング(Joey Lynn King)、マット・ディロン(Matt Dillon)、アン=マーグレット(Ann-Margret Olsson)、クリストファー・ロイド(Christopher Lloyd)、ケナン・トンプソン(Kenan Thompson)、シオバン・ファロン(Siobhan Fallon)、ジョン・オーティス(John Ortiz)、ピーター・セラフィノウィッツ(Peter Szymon Serafinowicz)などが出演。
クリストファー・ロイドの出演に驚いた。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の博士、「ドク」役の俳優だ。当たり前だが凄いじーさんになっていた。実年齢を確認するとなるほど2018年で80歳。もう映画内で“ボケ”が演技なのかどうなのかも怪しく見えてくる(演技のはず)。
Going in Styleの意味
どうでもいいが、邦題の「ジーサンズ はじめての強盗」ってタイトル。何故こうなった? 安物クサイ映画タイトルだ。「はじめてのおつかい」みたいにテレビ番組のタイトルではあるまいし、そんな安っぽいタイトルを付けないでもらいたい。原題そのままに「ゴーイング・イン・スタイル」(堂々と行こう。[in Style:立派に、堂々と])でいいのでは?と個人的には思う。
抜群の安定感。3人の大ベテラン俳優陣
モーガン・フリーマン、マイケル・ケイン、アラン・アーキンの大ベテラン俳優陣3人が主役のこの映画。さすが安定感は抜群だ。もちろん3人とも実際に歳を重ねているので、そのまま素の状態を見ているようで面白い。他の映画の出演時にはビシッと決めているのであまり老いぼれたジーサン達には見えないが、今回はタイトル通り「ジーサン」として演技をするので、演技をしているせいなのか、ただの素のままなのかちゃんとジーサンらしいジーサンに見えてくる。
本当にさりげない動きなのだが、そのちょっとした動きがジーサンに見える。他の映画出演の時はそういう動きがないからやはり演技の巧(うま)さなのだろう。アラン・アーキンの小走りっぷりが本当にそれっぽくて笑ってしまった。あれ演技での小走りならすごいなぁ。
どうしても紳士的に見えてしまうマイケル・ケイン
ジーサンの1人、銀行強盗を持ちかけるジョー役のマイケル・ケイン。「バットマン ビギンズ」、「ダークナイト」、「ダークナイト ライジング」で執事のアルフレッド役なのが印象にあり、紳士的に見えてしまう。この映画でもどこか品良く見えるがそれは、この映画においてプラスに働いている様にも感じる。
マイケル・ケインなら感情的になるのではなく、銀行に対して静かにふつふつとした怒りを感じさせるのは返って根が深く感じ、仲間に銀行強盗を持ちかけ、冷静に揺るぎなく実行する役としてはピッタリかもしれない。これがモーガン・フリーマンなら感情的な行動にみえそうで仲間からも止められそうだ。
この映画のポイントになる年金制度と動機
この映画ではジョーが銀行へ行き、銀行員からきちんと説明を受けていない住宅ローンの優遇期間終わり、返済額が3倍になって高くて払えないという所から始まる。それに追い打ちをかけるように40年以上働いた会社から年金の打ち切りをされることに。ジョーが住宅ローンを払えないでいると州から債務不履行通知が届いてしまう。「債務不履行通知」は州から「このままだと(映画では猶予は30日)フォークロージャー(差し押さえ)を実行します」という通知だ。
アメリカの年金は日本の制度と少し違う。アメリカでは退職後、公的年金“だけ”ではなく企業年金などの「職域年金」、個人で準備した「個人年金」や「貯蓄」の“3本足のイス”(と例えられる)で老後の生活をするのが一般的。日本のように年金を全て国が国民から集めて配分し、支えるものではない(今は随分危ないが…)。ジョーのように同居者がいれば、多少支えてもらうことも。それでも、40年以上も頑張って働いていた企業年金である「職域年金」が打ち切られることは大ダメージなのだ。足を1本失った“3本足のイス”は立たなくなるので死活問題。公的年金だけではローンは返せない。その上、返済額が3倍になっている。
しかも、働いていた会社(ウェクスラー社)は債務を年金と資産でまかなうと新聞に掲載される。そして、ジョーが年金を預け、更に住宅ローンを組んでおり、他の2人も年金を預け入れていた銀行、「ウィリアムズバーグ銀行」が年金基金を精算しウェクスラー社の負債を減らすとまで。要するに住宅ローンで苦しめる銀行が更に自分達の年金までも結果的に吸い取ってしまう事態に。それがこの映画での銀行強盗を計画する動機だ。
40年以上、会社のためにも頑張って働いたあげく企業年金まで吸い取られる、そんな生きるか死ぬかギリギリの生活より「デザートにパイを楽しむくらい」(ささやかな贅沢くらい)は俺たち(ジーサン)の価値はあると言いたいのだろう。日本の年金制度は今の国の体勢では危険だ。人口減少と共に働く人口が減っている。国も年金を上手く運営できていない。このままだと少なくとも自分が月々支払っている年金分も自分には返って来ない事が予想できる。リタイア後に100歳までも多分生きられないし、生きるつもりはないが、自分の老後積立の方がよほど国より信頼できる。ホームシアター貯金とは別で頑張らなければ。
(2018年5月16日時点)でレンタル版となるAmazonビデオに登録されている。U-NEXTは登録されていない。NETFLIXでは現在無料視聴できる。
Amazonプライムビデオを観るならスマホよりも、やはりFire TVが使いやすい。自宅にWi-Fi環境さえあればテレビに繋ぎ、後は画面指示に従うだけで簡単にセットアップは完了する。音声認識でも検索できて、NEWモデルのFire TVは4K HDRやドルビーアトモスにも対応している(Stickは未対応)。U-NEXTやNETFLIX、huluやDAZNをインストールすればこのデバイスで観ることができる。
この記事へのコメントはありません。