ホームシアター,プロジェクター,打ち込み角,オフセット

プロジェクターの打ち込み角って何?

普通に考えればプロジェクターはレンズが向いている方向へ真っ直ぐ映像を投影すると思ってしまうが、プロジェクターの中には設置性を考慮し予め正面より少し上向きに投影角度(仰角)が設けられているプロジェクターがある。その投影角度を「打ち込み角」という。変な例えだが人間で言うと顔は正面を向けながら視線だけ少し上を見ているようなイメージのプロジェクター。

プロジェクターを常設していない会議室などで必要時にテーブルに置き、社内プレゼンや会議で使いやすいためビジネスモデルに多かったのだが、家庭でもより気軽にプロジェクターで鑑賞できるようリビングのテーブル上にプロジェクターを置いて投影できるようにするためホームユースでも多くなった。

リビング・テーブル(ローテーブルやカフェ・テーブル)から正面に投影するのではプロジェクターの位置が低すぎるため、予め「打ち込み角」を上向きに設定している。打ち込み角が予め設定されているので、プロジェクター本体を傾ける必要がないため、レンズシフトと同様に映像を歪ませることなく(垂直方向の台形補正をすることなく)映像を映し出すことができる。その角度は機種によって様々。レンズの中心から投影画像の中心を水平に見たときにゼロ度なら「打ち込み角ゼロ度」という事だ。

プロジェクターの打ち込み角がゼロの状態。テーブルなどに置くと投影面が低すぎる場合もある

打ち込み角の計算

「で?結局、打ち込み角は何度なの?」という疑問も出てくるかも知れないので一応計算式を示すが…三角関数を使って計算することになる。関数電卓があれば計算できるが、ユーザーがこの角度を知ったところで結局は映像が打ち出される方向の目安でしかならないので、あまりスペック表には記載されることが少ないのだろう。

打ち込み角の計算は一応できるが…関数電卓がいる

メーカーのスペック表では打ち込み角よりも投影サイズ(インチ)による「オフセット値」の表として明記してある場合が多い。レンズ中心を水平ラインとして何センチ上に画面底辺が投影されるかを表している。

打ち込み角が設けられているプロジェクターはその設定された角度で歪まず真っ直ぐ投影できるように設計されている。また、レンズシフト機能がなかったり、あっても左右はなく、上下だけ僅かにレンズシフトできる程度のものが多い。

プロジェクターのレンズシフトがあると設置性が向上する

プロジェクターのスペック表に記載されているレンズシフト率はメーカーによって±n%だったり、単純にn%だったりするので注意が必要だ。例えば、-30%〜+30%までで範囲としては60%だったり、範囲そのものが30%だったり(その場合は-15%〜+15%)、もしくは片側だけに30%シフトする場合もある。レンズシフト機能があるからと購入したら実は自分の思っていた方向にはシフトできず、思っていた場所に設置できないという事態に陥る。

常設を考えるならインストールが不便

打ち込み角があるプロジェクターを常設するにあたり、天吊り(逆さ吊り)は問題ないが、棚の上部に通常に置いている場合(私もクローゼット上段に設置)は、打ち込み角の関係上映像がほぼ天井に向かって投影してしまうことになるうえ、天井にも正しく映像は映らない。この場合は打ち込み角を踏まえて天吊り時と同様にプロジェクターを天地逆さまに置き、映像を180度回転させる必要がある。

上の棚などに通常設置すると映像のほとんどが天井に投影されることになる。

もともと打ち込み角に合わせた投影になっているため、無理に(お辞儀するように)プロジェクターを傾けると台形補正を大きく使う(映像の劣化が起こる)事になる。台形補正は最小限に留めるのがセオリーなのだが、角度によっては台形補正でも補正しきれない状態になる。素直に逆さまに設置する方がいい。

これではスクリーンを傾けて投影していることに等しい。映像も大きく台形に歪む。

多くのプロジェクターは天吊り時の映像モード(180度回転)があるので映像は問題にならないと思うが、棚にプロジェクターを逆さまに置くとなると水平を調整するアジャスターもなく、スイッチやダイヤル関係がプロジェクター本体天面にある場合、非常に初期設置がしづらくなることを頭に入れておきたい。

上部の棚に置くには本体を天地逆さまにするしかない。

ただ、一度設置(位置合わせやズーム、ピント合わせ)をしてしまえば後はリモコンで大体のことはできるので、設置後に本体に触れることはほとんどなくなるが、やはり打ち込み角があるプロジェクターは設置場所が制限されるため天吊り以外の常設にはあまり向いていないとも言える。

プロジェクターの使い方により便利でもあり不便でもある

打ち込み角のあるプロジェクターは購入したプロジェクターにとって高さのちょうどいいテーブルや天井設置(逆さ吊り)の場合、レンズシフトをほぼ使うことなく設置出来るが、レンズシフト機能がないプロジェクターの場合は逆にその打ち込み角に合わせた設置位置(設置高さと正面位置)にしなければならないことになる。大きな白壁の「大体この辺り」とした投影面に余裕があり、使う時にテーブルなどに置いて映画等を楽しむには気軽で使いやすいが、予めスクリーン位置が決まっていて常設を考えているユーザーに取っては、ピンポイントで「ここ」という合わせ方は反って設置しにくく、なおかつ設置場所が限られるという反面を持つ。

 


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