2021年2月24日にBenQ HT3550のファームウェアがバージョン1.0.6になった。公開から1週間以上経ち、問題なさそうなので今回ダウンロードし、アップデートを実行。ちょくちょくファームウェアがアップデートされるのはありがたい事だが、もう少しじっくりと精査してから出しては?とも思う。
BenQのファームウェアアップデートに関してはトラブルが多い。海外での事だが、最悪の場合はまともに起動しなくなり、有償修理に出さなければならなくなっていた。「え!?ファームウェアのアップデートで故障したら有償修理?」と思うかも知れないが、個人でのファームウェアアップデートは自己責任となっていて基本的にはBenQのサービスセンターに送ってファームウェアをアップデートするべきだったのだろう。いずれにしても有償には違いなかった。
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BenQ HT3550 ファームウェアアップデートは日本での正式リリースは1.0.5から
これまでもBenQはファームウェアアップデートを公開してきたが(全て海外のBenQサイトのみ)、私は日本でBenQ Japanから公式リリースがされていないので当初からバージョンアップしておらずBenQさんからご提供いただいた時の1.0.0のまま。なぜなら一言でいえば「怖いから」で、ファームウェアはプロジェクター本体のソフトウェア基幹部分を書き換えるという理由から。日本国内と海外では型番が違うので日本仕様と海外仕様ではおそらくシステム内容で何かが違うとみている。海外でファームウェアが公開されたからといってそれをダウンロードしてアップデートする気にはならない。型番以外に何が違うのかは分からないが、分からないから尚更ファームウェアのアップデートは慎重にしなければならない。
前回のバージョン1.0.5からやっと日本サイト(BenQ Japan)でもダウンロード出来るように公開された。今も尚自己責任になっているのかサイトを確認してもそれが見当たらなくなっている。もしかしたらBenQ Japanから正式に公開されたファームウェアでのトラブルは保証対象に含まれるようになったのだろうか(未確認)。これまでのトラブルを知っていると日本国内の正式リリースでさえ躊躇してしまう。
BenQ HT3550のこれまでにあった問題点
普段視聴に大きな問題が無ければ無理にファームウェアをアップデートする必要はないと思う。これまで私も大した問題はなく映画を鑑賞していた。「大した」と書いたのは少しはあったからだが、毎回必ず発生するわけではなく「こうすれば必ず起こる」というのがなく、再現が難しいのでこれまでブログにはアップしていない(発売当初にBenQ Jpanには症状を報告済み)。問題というのはHDRモードでたまに画面を左右2分割して明るさが変わるという症状。HDRのON/OFFのタイミングによってたまに起きる現象だったのだが、症状が起きてもリモコンの[HDR]ボタンを一度押せば直ってしまうのであまり気にしていなかった。以前はEPSON機でも熱暴走があり電源を入れ直しても起動しなくなったので修理に出したことがある。個人的には民生機って基本デリケートな製品が多いと思っているので回避できる不具合はあまり気にしていない。やはり業務用は質実剛健で仮に多少過酷な状態でもトラブルは少なく様々なリスクヘッジがシステム上で出来ている。…冷却ファンの音メッチャうるさいけど。
ファームウェアのアップデートは自己責任?
今回ファームウェアバージョン1.0.6がBenQ Japanより正式にリリースされたので、改めてファームウェアバージョンアップの方法を説明していこうと思うが、トラブルがあった際は自己責任の可能性もあるのでバージョンアップは慎重に願いたい。尚、ファームウェアのアップデートはPCが必要になる。スマホやタブレットでも、ファイルをダウンロードしてRAR圧縮ファイルの解凍、USBメモリに転送することが可能ならそれでも構わないが私はPCで行っているので詳しくは分からない。
ファームウェアバージョン1.0.6の内容
今回のファームウェアでの修正内容は…
・4K HDR/HDR10コンテンツ再生中のハーフスクリーンを改善
・その他のバグ修正と安定性の向上
という内容が英語表記で書かれている。「〜再生中のハーフスクリーンを改善」はおそらく先に記述した画面左右2分割で色味や明るさが違う事があるという症状が改善されていることを言っているような気がするのだがどうなのだろう。ハーフスクリーン=画面半分とも解釈できるので期待しているが果たして…。「その他バグ修正〜」というのは、他にも普段は気づかないシステムのバグが潜んでいたのだろう…一体何があったのか大雑把な表現で不安になる。
ファームウェアアップデートをするために用意するもの
ファームウェアをバージョンアップする際に準備するものは下記の3つ。
●BenQ Japanの公式サイトからファームウェア1.0.6をダウンロード入手。
(ファイル名:HT3550_Firmware & Notice_V1.0.6_Others.rar)
〈BenQ Japan公式〉 http://www.benq.co.jp/
●RAR形式の圧縮ファイルを解凍するソフト。
●FATフォーマット済みの500Mbyte以上の空きがあるUSBメモリ。
(exFATやNTFSフォーマットはNG。FAT32フォーマットは多分大丈夫だろうがやってないので分からない)
BenQ HT3550 ファームウェアアップデートの方法
ファームウェアのバージョンアップ方法は以下の手順で完了する。
1. BenQ Japanの公式サイトよりプロジェクター製品カテゴリーのHT3550のページ内にある「サポート」をクリック。
BenQ Japan公式 HT3550製品ページhttps://www.benq.com/ja-jp/projector/cineprime-home-cinema/ht3550.html
(※上記アドレスは製品ページへの直リンクになっているので、後のページ編成等でリンク切れになっている可能性がある。その場合はトップページ、http://www.benq.co.jp/より。)
2. ページが切り替わったら「ソフトウェア」をクリック。
3. ファームウェアのバージョンを確認し、「ダウンロード」をクリック。
4. ダウンロードした、圧縮ファイル「HT3550_Firmware & Notice_V1.0.6_Others.rar」を解凍。
5. 解凍したらフォルダ内に2つファイルが存在するのでその中に「update_signed.zip」があることを確認する。
もう1つのファイル「Change notice_v1.0.6.txt」はテキストファイルで今回のファームウェアに関する修正内容が記載されている。
6. 先ほど解凍した時のファイルの1つ「update_signed.zip」のみFATフォーマット済みのUSBメモリのルートディレクトリ(最上階層ディレクトリ)にコピー、もしくは移動。
USBメモリに格納するためのフォルダを新規に作らずそのままコピーもしくは移動する。
7. ファームウェアを入れたUSBメモリをTH3550本体背面のUSB3.0コネクタ「USB 3.0 MEDIA READER」へ接続。
8. HT3550のメニューを開き、「システム設定:詳細」タブの「ファームウェアのアップグレード」を選択しアップデートを実行。
アップデートを実行する時はプロジェクターに映像信号が入力されていない状態にした方がよいのでプロジェクターに接続しているHDMIケーブルを抜いておくか、他の機器は電源を落としておく。映像信号が入力されたままだとアップデートに失敗する。
直後にUSBメモリからファームウェアが読み込まれアップデートが実行されるのだが、この後に何も映らない画面(黒)がしばらく続く。進行状況も分からないので不安になるが気長に待とう。無事にファームウェアアップデートが実行されるとBenQのロゴが表示された後に進捗状況が表示される。ここで上手くアップデートできなかったらエラーメッセージが表示される。エラーメッセージの内容が分からなければ素直にサポートセンターに連絡しよう。
9. HT3550が再起動したら再度メニューを開いて「情報」タブの「ファームウェアバージョン」の項目が「1.0.6」になっている事を確認。
これで無事にHT3550のファームウェアが1.0.6になる。カラーマネジメントを含むピクチャー設定等、設定内容は変更されないが、中にはアップデートされて初期設定になるものもあるようなので各設定をチェックして必要に応じて変更。私の場合、「システム設定:詳細」の「HDMI設定」が「RGB全範囲」になって本来画面で黒になる部分が青色に表示され、まるでネガフィルムのような状態になり一瞬マジで焦った。
設定を「YUV全範囲」にして解決。ハッキリ覚えていないが以前は「自動」と「フル」と「制限」の3択しか無かったような気がするのだが…。多分ここの設定を以前は「フル」に設定したからバージョンアップの際項目が増えたため「RGB全範囲」に設定が充てられたのだと思う。以前から「自動」にしている人は私のような状態には多分ならない。
このファームウェアアップデートで僅かだが以前よりファンの音が心もち大きくなったように感じるのは気のせいだろうか(回転数が上がった?)。ファームウェアアップデート後、他の不具合も今の所ないので特にこのファームウェアアップデートによる不具合はないだろう。ちなみに前回のバージョン1.0.5から背面HDMI-1コネクタがARC(Audio-Return-Channel)対応になっている。
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