先週の、私はハンダ付けをしたことがないという告白から工具を一式揃えた後に、練習用教材を探していた。いきなり難しいことにチャレンジして挫折するのも嫌だが、ただ適当な基板にひたすらハンダ付けするのもブログ的な面白みに欠ける。まず何から手をつけるべきか…悩みながら探していたら、私レベルでも何とかなりそうな練習教材を見つけた。
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イーケイジャパンの「エレキット はんだ付け入門シリーズ」
ハンダ付け練習用のキットは色々あるようだが、「家キネマ。」というA/V関連のブログでただのセンサーや小さなLEDライトを練習教材として作るのは、どうも違うような気がして…そうこう探しているとピッタリな教材が見つかった。
株式会社イーケイジャパンから販売されている、ドライバーやハンダゴテ(ハンダ付け)使ってアクティブスピーカーを作ることができる電子工作キット。しかも本体基板とは別に私のようなハンダ付け超初心者向けにわざわざ練習用の基板も付いている。
このキットは対象年齢10才以上となっている。私の年齢がちょうど10才とウン百ヶ月たったばかりなのでピッタリ。
株式会社イーケイジャパン/https://www.elekit.co.jp/
電子工作キット「アクティブスピーカ」
エレキット「はんだ付け入門シリーズ」は色々なものが販売されているので、その中から「アクティブスピーカ」を選んだ。“スピーカー”ではなく“スピーカ” ……ちょと気になる。
箱から取り出すと、基板とスピーカーユニットや電池ボックス、各種必要な電子部品が入っている。プレーヤーを接続するためのステレオミニプラグ付きのケーブルも入っているのだが、パッケージ裏面をよく見るとミニプラグ付きのケーブルだけ“付属品”あつかい。確かにそうかもしれないけど、ここまでバラバラだともはやどこまでが付属品で、どこからがパーツあつかいなのか…。
練習用基板が付いているのはありがたい
アクティブスピーカーの心臓部となる本体基板とは別に練習用基板が付いているので、まずはそちらでハンダ付けの練習をやってみる。全くの初心者がいきなり本体の基板に向かうのは流石に躊躇する。丁寧なハンダ付けの解説をした「はんだ付けトラの巻」という簡易の小冊子が付いているので、それを読んでみる。多分、セミナー受講や教本ほどではないと思うが理屈も説明しているので分かりやすい。一通り読んで、ハンダ付け練習基板へのハンダ付け。
2箇所だけ電子部品を取り付ける練習もあるが、まずはただ基板の銅箔部分にハンダを盛るだけ。上手く盛れるようになるまでひたすら練習。練習基板を作業マットに直接置いてハンダ付け練習をしてもいいのだが、私の場合は今後必ずケーブルとプラグのハンダ付けなどでヘルパーを使い少し浮かせて作業を行うことになるため、始めからヘルパーを使った練習にした。
初めてのハンダゴテ。初めてのハンダ付け
ハンダゴテの温度は使用するハンダの融点からプラス50℃程が目安らしい。使用したハンダの融点が183〜190℃だったのでハンダゴテの温度調整機能を使い250℃程にして作業開始。
うわっ…ハンダってコテに当てると瞬間的に液状になるから力の入れ加減が微妙なんだな。付ける箇所に対してハンダの適量が掴めてないから、ハンダ糸の送り出しが難しいわ…。
あと、1でハンダゴテを銅箔に当てて銅箔を熱して、2でハンダゴテと銅箔の接触面辺りにハンダを付けて、3でハンダを銅箔と部品に馴染ませ、4で先にハンダを離して、5でハンダゴテを離すという一連の動作。
4と5を間違えて先にコテを離してしまうと溶かしたハンダがすぐに硬化して送り出したハンダ糸とくっ付いた状態で固まる。こうなると、もう一度ハンダゴテを当てハンダ溶かして離すということになる。一連の動作とリズムを身体に覚えさせないと…。
一通り練習基板を埋めたら、ハンダ吸取線での吸い取り練習もしておこうかな。全部のハンダを吸い取ったらまたハンダ付けの練習。この繰り返しで身体にリズムと動きを覚えさせる。
ハンダ吸取線を使うとき長めに出して手に持たないと、熱伝導で吸取線を持っている指が熱くなる。吸い取れなくなったら吸取線をズラしていくのだが、つい持つ指の近くまでハンダゴテを持ってきてしまう。火傷しそうになるので気をつけなければ…。吸い取ったらハンダゴテと同時に離さないと吸取線に吸い取ったハンダが冷えて固まり、吸取線と基板が接合されてしまう。
ハンダを付けては、吸い取って…。ハンダを付けては、吸い取って…。ハンダは綺麗に吸い取るけどフラックスが残って基板がどんどん汚くなる。成分が松ヤニなのでベタつく。アルコールで拭いたら基板が白っぽくなった…これって何で拭き取ればいいのだろう…。
次回、「アクティブスピーカ」本体の組み立てレビュー。
今回のハンダ付け練習で使用した工具類の紹介
普段からは馴染みのない工具を初めて購入するときは安心の日本製(白光社製)。セラミックヒーター式でニクロムヒーター式より、設定温度に達するスピードが早い。コテ先はB型(ペンシル型)のT18-Bが付いている。他と比べて少し高価だが軽くて初心者の私でも扱いやすい。
初心者の私が実際に使ってみてC型はB型より使いやすかった。細い「T18-C2」と、それより1段太い「T8-C3」の2種類購入していたが、今回はC2で十分対応できた。円錐形の先端を斜めにカットしたような形状をしている。カットされた平な面がハンダを接触させやすく溶かし込みやすい。
熱くなったハンダゴテは机に直接置けないので作業中にコテを置く「コテ台」。少し大きめなので場所を取るが、グラつくことなくしっかりとハンダを保持してくれる。クリーナーはスポンジと金タワシがあるけど、いずれも別売があるので後からでも交換できる。
鉛フリーハンダは融点が高いようなので、初心者はまず鉛入りを使った方が扱いやすいのかもしれない。慣れてきたら環境を考慮して鉛フリーに替えようかな。
ハンダ付けに失敗してもこれがあれば安心。使い方は、吸い取りたいハンダの上に吸取線を乗せて、その上からハンダゴテを当てると熱でハンダが溶けると同時に吸取線にハンダが吸着されていく。吸着したらハンダゴテと“同時に”離さないと基板側に吸取線がくっつくぞ。
作業マット シリコン製 耐熱500℃ ハンダ作業、電子機器の分解修理に最適 [350 x 250mm] (磁気付き・グレー)
ハンダが溶け落ちてもテーブルを焦がさず守ってくれる。トレー部分にはビスがコロコロと転がらない程度で、意図的に少し傾けたら転がるくらい弱い磁気がある。マット自体がシリコン製なので静電気を帯びやすい。精密機器のICとかメモリーとかをこの上で作業しても大丈夫だとは思うが、不安ならまず静電気除去した方が良さそう。
ケーブルの先端や細いコネクター程度なら挟んで持ってくれるヘルパー。手元を拡大して見ることができる3倍ルーペ付き。アクリルレンズなのでガラスほどクリアではないが、作業をする分には全く問題なし。保持するクリップにはシリコンゴムが付いているのでケーブルなどを挟んでもクリップの跡が付きにくい配慮は嬉しい。
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