前回紹介した通り、キットの練習用基板を使った繰り返しの練習で少しハンダ付けのコツを掴んだ気がするので、いよいよアクティブスピーカー…違った、“スピーカ”の制作に取り掛かる。もし電子部品を破損してしまっても各部品ごとにオンラインで販売されているので安心だ。
よっしゃ!いくぞ!
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電子工作キットはプラモデルのキットとはちょっと違うんだね
組立説明書はわかりすく漢字に読み方のルビまで打たれている(さすが対象年齢10才以上)。しかし、スピーカーと電池ボックス以外の電子部品に関してはプラモデルのように取り付ける順番に各電子部品がコールアウトで基板のどこにつけるのか図解では書いてない。
番号が振られている囲み枠ごとに内容物確認用と同様、電子部品のイラストと基板上にプリントされている記号と番号が書かれてあり、最後に基板の完成図がある。見出しには「順番通りに組み立てて、はんだ付けが終わったら〜・・・」と書かれている。
おぅ、そうかそう来るか。各電子部品を取り付ける順番ごとに電子部品のイラストが書かれているだけなんだな。各電子部品をどこに付けるかは基板上に記号が書かれているので、説明書の記号と照らし合わせてハンダ付けしていけと。確認は基板完成図を見ろと。
説明書に書かれている通りクソ真面目に取り組む
各電子部品同士の取り付ける間隔が広いから、好きなように付けやすい部品からハンダ付けしていけばいいようにも思うが、それは多分オッサンあるあるだ。最後まで説明を聴かずに経験則だけで先走って失敗するパターン。初心者はそんな高等なことをしてはいけない。真面目に説明書に書かれた順番通りに各電子部品をハンダで取り付けて、完成図を見て間違っていないか確認していく。
ハンダ付けをするときにハンダ糸を出し過ぎ、長いまま持ってハンダゴテに当てようとする先端が微妙にプルプルして定まらない。震えるなよ…止まってくれ!と思ってもハンダ付けの箇所をピンポイントで狙えば狙うほど逆に止まらない。狙うのやめたら止まるんだよね…。横着せずに適当な長さに持ち替えて、付ける時は息を止めて作業。短すぎるとハンダを送り出すときにハンダゴテで火傷しそうになり怖い。
全てのハンダ付けが終われば基板部分は完成。後は付属のスピーカーユニットと電池ボックスを取り付ければアクティブスピーカーの全ての工程が完了となる。
初めての電子工作「アクティブスピーカ」の完成!
全ての電子部品のハンダ付けができた!ハンダ付けに必死になりすぎて途中経過を撮影忘れてしまった…(スマセン)。と、いう訳で、いきなり電池ボックスの取り付け以外ほぼ完成状態の写真が下。
序盤から中盤にかけては順調にいってたのに…終盤の電池ボックスからのケーブルを取り付ける際、ハンダを盛りすぎて隣接する銅箔までハンダがいってしまった。吸取線で取り除いたので銅箔が剥がれた箇所が1箇所。完璧に作ろうと思ったのに…意図せずハンダ吸取線でのリカバリーも実践。
途中で気づいたが、これは確かに説明書の順番(番号)通りにハンダ付けをしたほうがいいみたいだ。クソ真面目に順番通りにしたから分かる。終盤になるほど徐々にハンダ付けが難しくなってくる。流石に初心者向けキットとしてよく考えられてる。
最後のスピーカーケーブルと電池ボックスからのケーブル、共にハンダ付けする箇所は他よりハンダの量も多く、予めハンダメッキ(予備ハンダと同意?)をしておくという、ちょっとしたテクニックも必要になるので一見簡単そうに見えるがここが意外に難しかった(結果的にハンダを盛りすぎた)。
パッケージには工作時間の目安として「2時間」と書かれている。制作手順自体は特に迷うことはなかったけど、なんだかんだで結局3時間近くもかかったよ…。
新調したテスターでハンダが不必要な部分に接触したり、隣り合わせのハンダとくっつくなどブリッジ(ショート)していないか導通チェックしておいた。導通を音で知らせてくれるので、基板だけ見て次々チェックができるこのテスターは便利。
テスターでは特に問題は見つからなかった。良かった。さっそく電池(単3電池×3本)を入れ、iPhoneはステレオミニジャックがないのでiPadを接続して音出しをしてみる。全ての部品が正しくハンダ付けができていれば無事に音が出るはずだ。Spotifyを立ち上げて再生ボタンをポチっとな!ウリャ!
でたっ!1発OKやん!やるやんオレ!
おぉ!なんかスゲー達成感!嬉しさで心が満たされる!
音質?うん、普通に良くない。
キットに含まれる値段なりのスピーカーユニットで50mm/8オーム/0.5Wのユニット。低音も出ないし、高音も全く伸びない。ボリュームを上げると簡単に音割れする。普通に小型のモノラルラジオに付いているくらいのスピーカーなので、人の声を聴くことをメインとしたようなユニットではないだろうか。アプリ「radiko」でラジオのトーク番組を聴いたら何となくしっくりきた(古い小型ラジオで聴いているかのよう)。少なくとも音楽向きではない。少しでも高音質にしたいならスピーカーユニットだけ交換することはできないこともないだろうが、最初からそこに期待はしていないのでガッカリすることもなく、全く問題なし。
そんなことより、自分で各電子部品を付けて組み立てた満足感や充実感の方が、音質云々を超えつして勝るのでただただ嬉しい。私のようにハンダ付けをしたことがない人には確かに丁度いいキットだった。お勧め。
初めてハンダ付けをしてみて
このブログをご覧いただいている人でハンダ付けの経験がない人は少ないかもしれないが、もっと早くやっとけばよかったと思った。工具としてはドライバーなどと違い、コンセントが必要になったり、工具自体がかなりの高温になるので火傷や火事の危険性もあるが、そこだけ注意すれば、やってみると意外と楽しい。
ハンダ付けができるようになることで、個人的にはオーディオの楽しみの幅が少しだけ広がった気がする。電子回路図が読めないので自作アンプまでは広がらなくても、キットくらいなら組めそうな気がするし、ハンダの付け直し程度の簡単な修理ならできるようになる。これまでは修理に出すか捨てるかの2択しかなかった。捨てるくらいならダメもとで修理できるしね。
鉛フリーハンダもあるが、ハンダには鉛が含まれているので作業後はしっかり手洗いをするか作業中は手袋をしよう。あとハンダは独特な臭い(フラックスが焼ける臭い?)がありコテで溶かすと「…くっさ」となるので換気もした方がいいぞ。
今回の電子工作キットで使用した工具類の紹介
普段からは馴染みのない工具を初めて購入するときは安心の日本製(白光社製)。セラミックヒーター式でニクロムヒーター式より、設定温度に達するスピードが早い。コテ先はB型(ペンシル型)のT18-Bが付いている。他と比べて少し高価だが軽くて初心者の私でも扱いやすい。
実際に使ってみてC型はB型より使いやすかった。円錐形の先端を斜めにカットしたような形状をしている。カットされた平な面がハンダを接触させやすく馴染ませやすい。細い「T18-C2」と、それより1段太い「T8-C3」の2種類購入していたが、今回はC2で十分対応できた。
熱くなったハンダゴテは机に直接置けないので作業中にコテを置く「コテ台」。少し大きめなので場所を取るが、グラつくことなくしっかりとハンダを保持してくれる。クリーナーはスポンジと金タワシがあるけど、いずれも別売があるので後からでも交換できる。
鉛フリーハンダは融点が高いようなので、私のような初心者はまず鉛入りを使った方が扱いやすいのかもしれない。慣れてきたら環境を考慮して鉛フリーに替えようかな。
ハンダ付けに失敗してもこれがあれば安心。使い方は、吸い取りたいハンダの上に吸取線を乗せて、その上からハンダゴテを当てると熱でハンダが溶けると同時に吸取線にハンダが吸着されていく。吸着したらハンダゴテと“同時に”離す。
作業マット シリコン製 耐熱500℃ ハンダ作業、電子機器の分解修理に最適 [350 x 250mm] (磁気付き・グレー)
ハンダが溶け落ちてもテーブルを焦がさず守ってくれる。トレー部分にはビスがコロコロと転がらない程度で、意図的に少し傾けたら転がるくらい弱い磁気がある。マット自体がシリコン製なので静電気を帯びやすい。精密機器のICとかメモリーとかをこの上で作業しても大丈夫だとは思うが、不安ならまず静電気除去した方が良さそう。
ケーブルの先端や細いコネクター程度なら挟んで持ってくれるヘルパー。手元を拡大して見ることができる3倍ルーペ付き。アクリルレンズなのでガラスほどクリアではないが、作業をする分には全く問題なし。保持するクリップにはシリコンゴムが付いているのでケーブルなどを挟んでもクリップの跡が付きにくい配慮は嬉しい。
今回ハンダがショートしていないか導通チェックに使用した。音で知らせてくれるのは思っていたよりも作業効率がよくて便利。非接触式電圧測定機能がついているのでスピーカーブラケットを付けるときに壁や天井の電源ケーブルが通っている所が判断できる便利機能付き。温度センサー機能も付いている。商品画像では単3電池が別で付いているが、購入時は予め本体にセットされている。
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