ハドソン川の奇跡,ホームシアター,プロジェクター

ハドソン川の奇跡(原題:Sully)

2016年公開のクリント・イーストウッド(Clint Eastwood)監督による、2009年にUSエアウェイズ1549便がハドソン川に不時着した航空事故を基にした映画。クリント・イーストウッド監督とは「ダーティハリー」の俳優で有名なあのクリント・イーストウッド。原題にもなっている“サリー(SULLY)”はパイロットのニックネーム。日本でも「ハドソン川の奇跡」として当時の事故はニュースにも流れたのでご存じの人も多いだろう。朝、ニュースを見てびっくりしたのを覚えている。私は飛行機が苦手なので、ニュースで飛行機事故を見ると余計に乗りたくなくなるが、映画「ハドソン川の奇跡」は繰り返し何度も見てしまう。

Blu-ray仕様:本編96分 アスペクト比:2.4:1
英語:ドルビーTrueHD/ドルビーアトモス、日本語:5.1ch ドルビーデジタル
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映画としてのエンターテインメントを求めて見るとガッカリする映画。実話を元に映画化されたものだけにヘンに誇張などをしておらず、淡々と話は進む中で機長の苦悩を映画化している。あの奇跡と呼ばれたニュースの裏で、当時や後日にはこんなやり取りがあったのだと知ることもできる。映画は事故後日から始まる。

日本では全年齢対象のレイティング「G」指定だが、アメリカでは「PG-13」指定。

「ハドソン川の奇跡」あらすじ

実話が元なので映画としての“あらすじ”というよりも概略という意味で。ワーナー公式Blu-rayから引用。

2009年1月15日、極寒のニューヨーク上空850mで155名を乗せた航空機を突如襲った全エンジン停止事故。160万人が住む大都会の真上で、制御不能の70トンの機体は高速で墜落していく。近くの空港に着陸するよう管制室から指示がある中、機長サリーはそれを不可と判断し、ハドソン川への不時着を決断。事故発生からわずか208秒の事だった。航空史上誰も予想しえない絶望的な状況の中、技術的に難易度の高い水面への不時着を見事に成功させ、“全員生存”の偉業を成し遂げる。その偉業は「ハドソン川の奇跡」と呼ばれ、サリーは一躍英雄として称賛される――はずだった。

ところが――機長の“究極の決断”に思わぬ疑惑が掛けられてしまう。本当に不時着以外の選択肢はなかったのか? それは乗客たちを命の危機に晒す無謀な判断ではなかったのか?徹底追及する事故調査委員会、そして揺れる世論。そこに重なる様々な思惑の中、英雄となったサリーは、一夜にして殺人未遂の罪に問われることに・・・。

© 2018 Warner Bros. Japan LLC All rights reserved.

出演は、トム・ハンクス(Thomas Jeffrey “Tom” Hanks)、アーロン・エッカート(Aaron Eckhart)、ローラ・リニー(Laura Linney)、マイク・オマリー(Mike O’Malley)、ジェイミー・シェリダン(Jamey Sheridan)、アンナ・ガン(Anna Gunn)、ジェイミー・シェリダン(Jamey Sheridan)、ケイティ・クーリック(Katherine Anne “Katie” Couric)など。尚、ケイティ・クーリックはニュースキャスターとして本人役で出演。

アメリカの最も権威あるニュースキャスターの1人であるケイティ・クーリックが本人役でカメオ出演

とても実話とは思えない奇跡が生んだ映画

飛行機事故として実際に起こったことが映画になるのは珍しくはないが、この「ハドソン川の奇跡」は語る映画としての完成度も高い。そしてこれが実話だと思うと感動する。英雄の様にテレビ放送される一方で、実際は国家運輸安全委員会からそのようには見られていない。ハドソン川への不時着は必然だったのかどうかが問われる部分、いわゆる「裏」の部分が映画化されている。

墜落事故にしたがっているように見える国家運輸安全委員会 (NTSB)側

クリント・イーストウッド監督は事故機と同型機のエアバスA320を購入し撮影に挑んでいる。しかも、当時の救助にあたった救助船とクルーも登場させ、実際のハドソン川で当時の状況を再現したものを撮影してリアリティを持たせている。もし、映画的にウソや大袈裟に誇張する方向ならあまり協力的ではなかっただろう。

当時テレビニュース映像で見た飛行機の翼に人が乗って救助を待つ姿などの光景がそのまま映画化(もちろん映画なので様々な撮影アングル)されているので、その時のニュースを見ていた人は状況が鮮明に思い浮かべられるはずだ。

事故は怖いが素晴らしい映画になっている

劇中はどこまでが映画上作られたセリフか分からないが、当時のコクピット内での機長と副機長の会話は当然、操縦室音声記録として残されているので、ウソや誇張はないはず。それがそのままセリフになっていると思うと凄いパイロット達なのだなと感じる。

サリーの要望により公聴会で再度シミュレーターを使っての検証が行われる。

劇中でエンジン停止からハドソン川に着水までの音声記録を公聴会で聴いた後、機長のサリー(役:トム・ハンクス)が副機長のジェフ・スカイルズ(役:アーロン・エッカート)に対し、「君は冷静そのものだった」と言い、「あれはチームプレーだ」と副機長を称賛するとともに誇らしく語っていた。確かに、どちらか一方でもパニックになったり大声を荒らげると、冷静を務めようとする方も判断を誤りかねない。演出ではなく実際にそうだったのだろう。映画冒頭、墜落する夢を見てしまう機長の夢の中では副機長は声を荒らげて操縦する機長に向かって「高度不足だ!」、「サリー!」と叫んでいる。これが先の副機長を称賛するセリフにもつながっているのだと分かる。

何よりも乗客員の無事を優先して考え、沈んでいく機内に最後まで残り乗客が残っていないか確認し、落ちついて行動したサリーの機長としての責任感を考えると、後ほど無事に搭乗者数155人全員が救出されたと聞いた時のサリーの「ワン・フィフティファイブ(155)…ワン・フィフティファイブ(155)…」と噛みしめるセリフが、何度観ても目に涙がにじむ。この機長達の操縦する飛行機なら、苦手な私でもためらうことなく乗る。(万が一、着水するなら7月にしてもらいたい)

後部は冷たい川の水が腰まで浸かるほど浸水している機内で乗客の確認をするサリー。早く脱出して!

「ハドソン川の奇跡」Blu-rayの音が凄い

Blu-rayはドルビーアトモス仕様だが、ドルビーTrueHDの5.1chサラウンドでも十分楽しめた。映画冒頭の、映像は字幕と製作会社のロゴだけでジェット・エンジンの轟音が前方から後方に鳴り響き、バードストライクによるエンジンの爆発音と停止音、つづいて映像が映し出されてからのコクピット内の音と墜落音を是非聴いて欲しい。もの凄い音だ。(サブ・ウーファーが鳴り響くので夜遅くに鳴らすのはダメな音)

ハドソン川の奇跡,ホームシアター,プロジェクター

サラウンドで素晴らしい音を響かせるオープニング・シーン。

音像定位もしっかりしていて、飛行機に合わせて左右に動くサウンドデザインは素晴らしいの一言に尽きる。ダイナミックレンジも広く、映画冒頭の音がかなり大きい分、つづくカットでは周囲の静寂とサリーの上がった息が映える。我が家では後方天井付近にサラウンド・スピーカーがあり、また、YAMAHA独自のフロント・ハイに位置するプレゼンス・スピーカーがあるからだろうか、高さも感じることができ、部屋全体を包む様にかなりの音を聴かせてくれる。ドルビーアトモス環境なら更に効果的なのだろうと想像できる。この映画は冒頭のサラウンドで一気に気持ちが入っていった。アクション映画ではないのでエンターテインメントな派手さはないがリアリティがあって感動する。

おまけ。事故当時、本当に公開されていた映画、クリント・イーストウッド主演の「グラン・トリノ」の広告が。この広告は映画上の遊び?

 


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映画全体を通してはさりげないサラウンドが多いが、機内を描く様子や不時着シーンなどのサラウンド感を是非Blu-rayで体感して欲しい。以前に本作をAmazonビデオ(5.1ch ドルビー・デジタル・プラス)で視聴しているのでBlu-rayとのサウンドクオリティが全然違うことを体感済み。VODでも十分いい音で鳴るのだが、機内の音、エンジン音、爆発音、コックピット内の警報音、公聴会の会場のザワつき等、クリア感とダイナミックレンジ、明確な音像定位や音の情報量がやはり比べればVODとBlu-rayでは違うのだと分かる。

普段VODを観ているだけの時は何も思わないのにVODを観てから、改めてBlu-rayという流れで観るとその違いに驚く。


「ハドソン川の奇跡」は現在(2018年7月13日時点)、Amazonビデオでは有料レンタル、U-NEXTでポイントを使って視聴できる。NETFLIXは登録されていない。U-NEXTは毎月自動的に1200ポイントが付与されるので、それを使えば新着映画を実質無料で視聴できる。ポイントは期限が過ぎると失効されるので使わないと損。

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