動画配信サービスの乱立

動画配信会社の分散はユーザーにとってどうなの?

2018年7月18日の日本経済新聞に「ネットフリックスに包囲網」との見出し。普段、休日には映画やドラマを楽しませてくれているネットフリックス(以下、NETFLIX)だが、2018年4〜6月期の契約者数予想が100万人を下回る520万人だっと発表した。520万人でも十分凄い数字だとは思うが、契約者数の伸びが予想に届かなかったのが5四半期ぶりらしく、それほど今までは順調な契約者数を獲得していたことを裏付けているが、ここに来て鈍化するのは今までが順調過ぎたとも言える。

以前にも少し話に触れたが今後はディズニーやアップルの参入(共に2019年中)が控えており、これから加入を考えているユーザーにとっては「サービスやコンテンツはどの配信会社が自分に合っているか」がキモになってくる。これまでは“動画の雄”とされてきたNETFLIXが他社に追われる側になり、今後の戦略が問われる。こういう背景があるのも今回の契約者数の予測を下回る要因になっている気がする。

確かにNETFLIX包囲網だ

特にウォルト・ディズニー・カンパニーは自社のディズニーアニメはもちろんのこと、人気のスター・ウォーズ・シリーズやマーベル系シリーズのコンテンツを豊富に持っている上さらに、2019年の春〜夏までには21世紀フォックスの買収を完了させようとしている。動画配信で完全にNETFLIXを敵とみなし対抗する姿勢だ。元々ディズニーは動画配信会社の1つであるHuluの株式を30%程保有しているので動画配信のノウハウは蓄積されているはず。同株式を同じく30%程を保有し、FOX TVや20世紀フォックスとして有名な映画コンテンツを豊富に持つ21世紀フォックスを買収することで、ディズニーはHuluの株式が60%程になる。ディズニーは今後、コンテンツの提供側から配信側に舵をとり、他社へのコンテンツ供給をストップすることも考えられる。少なくとも2018年でNETFLIXに新作の提供は打ち切ることは決定済み。そうなると、ディズニー、ピクサー、マーベル、ルーカス、20世紀フォックス(FOXテレビ含む)等を持ったディズニー独自配信はNETFLIXにとってかなりの脅威となる。同じHuluの株式を32%持つ筆頭株主のNBCユニバーサル(ユニバーサル・スタジオの親会社)はどう動くのか、これも注目しなければならない。

アップルも独自で動画配信サービスを始める様だが、こちらはまだまだ未知数。映画供給会社との契約は具体的に見えていないが、スティーブン・スピルバーグの会社と動画購入契約を結んだり、ソニー・ピクチャーズ・テレビジョンから実績のある元幹部2人を採用して質にこだわった独自コンテンツに力を入れる様だ。ディズニーに比べれば何だか可愛く見えてくるが、2,600億ドルを超えるという全く可愛げのない手元資金をどう使うのかこちらも目が離せない。

配信会社が増えることよりも1社のコンテンツが増えるほうが望ましいのだが…

各社が分散してそれぞれが契約した映画供給会社の動画を提供し、月々の料金をユーザーに請求する。配信会社が分散することで契約に隔たりがあり、コンテンツの充実度が今ひとつなら、1社が取りまとめてコンテンツの充実を図った方がよほどユーザーにとっては利便性は高いのだが、それが簡単にできるのなら既にやっているだろう。各社が供給側ではなく配信側に回りたがっている。これは月々の加入料がバカにならない数字をたたき出すからだと推測できる。仮にユーザー1名で月々1,000円とするとたった1万人が加入するだけでユーザーが視聴するしないにかかわらず毎月1千万円の売上になる。世界規模のマーケットなのでその売上げはとてつもない。現時点のNETFLIXの総加入者数は分からないが、四半期で加入者数が520万人増と言うだけで如何にマーケットが大きいか分かる。

ユーザーが加入に至るまでの魅力があるかどうか

既に幾つもある動画配信会社だが結局の所、コンテンツの量と質と月々の料金。ユーザーにとって観たい映画やドラマ、番組があるかどうか。一番分かり易いのは既に公開された映画やドラマが紹介されていれば、「コレ観たかった」と加入の動機にもなりやすい。NETFLIXやAmazonは独自で製作したオリジナルの番組やドラマがある。個人的な話だが私もNETFLIXに加入して初めてNETFLIXオリジナル・ドラマ「運命の7秒」を観たがなかなか面白い。しかし、ドラマはオリジナルに限らずとも他にも沢山ある。これに関しては観てみないと判断がつかないところもあるので加入を訴求する際のアピールとしては今ひとつ力が弱い。人によるだろうが私個人としてはやはりVODの魅力はメジャー配信にある。アップルがiTunesでメジャー発表の楽曲よりも、もしアップル・オリジナルの楽曲があり、そちらに力をいれていたらここまで世の中に浸透しなかったはずだ。映画やドラマも同じようなことが言えるのではないだろうか。

その点で考えるとメジャーなタイトル作品を多く持つディズニー配信は予想としてかなり魅力的に見える。個人的には加入せざるを得ない状況になるのではなかろうか…。ディズニーが独自配信を始める時、仮に20世紀フォックスの買収が完了していたら、株式の60%程を保有することになるHuluをどうするのだろう。ディズニー独自配信と統合させることも考えられるし、保有する株式を売却する可能性もある。また、その月額はいくらになるのだろう。ディズニーはBlu-rayなどのディスクメディアの価格を考えても、強気な価格設定をしてくると予想するが…。

選択を迫られるユーザー

いずれにせよ、私達ユーザーの多くは選択を迫られる。お金が潤沢にある人は全てのコンテンツが見られる様に全ての配信会社に加入するか、都度Amazonビデオで有料レンタルすればよいだろうが、そもそも加入している人の多くは「見放題」というところに魅力を感じているはず。私は現在3社(Amazonプライムビデオ、U-NEXT、NETFLIX)で「見放題」を満喫しているがやはり3社への支払いで限界。今のところ上手く月に3社とも視聴する機会があり視聴料を無駄に支払っている感覚はないが、これが4社や5社に加入すると恐らく月に一度も観ないのに月額視聴料を払わなければならなくなることは予想できる。仮にディズニー配信に加入するなら何かを解約することになるだろう。しかしその選択は難しい。ディズニーが自社の動画配信サービスに加入さえすれば全てのコンテンツを無料にすることも考えにくい。

もし、ディズニーやアップル、NETFLIXなど配信会社側がユーザー獲得競争の激化により供給する映画会社と独占契約を結ぶとなると、配信会社によってはいくら時が経っても観ることができない映画もでてくる。こうなるとイタイ。新作が直ぐに観られないのはやむを得ないと諦めることもできるが、観たいと思う映画がいつまで経っても観られないのでは折角加入しても観る機会が段々と減っていき無駄に月々の契約料を支払うことになる。これだけ配信会社が増えるとコンテンツも分散し、一部の独占配信のコンテンツを観たいために加入するのは料金と見合わない。結局ユーザーは配信会社が分散した分だけ散財することになるか、加入を諦めるかしかない。

Amazonプライムビデオ、NETFLIX、U-NEXTの魅力と欠点

ディズニーが株式を保有するHuluは加入すれば視聴は全て無料だが、4Kや5.1ch等のサラウンドには対応しておらず2Kで2chのステレオ音声だ。そして公式サイトをざっと閲覧してもドラマは充実している様だが映画の充実度は他社に比べると少ない。意外にもディズニーコンテンツさえ少ないのには驚く。Huluで個人的に観たいのはスター・ウォーズのアニメ版(全シーズン)くらいで、他は概ね加入している3社で補完できているので現在Huluには加入していないが、今後のディズニーの動きによっては充実度が変わってくる可能性もある。

今後のディズニーとアップルの動向に注視しつつ、現在私が加入している配信会社3社の魅力と欠点を少しだけ紹介しておこうと思う。(価格は税込み/2018年7月20日時点)

Amazonプライムビデオの魅力

月額(年一括払い):400円(3900円=月割換算325円)[〜最大4K画質]
サウンド:ドルビー・アトモス対応[NEW Fire TV対応]

Amazonプライムビデオの魅力は何といっても料金と別売のFire TV等の視聴デバイス。テレビなどに設置したFire TVを使うことで比較的シームレスに各配信会社の映画を視聴することができる。年間払いで月換算325円という低料金でプライム会員にさえなれば、全体的に見れば他社と比較すると数は少ないものの見放題になる映画に関しては意外と多い(洋画+邦画[アニメ、ドラマ、その他を除く]で約10,000本)。Amazonプライムミュージックで音楽が聞き放題なのはやはり魅力的。有料レンタルのAmazonビデオを併用するならDVDリリースされた新作映画はほぼ網羅できる。最近は4K UHDにもドルビー・アトモスにも対応したがメジャー作品にはなく、あまりにも対応コンテンツは少ないがまだ始まったばかり。今後メジャー作品が対応すれば魅力はさらに増す。料金で考えれば特に不満は感じないどころかコスパで考えるとやり過ぎなくらいだ。



NETFLIXの魅力

月額:プランによる(途中で変更可能)
ベーシック[SD画質]:702円
スタンダード[〜最大HD画質]:1,026円
プレミアム[〜最大4K画質]:1,566円
サウンド:ドルビー・アトモス対応(NEW Fire TVでも非対応)

NETFLIXは既存のメジャーなタイトル作品やドラマなど配信されている動画は、有料・無料など心配することなく全て見放題(アニメ、ドラマ、その他を除く映画作品本数は非公開だが多くない。推定で1,500本ほど)。逆に新作を有料レンタルで観たくてもそもそも有料レンタル自体がなく、新作映画はただひたすら配信されるのを待つのみ。最近では再生可能デバイスが限られているがドルビー・アトモスにも対応した(対応デバイスにNEW Fire TVが含まれていないのは残念)。今後、ディズニーなど映画供給会社がNETFLIXを敵とみなし、メジャー作品の供給を止めて追い詰めていく傾向にある。ワーナー・ブラザーズ系には強い。NETFLIXオリジナル・ドラマも観れば面白いがこれだけで加入するには至らない。映像とサウンドの質は優れているので是非とも頑張って欲しいところなのだが、今後売りがNETFLIXオリジナルのドラマや映画だけでは私にとっては魅力はそれほどないので退会せざるを得なくなる可能性が…。

NETFLIX公式ページ ▶

U-NEXTの魅力

月額:2,149円[〜最大4K画質]
サウンド:ドルビー・アトモス対応(NEW Fire TV対応)

U-NEXTの魅力は、ポイント利用により新作映画をどこよりも早く観ることができる。Amazonビデオなどで都度、別途有料レンタルなら可能だろうが、月に新作映画(399〜500円)を3本も観れば他の配信会社の月額利用料と変わらない。その点、新作映画が直ぐに配信され現金ではなくポイントを利用して観ることができるU-NEXTは有り難い。月額2,149円と他社と比べると随分高いが、最新作を見ることができる月々付与されるポイント(1,200ポイント)で相殺すれば実質949円となる…と、言いたいところだが実際お財布から出ていく金額は変わらないのでその辺りは個人の価値観による。付与されたポイントは90日間プールできるので貯めて連休などにまとめて新作映画を数本観ることも可能だ(例えば新作のブラック・パンサーなら432ポイントで視聴可能)。あと、他社との差別化としては多くの男性にとって魅力と言っていいであろう…な、コンテンツもあり、子供に対してはペアレンタルコントロールで制御できる。

しかし、良い面ばかりでもない。ポイントを利用して新作映画を観られるのはいいが「見放題」の映画となると極端に少なく、洋画+邦画を合わせてもAmazonより少ない(洋画+邦画[アニメ、ドラマ、その他を除く]で約5,000本程度)。料金が他社より高いのは先ほど述べた通り。それと、全てでは無いにしろアスペクト比がオリジナルと違いテレビの比率(16:9)に合わせた映像で左右が勝手にカットされていたり、同じく全てでは無いにしろサラウンドではなかったりで映画としての質がNETFLIX等他の配信に比べると私にとっては致命的な欠点も多い。新作映画をポイントを使って視聴したらアスペクト比がオリジナルと違った時は視聴するまで分からないだけに結構ショックはデカい。それでも月額料金さえ払えば実質無料で新作映画をDVD・Blu-rayリリースと同時に(もしくはそれよりも早く)観られるのはU-NEXTだけということになるので今ところ欠点はありつつも退会できないでいる。逆にポイントを利用しない視聴の仕方だとただ料金が高いだけの動画配信会社。





 

このまま、しばらくは様子見の状態がつづきそうだ。



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