バンブルビー,ホームシアター,映画

バンブルビー(原題:Bumblebee)

2019年3月(アメリカでは2018年12月)に公開されたトラヴィス・ナイト(Travis Knight)監督によるSFアクション映画。個人的にも楽しみにしていた「トランスフォーマー」シリーズに登場するバンブルビーを主人公にしたスピンオフ作品だ。劇場で観たかったのだが仕事でタイミングを逃し、劇場では観ることが事ができなかった。好きなSF映画の1つ「トランスフォーマー」シリーズのスピンオフとあらば是非劇場で観たかったが逃してしまったモノは仕方ない。ここはひとつ、「家キネマ。」でドカンと大音量で視聴してやろうと意気込んで4K UHD版を入手した。しかし、これも仕事の都合上なかなか観ることができないでいたが、先日やっと観ることができたので急いで執筆。この映画は1980年代を時代背景に持ってきているので懐かしの車が登場したり、懐かしの音楽などもバックグランドミュージックとしてかかったりする。特に音楽はこの時代に青春時代を送った人は少し懐かしい気持ちにもなるだろう。音楽ってその時代にリアルタイムで聴いていたら、一気にその時や状況にタイムスリップしたような感覚になれるほど色々思い出すから凄い。

Blu-ray仕様:本編114分 アスペクト比:1.78:1
英語:ドルビーアトモス 日本語:5.1ch ドルビーデジタル
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私が今回入手したのは4K UHD版。音声は4K UHD、Blu-rayの両方ともドルビーアトモス仕様になっている。3D版が発売されていないのは、今の時代は単独で出してもあまり売れないのだろうか、あまりにも悲しい現実を突きつけられたような気がする。そのために必ず4K UHD版と抱き合わせにするのも…。とうとうパラマウントまで3Dから撤退していくのだろうか。今後の動向が気になる。

「バンブルビー」あらすじ

父親を亡くした哀しみから立ち直れない思春期の少女チャーリーは、
18才の誕生日に、海沿いの小さな町の廃品置き場で、廃車寸前の黄色い車を見つける。
自宅に乗って帰ったところ、その車が突如、変形《トランスフォーム》してしまう。
驚くチャーリーを前に、逃げ惑う黄色の生命体。
お互いに危害を加えないことを理解した瞬間、似たもの同士のふたりは急速に距離を縮める。
チャーリーは記憶と声を失い“何か”に怯える黄色の生命体に
「バンブルビー(黄色い蜂)」と名前をつけて、かくまうことに決める。
ボロボロに傷ついたバンブルビーと、心に傷を抱えたチャーリー。
思いがけない友情が芽生えるのだが、しかし、予測不能の事態に巻き込まれていくのだった-

(C) 2018, 2019 Paramount Pictures. Hasbro, Transformers and all related characters are trademarks of Hasbro. (C) 2019 Hasbro. All Rights Reserved.

出演は、ヘイリー・スタインフェルド(Hailee Steinfeld)、ジョン・シナ(John Felix Anthony Cena Jr.)、ジョージ・レンデボーグ・Jr.(Jorge Lendeborg Jr.)、ジョン・オーティス(John Ortiz)、ジェイソン・ドラッカー(Jason Drucker)、パメラ・アドロン(Pamela Adlon)、など。

映画「バンブルビー」に少し違和感

結構「トランスフォーマー」の基本に立ち返った映像の数々に嬉しかったが、別で少し違和感と言うか気になることもあったのでその辺りにも触れてみたい。この作品を完全にコメディ映画と化したなら特に違和感を覚えなかったが、マジメに作っているので観ているこちらもマジメに観てしまう。そんな中、大きく違和感を覚えたのが時代。1980年代(劇中は1987年)の時代背景がダメなわけではなく、本編の「トランスフォーマー」シリーズではバンブルビーはもっと古くから地球にいた事になっている。映画を観ながら「バンブルビーは今回が初の地球ではないはずなのだが…よし、忘れよう…次だ。オプティマスも地球に降り立ったのは、オールスパークを探していた1作目時なのだが…よし、これも忘れることにしよう!」と、マイケルベイ監督の「トランスフォーマー」1作目と話がつながらない事が多く、なんだかパラレルワールドな世界、もしくはリブート版かと思うような設定になってしまっている。そして何故か地球に来る前から車を元にトランスフォームしたようなフォルムのオートボット達…あ、そこは元になるアニメもそうだから良いのか。

結構オリジナルに近い形態のオプティマスプライムはファンにとって嬉しい。いかにも車から変形したようなこの無骨で洗練されていないメカニカルな感じがたまらないのだ。


敵であるディセプコンも「こんなんだったっけ?」と思うがなんとなく古めかしい。手前はレーザーウェーブかな? ああ、もうこっちで本編作ってもらいたい。

これぞ基本のトランスフォーマー

冒頭に登場するオプティマスが元のアニメに近いコンボイになっている。そして最近の「トランスフォーマー」映画のように、戦ってもやたらとグロテスクに見える緑のオイルのような「血」を流さない。金属体のロボット同士の戦いっぽくスパークするだけだが、「トランスフォーマー」映画はそれで良いのだ。「トランスフォーマー」映画として金属が火花を散らすのはアリでも緑の血のような液体を流すのはいらないと個人的には思っている。まるで人間が血を流しているように見える。劇中ではオートボットが人のようにしゃべって、表情を変えるのだから、例え緑色であってもどうしても「血」に見えてくる。制作者もそれを明らかに狙っているだろう。グロテスク感と残忍さが増すだけでこういう映画で観ていても「面白い」とは感じない。「血」を望むのならもっとそっち系の映画を観る。

やはり(緑色の)血が出ない戦いはロボットらしさがあっていい。

本作「バンブルビー」ではその緑の血のようなものは流れない。それがいい。基本的に元の「トランスフォーマー」は子供のアニメだ。映画になったからといってやたら大人向けに方向を持って行くのは違う気がする。子供でも楽しめる「トランスフォーマー」映画でこそ「トランスフォーマー」だと個人的には思うのだ。アニメのような設定でリアルな映像になるから、まるで存在するかのような現実味のある映像としても面白く感じる。「トランスフォーマー」なら少々くらい内容が稚拙でもそれが反って良いのではないだろうか。「バンブルビー」はその辺がうまくコントロールされていて誰でも楽しめる映画になっている。思春期の少女と家族との溝や絆、友情、片想い、そこにバンブルビーという地球外ロボット生命体という、ある意味SF映画ではありそうな設定内容だがそれらを取り入れて上手く2時間弱でまとめている。見応えも「もう少し観たい」と思わせるほどのちょうどいいボリューム感だ。

「分身の術」でビートル(バンブルビー)を修理しているわけではない。時間経過を表しているだけ。


不用意にキーを回したがために…。ほらぁ、敵に居場所がバレちゃったではないか!


出会ってしまったこの2人。どのように展開するのか楽しみだったが…バンブルビーが妙にかわいらしいのが気になる。

「バンブルビー」がかわいすぎる

本作は、女性をターゲットにして制作されたのかやたらとバンブルビーが可愛らしい仕草や表情をする。無垢な小さな子供や子犬などに通じるモノがあり、パピーのようなバンブルビーを観ていると、地球に来た途端に何故そこまで可愛らしく弱々しくなるのかよく解らないところも。映画のエンターテインメントの要素として主人公の少女チャーリーとの掛け合いで「面白み」はあって良いと思うがやたらとそっちに引っ張ると何かバンブルビーのイメージを崩してしまいそうになるが、終盤にはちゃんと本来のバンブルビーに見えるのでこの映画ではギリギリセーフな感じだ。と、考えると「チャーリーを意識したのか?バンブルビー…なかなか計算高いな…」と別の発想が…。

う〜ん…。ちょこんとしたその仕草はなんだ。らしくないぞ。


やる時はやるバンブルビー。まるでバーサク状態。

「バンブルビー」のドルビーアトモス

元々「トランスフォーマー」シリーズはサラウンド感が抜群の映画ソフトだ。本作「バンブルビー」もその流れを汲んだサラウンドが楽しめる。さらにドルビーアトモスのシステムを組んだ家庭ならさらなる立体音響によるサラウンドが楽しめる。劇場で観られなかったから、それを取り返すかのように爆音で視聴した。金属同士がぶつかる音、爆発音などどれも相変わらず1級品。冒頭の惑星サイバトロンでの戦闘では目まぐるしく音が回る。オプティマスプライムの声は基本的にトップスピーカーが使われる。上から声が聞こえることで巨大さを表しているのだろう。あと人間がオートボットやディセプコンと話す時も両者が同一画面内なら基本的にオートボットの声やディセプコンの声はトップスピーカー が使われる。まるで天の声。

チャーリーの目の前でバンブルビーが変形するシーンでもトップスピーカー が多少使われているが、こちらは意外とごく少量。

特にトップスピーカーを使った立体音響を楽しめるというか笑ったのはチャプター9のシーン。チャーリーがバンブルビーに新しいカセットデッキ付きのラジオを取り付けた際に、カセットテープで当時流行りの音楽をかけてみせるがバンブルビーが気に入らない曲だとカセットを吐き出してしまう。その際に、チャーリーの頭上をカセットテープが空を切る時の音がトップスピーカーから「シュンッ!」っと鳴る。しかもご丁寧にトップリアからトップフロントにかけて一瞬で移動していくのは笑った。

人間と話す時ディセプコンの声やオートボットの声がトップスピーカーから聞こえる。

何故だ!?「バンブルビー」は3D版Blu-rayが発売されない!

今回1番声を大にして言いたいことがコレ。何…っッで3D版を出さない!売れないからか?パラマウントは売り上げ(金)が全てか!?…まぁ企業だからそうか。4K UHDの方がまだ需要は少ないのではないかと思うが、こういう現実を目の当たりすると本当に3D版って売れていないのだなと考えてしまう。今や映画はネット回線を通してオンデマンドで観る時代。それを敢えてBlu-rayなどのメディアを購入する人口から、さらにDVDプレーヤーではなくBlu-rayプレーヤーをもっていてBlu-rayを購入する人口から、さらに3D視聴ができる環境にある人口。そこから3D版を好む人口へとどんどん絞られてくる。その中でもテレビサイズでは3Dが全く面白くないので恐らく3D版はあまり売れない。そこでプロジェクターの大画面で3D視聴できる環境にある人となると、さらに、さらに3D版を購入する人口は減ってくる。1つのタイトルの映画を観る人口の割合から考えると3D視聴を望む人口は何%になってしまうのだろう。その人達のためだけに3D版を発売するのかとなると、ある一定の売り上げが見込めるかどうか企業としても考えざるを得ないのかも知れない。しかし、3D好きとしては、このまま3Dが衰退していくのは技術が進歩しているだけにあまりにも悲しいことだ。

「トランスフォーマー」シリーズのお約束。必ず人間が逃げる方向にギリギリ巻き込まれない程度で戦い(取っ組み合い)も繰り広げられる。



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4K UHD版はこちら。3D版が発売されないので私はこちらを入手した。映像対象物が特別美しいわけではないのでもしかしたらBlu-rayでもよかったかもしれない。誰しもが望むかどうか分からないがキュートなチャーリー役のヘイリー・スタインフェルド(少し特徴的な顔立ちだが笑うととてもかわいらしい顔になる)と、それに負けないくらいキュートなバンブルビーを高精細で視聴できる。またHDRならではの色域と階調の豊かさはさすがの画質だ。暗部の階調も潰れることなく、その暗部からオートボットの金属の光沢が映える。音質も僅かに4K UHDの方が高音質な感じがするのはただのプラシーボ効果かもしれない。

「バンブルビー」はAmazonビデオで有料レンタル版のみ。U-NEXTは540ポイント(2019年9月29日時点)で視聴可能。NETFLIXは登録なし。

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コメント

    • うめ吉
    • 2019年 9月 30日 8:24am

    バンブルビー、購入を迷っていたので参考になりました。
    アトモスが楽しいんですね。期待してしまいます。

    ところで3D版の件ですが、私も衰退、販売なしが心配です。
    ディズニーも映画館、ディスク両方で3Dを減らしていますね。
    ところで「スパイダーマン スパイダーバース」はご覧になりましたでしょうか?
    映像、音響効果、ストーリー、日本語吹き替え、音楽すべてが素晴らしい上に
    3Dがもう素晴らしいこと!!
    多くの人に3Dで観て頂きたい作品の一つです。
    3Dが効果的に使われている作品が有り、また映画館では3Dが一定の評価を受けているのですから
    ディスクも売り続けてほしいものです。
    追伸:スパイダーバースは、UHDのみアトモスで、これがまた大絶賛されています。
    私はBDしか持っていないので、うらやましいです。

      • ウチキネマー@管理人
      • 2019年 9月 30日 9:42pm

      「トランスフォーマー」シリーズの映画が個人的にも好きなので多少のアラには目を瞑った少し贔屓目のレビューかもしれません。
      こういった元々が漫画的なSFアクション映画は音も派手目なので、アトモス再生ではトップスピーカーを結構活用する傾向があるようです。

      そうなんですよね3D。3D版は販売する企業として需要を考えると厳しいのかもしれませんね。
      アバターの頃の盛り上がりが懐かしいです。
      私たちのようにプロジェクターを使って3D映画を楽しみに見ている人は実際どれくらいの割合でいらっしゃるのでしょうか。
      私1人が頑張っても「焼け石に水」にすらなりませんが、それでも見たい映画で3D版が販売されたら4K UHDとの抱き合わせでも
      極力購入するようにしています。

      「スパイダーマン スパイダース」は既に入手済みです。もちろん4K UHDで初回限定プレミアムエディション。
      今週末は仕事が休めるので週末が楽しみです。それと「アリータ/バトル エンジェル」と「アベンジャーズ/エンドゲーム」も。
      豪華に10月増税前の駆け込みとして「ええい、いってまえ!」と購入しちゃいましたよ。
      そのせいで、なけなしのお小遣いが飛んでしまいました。
      3本とも4K UHD(3D同梱)なので全てアトモス収録。
      でも、3本立ては流石に時間が取れないので、毎週1本ずつでも3週間分の週末は楽しめそうです。
      (イコール、3週分のネタにも困らないということですね)
      キャプテンマーベルもレビュー書かないといけないし…あ、これ入れたら4週分か…。

      結構ネタが溜まってきているのですが、執筆の時間がなかなか取れないというジレンマと日々闘っています。

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