ファーストマン,ホームシアター,プロジェクター

ファーストマン(原題:First Man)

2019年日本公開(アメリカ公開は2018年10月)のデイミアン・チャゼル監督、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮による映画。かの有名な宇宙ロケット「アポロ11号」で月面着陸を果たした実話を元にした伝記映画。ニール・アームストロング船長とバズ・オルドリンは1969年7月20日に月面着陸に成功している。50年も前の出来事だ。50年経った今でも月面着陸したのはアメリカのみ。だからどうなるわけではないが何かロマン。本作は、良くある宇宙モノの映画とは少し違う感じがする。ニール・アームストロングに焦点を当てた映画で何か暗い。ニール・アームストロング役のライアン・ゴズリングが暗いのだろうか。「ラ・ラ・ランド」で主演した時もあのカラフルな世界観とマッチしない何か暗い感じが最後まで拭えなかった。それを“独特の空気感”と言えば聞こえはいいが…。「ラ・ラ・ランド」にしても「ブレードランナー2049」にしてもニヒル(最近あまり使わない言葉だな…)なイメージそのままに、どの映画でも常に同じ感じに見えてしまうので個人的にあまり好きになれない俳優だ。「ジャズピアノが弾けるレプリカントが宇宙服を着て月面着陸」と言われてもあまり違和感を覚えない。

Blu-ray仕様:本編141分 アスペクト比:2.39:1
英語:ドルビーアトモス  日本語:7.1ch ドルビーデジタルプラス
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予告公開された当初は劇場で観ようかと思った映画だったが、公開翌月の2019年3月には「キャプテン・マーベル」が公開されることもあり、「ファーストマン」は劇場で観るのを控えた。Blu-ray版も結局は購入を見送り、アマゾン・プライムビデオに登録されているのを発見したため思い出したように鑑賞。本作はジェームズ・R・ハンセン(James R. Hansen)著書によるニール・アームストロングの伝記「ファーストマン:ニール・アームストロングの人生(原題:First Man: The Life of Neil A. Armstrong)」を原作として映画化されている。

「ファーストマン」あらすじ

1961年、空軍でテストパイロットを務めるニール・アームストロングは、NASAのジェミニ計画の宇宙飛行士に応募する。飛行士に選ばれたニールはヒューストンの有人宇宙センターで過酷な訓練を受けながら、他の飛行士たちとの絆を深めていく。NASAが目指すのは、宇宙計画のライバルであるソ連もまだ到達していない月面着陸。ニールたちは使命感を胸に、様々な困難を乗り越えながら、この前人未到のミッションに挑んでいく。

(C) 2018 Universal Studios and Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.

出演は、ライアン・ゴズリング(Ryan Thomas Gosling)、クレア・フォイ(Claire Elizabeth Foy)、ジェイソン・クラーク(Jason Clarke)、カイル・チャンドラー(Kyle Chandler)、コリー・ストール(Corey Stoll)、キーラン・ハインズ(Ciarán Hinds)、クリストファー・アボット(Christopher Abbott)、パブロ・シュレイバー(Pablo Schreiber)、パトリック・フュジット(Patrick Fugit)、ルーカス・ハース(Lukas Haas)など。

知られざるアーム・ストロングの苦悩を描く

冒頭でライアン・ゴズリングが個人的にあまり好きになれない俳優と言ってしまったが“嫌い”なわけではない。本作の趣旨である月面着陸という偉業を成し遂げたアメリカ。その宇宙ロケットの船長を務めたアーム・ストロングに焦点を当てて、さらに本人の内面、苦悩にフィーチャーした作品だ。「苦悩する人 = ライアン・ゴズリング」はとても合っている。ただ暗い…。映画の内容もアポロ11号打ち上げに向けての訓練や私生活の日々が淡々と流れる。日々の生活を描く映像は音も静か。宇宙モノ映画は大好きなのに…ヤバイ、日頃の仕事疲れもあって、落ちる(寝る)…落ちて(寝て)しまいそうになる。

…途中で本当に落ちてしまった。記憶しているところまでシーンを戻して観る。そして再び落ちる…Zzz。

ドキュメンタリーっぽい作りに見える。カメラもそれを彷彿させる様な構図やアングルが多い。

静と動

ニール・アームストロングの私生活を描くシーンは比較的静かで、NASAでの会議や会話も特にいがみ合うわけでもなく考えるシーンもあり、こちらも静かなシーンが多い。そしてロケットの打ち上げや打ち上げ途中(大気圏内)での船内の様子では音量が大きくなる。ガタガタとした機内の揺れでカメラも揺れる。スピーカーのサブウーファーも大きく唸る。それが宇宙空間に出るとピタッと静寂になる。そしてNASAのキャプコム(CAPCOM:宇宙船通信担当官)からの通信連絡。静と動が上手く絡み合っている。

常に死と隣り合わせのミッション。事故でクルーも亡くなってしまう。

Blu-rayならもっと音質が良いのだろうなと想像しつつ観たのだが、アポロ11号の打ち上げシーンは期待通りにかっこいい。これまでも映画でロケットの打ち上げシーンは何度も見ているが、本作の打ち上げシーンもリアルに見えてカッコいい。点火と同時に冷却された機体表面の氷が剥げ落ち(ロケット打ち上げではよく見るシーン)、打ち上がった瞬間はロケットエンジンの光で画面が全面真っ白になる。プロジェクターで観ているので正面の壁が全面間接照明のようになり部屋を明るく照らし出すほど。黒煙が立ち上がり、直ぐにはアポロ11号は見えないが間もなく黒煙の頂上からアポロ11号が飛び出していく。どこか少し客観的に見えるカメラアングルがいいのだろうか、いやぁ〜かっこいい。その打ち上げの音もアマゾン・プライムビデオながら相当なもの。

アポロ11号の発射シーンはカット割もカッコいい。

その打ち上げ途中での船内の様子がカットとして入るが、そのガタガタという音と共に「キコ…キュキュ…キコ」と金属が軋む音が入っている。アポロ11号の打ち上げ、月面着陸は歴史として成功しているので途中で爆発するや失敗するなど話し上あり得ないのだが、結構この音に緊張感が走る。実際、飛行機でも離陸時に機体が軋むあの音がイヤ。もしかして機体がバラバラに分解するのではないかと…、少なくともネジ1本くらい外れるのではないかと…「キコ…キュキュ…キコ………ガキンッ!」とか最後に何かが外れる大きな音がしないかと緊張感が走る。

アポロ11号機体の真ん中が膨らんでいるのではない。ベイパーコーン(圧縮雲)が発生している。

フィルムグレインがあるのは敢えて? それともアマゾンプライムビデオの画質の問題?

IMAXカメラで撮影されていると事前に知っていた本作。美しい映像が目の前に広がると思ったのだが意外とノイジーな映像だった。これは当時のリアリティを演出するための敢えてのフィルムグレイン(粒状のノイズ)なのか、はたまたアマゾンプライムビデオで観たからビットレートが低いためにただのノイズが乗っているのか…どっちだ。Blu-rayで観ていないので分からない…。しかし、50年前のリアリティを演出するためならフィルムグレイン残した少しノイジーな映像の方がいいのかもしれない。最近カリカリにキレイな映像だらけなので、たまにはこういうノイジーな映像を観るのも悪くないと思った。自分自身が映画に入り込むような没入感はないが、映像を俯瞰で見るドキュメンタリーのようなリアリティはむしろ感じることができる…と、思ったら月面のシーンだけノイズもなくやたらとキレイだ。もしかしてここだけIMAXカメラで撮影したのだろうか…いや、それウソっぽくなるから…どうせならここもノイズ乗せて欲しかった。

月面上の映像はもちろん地球上での撮影。採石場での撮影らしい。背景を暗くし、ライトで太陽を表現する事で月面の表現をしている。実際の月の砂(レゴリス)は細かく鋭利な形状をしている。細かく鋭利な砂は機体を傷つけたり、故障の原因にもなりうる。また静電気を帯びていて非常に厄介なものなのだ。船外に出て活動したニール・アームストロング達は今でこそ分かっているレゴリスの厄介さを現代ほど知識のないまま船外活動をしたとみられる。宇宙服などにまとわりついたレゴリスには帰還の際に苦労させられたのではないだろうかと想像してしまう。

月シーンの映像はグレインもなくとてもクリアだった。…ビットレートの問題ではなかったようだ。



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私は今回アマゾンプライムビデオで視聴したので正確には不明だが、もし、4K UHDでもフィルムグレンの様なノイズが乗るようならノイズが乗らない月面シーンだけのために4K UHDは何だかもったいない気がする。本作はBlu-rayでもドルビーアトモス収録なのでドルビーアトモス目的なら通常のBlu-rayで良いかもしれない。

「ファーストマン」はAmazonビデオで無料で視聴できる。U-NEXTは550ポイント(2020年2月9日時点)で視聴可能。NETFLIXは登録なし。

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コメント

    • もみじ
    • 2020年 2月 09日

    コレはですね・・・
    ・RゴズリングとDチャゼル監督が再びコンビを組んだ
    ・大好きな伝記ドラマ(実話系)
    ・アトモス音響
    ・IMAXでの撮影有り
    といった事は予めわかっていたので、相当な期待をしてUHDを購入し発売時に観ました。結論から申しますと(最近気合入れてUHDで買った作品は殆ど外さないのですが)「やってしまった・・・、しかもロケットマンのUHDに続き・・・」という感じでした(笑 唯一の救いは「ロケットマン」同様ほぼ買った値段でさばけたことでしょうか(爆

    配信でご覧になられたようですが、映像の評価は間違っていないと思います。IMAXシーン以外のほとんどが16ミリカメラでの撮影となっているので「ララランド」同様フィルムグレインが終始目立ちます(この監督は16ミリが好きなのか・・・)時代背景を考慮しての映像なのかもしれませんが「マリアンヌ」なんて第二次大戦中の時代背景でもあの美しい8k映像(4kマスター)はまったく違和感なく、むしろその映像美に酔いしれていたくらいで、いつの時代であろうと映像は綺麗に越したことはないと改めて思いました。また、お感じになられた通り、月面着陸のシーンだけIMAX撮影になっています(ソフトではサイズがビスタに切り替わります)ロケットの爆音も月面着陸シーンの無音も劇場で見たら相当な臨場感だったかと思いますが、残念ながらアトモスの音響も期待したほどではなかったです。とはいえ内容さえ良ければヨシとしますが、家族との葛藤のシーンがメインに地味なシーンが多かったので一言で言えば退屈でありました(私も居眠りこきました)
    同じNASA関連の作品でも、宇宙飛行士ジョン・グレンの功績を影で支えた天才黒人計算手の3人を描いた伝記映画「ドリーム」の方が面白かったです。

      • ウチキネマー@管理人
      • 2020年 2月 10日

      もみじさん
      おはようございます。

      わかります。私もメディア購入の選択肢があるとつい「少しでも画質や音が良いのも」をとついUHDを購入してしまいます。
      でも実際に観てみると映画内容とは別に画質や収録音がその購入メディアの値段に釣り合っていない気がするものもあります。

      なるほど、フィルムグレインははやり16ミリカメラの撮影でしたか!確かに情景に合わせてフィルムを使い分けるチャゼル監督と考えたら納得できます。観ているときは結びついていませんでした。そしてやはりIMAX撮影のシーンは月面着陸だけですか。配信動画ではその辺の確信がもてないのですよね…。Blu-rayではシネスコとビスタの混合ということですね。情報ありがとうござます!

      「ドリーム」面白いですよね。笑える要素もあり、うまく3人の活躍をまとめている映画だと感じました。

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