2020年からNetflixオリジナルとして公開された、ウォルター・テヴィス(Walter S. Tevis)著書の同タイトルの原作小説「The Queen’s Gambit」(1983)を全7話にドラマ化したもの。ウォルター・テヴィス原作で有名な映画では「ハスラー」(1961年)と「ハスラー2」(1986年)がある。「クイーンズ・ギャンビット」とはチェスのオープンングの1つ(定跡)を呼ぶものらしい。そのことはドラマ内でもさらっとセリフで出てくる。
チェス盤にはオーソドックスなデザインはあるものの、それ以外にも様々なデザインの盤や駒がありインテリアとしてただ飾っていても楽しめる。かつて私もオーソドックスなチェス盤を持っていたがずいぶん昔に手放した。各駒の動かし方は将棋とそれほど大きく違わないものの、ゲーム内容(ルール)が将棋と混同してしまう上、「アンパッサン」や「キャスリング」など条件によって動かし方が変わったりすることが、ちょっと慣れないと複雑な気がする。将棋の方が相手の駒を自分の駒にできる分(チェスは持ち駒にできず盤から外されるだけ)なんとなくだが戦略性は高い気がする。ちなみに私は数学が弱いので将棋やチェスもメチャクチャ弱いぞ!
「クイーンズ・ギャンビット」あらすじ
9歳の時、事故により母親を亡くし、孤児院に入ったベス。そこでは孤児院達に“身体を丈夫にする薬”と“心を落ち着かせる薬”としてカプセル錠剤が投与されていた。その内の“心を落ち着かせる薬”は今では違法となる精神安定剤ということは後に知ることになるがこれが、後々ベスを薬物依存症として苦しめることになる。そんなことを知る由もないベスはある日、孤児院の地下室でチェスを1人打ちするシャイベルという用務員がと出会う。
ベスはチェスに興味を持つがシャイベルは教えてくれない。しかし、ベスが駒の動きを数回見ただけで覚えてしまうことに内心驚いたシャイベルはベスにチェスとチェスにおける定跡やマナーを教えていくことにしたが、もともと数学が得意で記憶力に長けたベスはすぐにその才能を発揮する。そして13歳となり養子として引き取られ孤児院を出たベスだったが…
Netflixオリジナルドラマなので公式のあらすじがないため、適当に序盤部分のあらすじを書いたが、ここから先どのようにチェス界のクイーンを目指すのかは実際にドラマを観ていただきたい。人生には色々あるのだ。
出演は、アニャ・テイラー=ジョイ(Anya Josephine Marie Taylor-Joy)、ビル・キャンプ(Bill Camp)、モージス・イングラム(Moses Ingram)、クリスティアン・サイデル(Christiane Seidel)、マリエル・ヘラー(Marielle Heller)、ハリー・メリング(ハリー・メリング)、トーマス・ブロディ=サングスター(Thomas Brodie-Sangster)、マルチン・ドロチンスキ(Marcin Dorocińsk)など。
映画ではなくドラマで良かった
この「クイーンズ・ギャンビット」というドラマは“チェス”というゲーム内容を知らなくても十分に楽しめる。主人公のベス・ハーモンが当時(今でも?)男性社会のチェス界で正に“クイーン”を目指す物語。これは1本の映画ではなくドラマにしたのは正解だった気がする。ベスの対局や成長ぶり、メンタルの描写など到底映画1本では収まりきらない。
設定上の歴史的な背景もあるが映像表現も秀逸で、全体的に落ち着きのあるトーンなのだが、何か不安定なカラー(空気感)が混じる独特な雰囲気がある。主役のベスを演じるアニャ・テイラー=ジョイが目が大きく特徴(インパクト?)のある個性的な顔立ちなので、そんな雰囲気も醸し出しているのだろうか。全体の映像トーンとベスの赤毛が絶妙にマッチしている。
時代背景となる1950〜60年のベスが着る衣装やファッションはゴテゴテした装飾品などがなく、どれもシンプルながら素敵に見える。そういうファッションに注目しても面白いかもしれない。
チェスは男の世界?
そういえば、なんでプロでもアマチュアでも将棋やチェストは男性社会なんだろう…基本男性の方がゲーム好きで、しかも「戦略ゲーム」だから? 女性の多くが「戦略」は苦手なのか、単に興味がないから少ないのか。将棋界でも男性は普通に“棋士”なのに、女性の場合はわざわざ“女流棋士”って呼ぶのも違和感がある。
今は少なくなってきたが、ゲームやスポーツも女性側にわざわざ“女子〜”や“女流〜”と付く。日本ではいまだに「俳優」も多くは男性を指すことがあり、女性の場合だけ「女優」。逆に「男優」っていうと…ねぇ…あっちの世界になっちゃうし。本来は女性も「俳優」だ。性質的に男性と女性で別れる部分はどうしてもあると思うが「既成概念」だけで何でもかんでも男性と女性で分けるのは今の時代にまったく合っていない。
古い歴史の中で身体的な差を利用し、暴力を含めて腕力やチカラだけで男女の社会的な棲み分けを作ってしまった背景もあるのではないだろうか。女性は歴史の中で活躍できる所でさえ機会を奪われていただけで、今は「狩猟」などの肉体的な強さがないと生きていけない時代ではない。…原始時代じゃないんだから。現代の社会で男性がするべきものと女性がするべきものがあるのは、既成概念以外の何ものでもないよな。
配信:Netflix
解像度:4K UHD
音声: 5.1ch(英語/日本語)
アスペクト比:1.78:1
Apple TV 4Kはスクロールも早く、イントールする様々なアプリもサクサク動きストレスなく楽しめる。ギガビットイーサネット搭載で有線での通信速度は断然速い。新しくなったSiri Remoteで操作性も格段に向上。Face ID搭載のiPhoneがあればテレビのキャリブレーションもできる。配信映画の視聴には、やはりNo.1のデバイス。ちょっと他のデバイスより価格が高いだけのことはある。
Fire TV CUBEはFire TVシリーズでNetflixのドルビーアトモスにも対応した4Kデバイス。アレクサへの呼びかけで音声操作もでき、ヘキサコア搭載で処理能力も向上。イーサネットアダプタも標準で付属する。新設はもちろん、既存のFire TV からのアップグレードに!
初期投資を安く、手軽に配信動画を観るならやはりAmazonのFire TV Stickがおすすめ! 自宅にWi-Fiネットワーク環境がない場合や、Stickで安定した動画配信を楽しみたいなら別途イーサーネットアダプタも併せて購入するほうが◎。
(注:※Fire TV CUBEにはイーサネットアダプタが付属。※Fire TV Stick 4Kを使用の場合、Netflixのドルビーアトモスには未対応)
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