ジャンパーケーブル,スピーカー,バイワイヤリング接続

スピーカージャンパーケーブルの製作

夏休みにハンダ付け初心者向けのアクティブスピーカー自作キットを工作し、ハンダ付けにも少し慣れたところで、いよいよ実践第1号(実験台)として普段使っているメインスピーカーJBL S3100のジャンパーケーブルを作ってみる。

スピーカーのジャンパーケーブルって何?必要?

ちょくちょく「家キネマ。」ブログをご覧頂いている方(ありがとうございます!)にとっては「ジャンパーケーブルって何?」という人は少ないと思うが一応説明しておくと…、まず基本的なところでスピーカーにはさまざまなタイプがあり、1台のスピーカーの中に1つのユニットで低音から高音まで全ての帯域を担うフルレンジユニットから複数のユニットで構成されるスピーカーもある。

1台のスピーカーに付いているユニット数+way(ウェイ)と表現し、2wayスピーカー(ドライバーユニットが2つのもの)なら2つの帯域に。3way(ドライバーユニットが3つのもの)なら3つの帯域といった感じだ。

私がメインで使用しているJBL S3100の場合はドライバーユニットが2つなので2wayスピーカー。中〜高音域の音を担う1つがホーン型ツイータードライバーのユニットで、もう1つが中〜低音域を担うウーファーのユニット。

2way以上のスピーカーの場合、背面に低音帯域(Low)入力と高音帯域(High)入力の2組の入力端子があるスピーカーが存在する。端子にはプラスとマイナスがそれぞれあるので、単純に端子の数としては合計4つ。入力端子が1組の場合は、アンプから全帯域(フルレンジ)で入力された音声信号がスピーカー内部に取り付けられているスピーカーネットワークによって高音帯域と低音帯域に分離され、それぞれのドライバーユニットに伝送される。

2WAYスピーカーの構造

2wayスピーカーの構造。なみなみの線は音のイメージなだけで特に深い意味はない。


3WAYスピーカーの構造

3wayの場合。ネットワークが3つの帯域に分離させる。

2組の入力端子が付いているものは、内部ネットワークで帯域の分離はされないが、代わりにそれぞれのユニットにはハイパス(ローカット)、ローパス(ハイカット)のフィルターがあり、高音域の端子に低域が入力されても低音域の音はフィルターでカットされ高音域の周波数信号を担うユニット(例えばツイーター)に送られ、逆に低音域の端子に高音域が入力されても高音域の音はフィルターでカットされ低音域の周波数信号を担うユニット(例えばウーファー)に送られる。

カットされる周波数帯域でクロスオーバー値が決まる。クロスオーバー値は各メーカーで違いがある。JBL S3100のクロスオーバーはウーファーユニットが大型だからか中音域でもかなり低めの750Hzになっている。ブックシェルフ型2wayスピーカーなどは3000Hz〜4000Hzなどもっと高い周波数帯でクロスオーバー値が取られていることが多い。

2組の入力端子があるスピーカーはアンプから送られる全体域(フルレンジ)が含まれた信号を高音域側と低音域側の2組の端子それぞれに入力する必要がある。アンプからのスピーカーケーブルはバイワイヤリング接続などをしていない限りスピーカー1台につき1本(シングルワイヤー)のはずなので、入力したいずれかの帯域側からもう一方の帯域側へ信号を橋渡しする必要がある。その橋渡し役がジャンパープレート(バスバー)やジャンパーケーブルなのだ。…説明が長ぇよ。

シングルワイヤー,ジャンパーケーブル

スピーカーに2組の入力端子がある場合、シングルワイヤーならジャンパープレートやジャンパーケーブルを使って高音域と低音域をブリッジさせる。

ジャンパーケーブル用のケーブル

ケーブル自体はジャンパーケーブル用として存在しないので、適当なスピーカーケーブルを短く切って使う事になる。そのためだけにケーブルを別でわざわざ購入する必要も感じないので既存のスピーカーケーブルを短く切って、それをジャンパーケーブルにする。

現在メインスピーカーに使用しているスピーカーケーブルは「CANARE 4S8」なのでこれを少しカットしてジャンパーケーブルを作成しよう。スピーカー片側だけのケーブルをカットすると左右の長さが変わるので両スピーカーのケーブルからそれぞれ同じ長さでカットした。よほどでない限りスピーカーケーブルの左右の長さが違っても聴く音にそれほど影響しないが、気持ち的にはなるべく同じにしておきたいので両方それぞれカットした。ついでに被服も剥き直すのでスピーカーのメンテナンスも兼ねてやっておく。

ジャンパーケーブル,スピーカー,バイワイヤリング接続

既存のスピーカーケーブルからジャンパー用に少し拝借。

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スピーカーのメンテナンス(ケーブル被服の剥き直し)

私が数年に1度行うスピーカーのメンテナンスは、スピーカーケーブルの被覆の剥き直し、端子のクリーニングとコンタクトオイル(接点復活剤)の塗布、ウーファーユニットの増し締め、スピーカー本体の清掃。最後の清掃は音に影響しないけど、その他の項目は音が変わるというかリフレッシュされて元の音に戻る。十数年間放置してそのままで聴いている人がいたら是非メンテナンスをすることをお勧めする。

バナナプラグを外してみると、やはりケーブルの銅線が少し酸化して色がくすんでいた。ネジ式(ソルダーレス)のバナナプラグなのでやはり数年に1度はケーブルを新しく剥き直してやる必要がある。新たに剥き直して接点復活剤を塗布し、バナナプラグをネジ締めし直した。ハンダ付けするとこの手間が無くなるのだが…もう少し先だな。

ジャンパーケーブル,スピーカー,バイワイヤリング接続

バナナプラグ端子を外して端子に接触していた部分をカット。写真では分かりにくいが、銅線は少しくすんでいた。

ジャンパーケーブルの作成

カットしたケーブルをジャンパーケーブルとして使うために更に半分の長さにカット。被服を剥いて4本の導線を1本にまとめ、今回のために用意しておいたYラグ端子にハンダ付けを行う。

ジャンパーケーブル,スピーカー,バイワイヤリング接続

ケーブルを更に半分にカットして4本分にし、両端のシースを剥く。


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先端の被覆を剥き銅線を露出させる。ピカピカだ。

Yラグ端子はオーディオ専用で購入すると、「アホか!」と思うほど無駄に高くなるので、使用したのは一般的なスズメッキのYラグ端子。怪しくなるほどバカみたいに大袈裟な表現をすることで有名なショップ「PRO CABLE(https://procable.jp/)」でも推奨されている(間違ってはないが、あんな風に書かなければもっと信頼感が増すのに…)。Amazonでもモノタロウでも、ホームセンターでもどこでも安く手に入る。通電・伝送には全く問題がないので、これなら仮にハンダ付けに失敗しても痛くもかゆくもない。4芯ケーブルを1つにまとめて使うのでYラグ端子も大きめなものが必要になる。今回は、ニチフの8Y-6という型番のYラグがサイズ的に良さそうだったのでそれを購入した。

端子の詳細寸法はニチフのホームページにある総合カタログで確認できるのでそちらを参考。
株式会社ニチフhttp://www.nichifu.co.jp/j/

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ちなみに私が使っているバナナプラグなど、オーディオ系パーツにはよく金メッキとか施されたものがあるが、最初の見た目がいいだけであれも残念ながら端子は腐食はする。よく「金めっきなら腐食しない」と言われたりするがあれはウソ。金属としての金は腐食したり錆びたりはしないが、薄い皮膜程度の金メッキは防錆には意味をなさない。購入時はキラキラしていても時間の経過と共にメッキがくすんできていたらそれは腐食している。

長期間劣化しないようにコンタクトオイルを接点部分に予め塗布しておくとか、くすんできたら磨くなどして交換したての音を持続させるには定期的なメンテナンスが必要だ。長い期間を経て徐々に音も見た目も劣化するから気づきにくいんだよね。私も購入したバナナプラグはハンダ付けしなくてもいいということと、どの道メンテナンスは必要なことは分かっていたので見た目だけで選んだ。

CANARE 4S8ケーブルは4芯ケーブルになっているので4芯を1つにねじってまとめる。熱収縮チューブを予め両端分通しておき、Yラグ端子にまとめたケーブルをハンダ付け。熱収縮チューブで絶縁する。それを左右スピーカー分で合計4本作成。

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銅線をねじって予備ハンダを付ける。ケーブル銅線からすごい熱が逃げていき、コテの温度を高くしないとハンダが思うように流れなかった。


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予め熱収縮チューブを通して、Yラグ端子を付けてかしめる。


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Yラグ端子にハンダ付けを行う。熱が放熱されてハンダが付きにくい。流れないのでムズイ!


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予め通しておいた収縮チューブをドライヤーで収縮させて固定&絶縁。熱を加えると1番下のケーブルのようになる。


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更にひと回り大きい収縮チューブを使って2重に。

できた。ハンダ付けはイマイチだったが必要充分だろう。ハンダ部分は見えないので結果的にOK。ジャンパーケーブルは曲げて使うので、端子とケーブルの接続部分に曲げの負荷がかかるため収縮チューブを2重にすることで強固になり、接合部分の凸凹が見た目にも滑らかになった。

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できた!見た目もまあまあだろ。自画自賛。


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端子接合部分も収縮チューブを2重にして固めたので曲げの負荷にも気持ち的には大丈夫なはず。

使用した工具に関しては過去記事で。

音には変化を感じないけど気分はいい

ジャンパーケーブルはバイワイヤリングした状態のまま付けているが、これは我流。一般的にはバイワイヤリング接続にしろバイアンプ接続にしろ、そういった接続の場合はジャンパープレートやジャンパーケーブル外すものとされている。私も当初はそれにならって外していた。

バイワイヤリング,2WAYスピーカー

バイワイヤリング接続が可能な場合の基本的な接続方法。高音域と低音域それぞれ専用にスピーカーケーブルを引くように接続する。そう聞くとなにやら音が良くなりそうなイメージはあるが…。

しかし、今はスピーカーには高音域入力と低音域入力の端子2組あるものの、結局内部にハイパス、ローパスそれぞれのフィルターがあるのでバイワイヤリングやバイアンプにしてもそれほど意味をなさないと思っている。よく言われているユニットからの逆起電力がノイズになるということに関しても同じ。ハイとロー、それぞれのユニットからの逆起電力もフィルターでほぼカットされるので耳で分かるようなノイズにはならない感じ。音の違いは実際にシングルワイヤ、バイワイヤそれぞれ試して聴いても分かるような分からないような微妙な感じだった。

それよりもバイワイヤリングにしたうえでジャンパーケーブルを付け、総合的にスピーカーケーブルの抵抗値が下がる方がスピーカーの音質向上効果が高くなるんじゃね?と考えた。スピーカーケーブルのインピーダンスを下げて、ダンピングファクターを少しでも稼ぐイメージでその様にしている。実際に聴いても低音の出方が変わった。低域を担うウーファーの制動が良くなったのか音の切れが良くなり絞まった低音に変わった(…ように感じた)ので、以降はこの接続方法にしている。

バイワイヤリング+ジャンパーケーブル

現在の家キネマのメインスピーカーはこの状態。バイワイヤリング+ジャンパーケーブル。

今回のハンダ工作によってジャンパープレートからジャンパーケーブルに変わったくらいで、これまでとは良くも悪くも音質は変わらなかった。逆にこれで大きく変わったらジャンパープレートに対して「どんだけやねん…」と思ってしまう。ジャンパープレートはあまり良くないと話には聞くが私には違いが分からなかった。

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今回取り外した、JBL S3100付属のジャンパープレート(バスバー)はお役御免。


ジャンパーケーブル,スピーカー,バイワイヤリング接続

今回自作したジャンパーケーブル。太くなって信号伝達効率はこれまでより圧倒的に高いはずだが音にどれだけ影響するのか…。


ジャンパーケーブル,スピーカー,バイワイヤリング接続

自作したジャンパーケーブルをJBL S3100に取り付けたらこんな感じに。

もっと短くても良かったんだけど、S3100の端子軸の形状が四角なので、Yラグを90度単位でしか取り付けられない。ケーブルを曲げることを考えるとこれくらいが妥当なのかも。

音の明瞭度が若干向上しているが、これはケーブルの被覆を剥き直したことにより、接点部分が新たな銅線に変わったからだろう。もとからバイワイヤリング接続なので今回製作したジャンパーケーブルがもし音に影響を与えるとするなら多分、低音域側だと思う。もの凄い超人的な聴覚を持った人には分かるのかも知れないが、私には自作したCANAREのジャンパーケーブルというだけで少し気分が良いくらい。うん、まぁ、私には分からないだろうなとは想像してたけど、本当に分からないとなると少し残念に思う複雑な男心。


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