ストリーミングデバイス(Streaming Device)とは映像や音楽など配信(ストリーミング)視聴に特化した端末(デバイス)のことで、私はFire TV(第2世代4KとCUBE)やApple TV 4K(2017)とChromecast with Google TVの合計4台を所有している(第2世代のStick TVや初代4Kも所有しているが今は使っていないのでノーカン)。
「色々出ているけど結局どれが一番いいの?どれを買えばいいの?」という話題。この話題は他の人も多く取り上げているので、今更「家キネマ。」ブログで言うことでもないが、問い合わせでも質問が多いので今回テーマにあげてみた。
今更なテーマではあるが…
各デバイスの比較で良いところイマイチなところを綴っていくが文章量的に1回で書き綴ると長くなり過ぎるので、それぞれ短く3回に分けて掲載。
Vol.1「Fire TV」篇
Vol.2「Apple TV」篇
Vol.3「Chromecast with Google TV」& まとめ篇
の順番で掲載してく。
文字メインなのであまり細かく書いてもそこまでは求められていないと思うので個人主観で軽く書いていこうと思う。「軽く」といってもFire TV、Apple TV、Chromecast with Google TVと3機種分の使用感を綴るのでトータルではかなりのボリュームになるとは思う。
ホント今更なのでスペックなど検索すればすぐに情報が引き出せるようなことは割愛させてもらうが、私が日常的に使っていて良いと感じることやイマイチと感じるところなど、スペックでは見えない部分をダラダラと書き綴ろうかと。なお、今回は「映像ストリーミング視聴」を中心に比較するので音楽視聴デバイスとしては考慮していない。
「ストリーミングデバイスは結局どれを使うのがベストなのか?」という答えをひと言でいうなら…「使い方とお財布事情にもよるが、どれを選んでも大きな失敗は無いので好きなものを選んでください」なのだが、それを言ってしまうと終わってしまうので、改めて各デバイスの特徴とUIの使い勝手や機能面などを踏まえて紹介していこうと思う。
もちろん、専用デバイスを使わなくてもスマホやタブレット、PC等でもストリーミング視聴はできるがここでは取り上げない。それと、自宅にネット環境は必須。そもそもストリーミング映画をテレビやプロジェクターに映して観ない人や、「いやいや何言ってんの?ネット環境はスマホだけだよ。なんで別で料金払ってまでわざわざネットを自宅に引かなきゃいけないの」って人は今後の参考までに。
私が現在サブスクリプションで加入している配信会社は、Amazon(プライムビデオ)、Netflix、U-NEXT、ディズニープラスの4社。それらを視聴することを踏まえて各デバイスを比較していく。というわけで、Fire TVから。
Fire TVというストリーミングデバイス
おそらく国内でのストリーミング専用デバイスとして一番売れているだろう。現在発売されているデバイスとしての安さ(Stick型)、手軽さではナンバーワン。
月額500円で映画が見放題になり、ついでに音楽も200万曲は無料で聴けてAmazonでの配達料も無料になるという、もうアホちゃうか(褒め言葉)と思うような鬼ほどコスパが高いAmazonプライム会員の人は多いだろう。なのでAmazonプライム会員だからデバイスも心理的にAmazonから発売されているFire TVシリーズという流れが多い気がする。しかし、他のデバイスでもAmazonプライムビデオは観ることができるのでAmazonプライム会員だからといって必ずしもFire TVを選ぶ必要はない。
Fire TVはフルHD〜4K UHD、ドルビーアトモスまで対応。Stickを選ぶかCUBEを選ぶかは何を重要視するかによる。音声認識は付属のリモコンからアレクサボタンを押して話しかけるか(Stick)、Echoのように「アレクサ!」などウェイクワードを言って話しかけるか(CUBE)の違いと、CUBEは本体にスピーカーが付いているので単体でもアレクサが返答してくれる。あとはCUBEの方が価格が高いだけに単純にハードウェアとしてのスペックが高い。現行の最新型Stick 4K MAXと比較してCPUだけでも4K MAXが4コア(1.8GHz×4)に対し、CUBEが6コア(2.2GHz×4/1.9GHz×2)と一度に処理できる能力とスピードに違いがある。
このハードウェア処理能力の違いは仮にネット環境の速度が同じであっても、データ受信速度からサムネールの表示速度、映画再生スタートまでの時間が変わってくるのでよりストレスなく映画視聴が可能なわけだが、両機とも最大で4K UHD表示はもちろん、音声もドルビーアトモスまで再生可能なので、一度映画がスタートしてしまえば違いはない。
これらのハードウェアによる処理速度の違いは実際に映画を視聴するまでのUI(ユーザーインターフェース)部分の恩恵が大きい。操作感に関わることなだけに、かなり大事な部分だと個人的には思ったのでCUBEの購入に踏み切ったが、Stick 4K MAXが2台買える程の価格なだけに購入に至るまで随分二の足を踏んだ。(購入するならセールやタイムバーゲン狙いがオススメ)
かといって、2倍の処理速度の差があるかと言うとない。絶対にない。CPUの処理能力の違いなんて普通に使用するならほぼ違いは感じられないはず。アレクサが必要ない人は4K MAXで十分。
Fire TVの良いとこ
メインで使っているCUBEでの話になるが、6コアのCPU処理能力によりレスポンスも悪くなく、他の配信アプリ(Netflix、U-NEXT、ディズニープラス)が全て最大の解像度4K UHD/Dolby Vision(U-NEXTを除く)、音声ではドルビーアトモスまで視聴できるストリーミングデバイス。
アプリも豊富でほぼ不足はない。この辺りは利用する人によって欲しいアプリが変わってくると思うので必要なアプリが利用するデバイスにインストール可能か確認する必要がある。一時期、Googleとの確執でFire TV上でYouTubeアプリでの視聴が不可能になったが今では全く問題なく視聴ができる。YouTubeアプリもいくつか登場しているので好きなYouTube視聴アプリをインストールして使うのもアリ。
映画視聴においてフレームレートを(24fpsなど)視聴時に自動でオリジナル配信データに合わせることができる。映画はそのほとんどが(フィルム撮影でいうところの) 1秒間に24コマというスピードで再生される。現代のデジタル配信はフィルム再生と同じ1秒間に24フレーム再生するようにフレームレートを24fps(リフレッシュレート=24Hz)に合わせることでオリジナルの動画再生になる。
画面全体の拡大縮小が可能。配信映画では字幕位置を動かすことはできないので、私のようにプロジェクターでアナモフィックレンズを利用した拡大で字幕が切れる場合は画面全体を縮小し字幕をフレーム内に収めることができる。
U-NEXTにおいてサラウンド、ドルビーアトモス配信は多くはないが対応作品はフルHDでも視聴することができる。表示能力がフルHDの場合、他のデバイスでは全てステレオ(2ch)音声の再生となる。PC以外で“その他”の視聴が可能なのもFire TVのみ。PCやAndroidスマホなどでは4K UHD表示が可能だが現行のストリーミング専用デバイスではフルHDが最高画質となる。
CUBEはウェイクワードで音声認識が起動するので両手がふさがっているときの一時停止などは便利。リモコンを使わなくても音声で操作ができ、さらにスマートリモコンを併用して例えば「アレクサ、映画が観たい」と言えば、部屋の照明を消してプロジェクターとプレーヤーとA/Vアンプの電源を入れてホーム画面を映し出すまでの一連の動作も可能。スクリーンも電動なら自動で下すこともできる。近未来的!
Fire TVのイマイチなところ
ヘキサコア(6コア)のCPUを搭載している割には、全体的にはもっさりした動き。 CUBEでの話だが、ヘキサコアCPUと自慢げに謳うくらいならもう少しキビキビと動いて欲しい。Apple TVと比較するとやはり動きがもっさりしている。特に映画視聴時にフレームレートを合わせるとき、映像再生までに多少の時間がかかる。
それと関連することだが、感覚でいうとYouTubeの動画コンテンツ表示のスクロールが遅いのが気になる。じっくり動画を探している時は特になにも思わないが、例えばひとつのチャンネルで過去の動画を観ようと下に向かってスクロールしていく時、動画の本数が多くあると過去に遡るだけで結構な時間がかかる。ホーム画面のスクロールと比較するとその差は歴然なので多分Fire TV上のYouTubeアプリの問題だと思うのだが、できれば改善されないだろうか。
メモリーの使用効率やメモリー開放が上手く無いのか、使い続けるとUIの動きまで遅くなりカクカクになる。長時間使用していると段々と動きが鈍くなるので、ごくたまにデバイスの再起動をする必要がある。特にCUBEは常時(スリープ状態であっても)アレクサがバックグラウンドで起動している状態なので基本的にメインの電源を切ることがない。そのため電源オフによるメモリー開放がないので無駄なキャッシュが溜まってメモリー使用率が高くなり遅くなるのが原因ではないだろうかと想像する。メモリー2Gもあるのに何やってんだか…。
有線接続のイーサネットアダプタを使うと本体の仕様上、最大通信速度が100Mbpsで頭打ちになる。いくらCPUの処理速度が早くてもネット接続がメインであるストリーミングデバイスにおいては結構致命的。常識的にはWi-Fiより有線の方が安定して速いはずなのに、我が家ではネット環境がIPv6に対応しているため、Fire TV CUBEの場合はスピードを重視するなら有線接続よりもWi-Fi(802.11ac)で接続した方が速度が出るという逆転現象が起こっている。
U-NEXTをインストールしている場合で、お子様とデバイスを共有するならペアレンタルコントロールが必須。唯一、U-NEXTの“その他”がPC以外で見れてしまうデバイスなのだが、なぜデフォルトでロックしないのだろう。こういうのは見たい人やロックを必要としない人が解除する形式で良いと思うのだよね。ちょっと面倒だが仕方ない、子供の柔らかい脳ミソにトラウマ級の大ダメージを与える可能性があるので面倒くさがらずキチンと設定しよう。
あとは、もの凄く個人的なことだが手のサイズがリモコンと微妙に合わず、力の入り方と持ち方が原因なんだろうけどリモコンの角が手のひらに食い込むので長時間操作していると意外と痛くなる。ちょっとしたツボ押しくらい痛い。
まとめ
UIが新しくなって使用頻度の高いアプリを上部にまとめ、並びをカスタマイズできるようになったので少し便利になった。まだまだ改善して欲しい点はあるが、ひとまずの操作にはそれほど不便を感じない。できればChromecast with Google TVくらい各配信会社関係無くホーム画面でジャンルごとにまとめてもらえると嬉しいのだが、叶わぬ願いだろうか。
フルHD、4K MAX、CUBEと発売されているが、4K UHD視聴が必要ないならフルHDのFire TVで税込4,980円という価格。初めての導入には良いのかもしれないが、Amazonプライムビデオやディズニープラスのドルビーアトモスは再生できない。音響も楽しみたいと考えているなら、やはり初めから4K MAX以上を選ぶべきだと思う。
Wi-Fi通信も4K MAXなら802.11axまで対応するので(CUBEは802.11acまで)Fire TVの中で唯一IPv6(Wi-Fi6)に対応する。なのでWi-Fiなら自宅のネット環境もIPv6なら相当な速度で通信できる能力を持っているが、有線(イーサネット)の場合はCUBEと同様に100Mbpsで頭打ちになるので注意。この仕様ほんと…ダサい。
次回はVol.2「Apple TV」篇。
初期投資を安く、手軽に配信動画を観るならやはりAmazonのFire TV Stickがおすすめ! 自宅にWi-Fiネットワーク環境がない場合や、Stickで安定した動画配信を楽しみたいなら別途イーサーネットアダプタも併せて購入するほうが◎。
(注:※Fire TV CUBEにはイーサネットアダプタが付属)
Apple TV 4Kはスクロールも早く、イントールする様々なアプリもサクサク動きストレスなく楽しめる。ギガビットイーサネット搭載で有線での通信速度は断然速い。新しくなったSiri Remoteで操作性も格段に向上。Face ID搭載のiPhoneがあればテレビのキャリブレーションもできる。配信映画の視聴には、やはりNo.1のデバイス。ちょっと他のデバイスより価格が高いだけのことはある。
Fire TV CUBEはFire TVシリーズでNetflixのドルビーアトモスにも対応した4Kデバイス。アレクサへの呼びかけで音声操作もでき、ヘキサコア搭載で処理能力も向上。イーサネットアダプタも標準で付属する。新設はもちろん、既存のFire TV からのアップグレードに!
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